菊池流帆「魂を感じる全身全霊のプレーで鉄壁を築くセンターバック」
【vissel kobe】
印象的だったのは、第32節・サンフレッチェ広島戦の前半20分に奪った先制点のシーン。フリーキックの展開から、折り返しに合わせた武藤嘉紀のシュートは相手GKに阻まれたものの、ゴール前の混戦からこぼれたボールを菊池流帆が体ごとねじ込むようにゴールにつなげる。本人曰く、膝に当たって入った『膝シュー』。「素晴らしいゴール」だったと胸を張った。
「諦めない者にボールが来ると証明してやりました。(相手が)一人少ない状況になり、0-0の状況を引き延ばされるのが一番嫌だと思っていたので、早いうちに先制点を取りたいと思っていました」
サンフレッチェ広島戦で『膝シュー』を決めて喜ぶ菊池流帆選手 【vissel kobe】
「正直、前半10分過ぎに痛めた足が痛すぎて、それどころじゃなかったんですけど、逆に足の痛みに気を取られて力が抜けて良かったのかもしれない(苦笑)。今日は、世紀の一戦だったので最後まで絶対に勝ってやるという気持ちだけでピッチに立ち続けました」
そうした状況にありながら、至近距離のシュートを逃げずに頭で弾き返すファイターぶりも『菊池流帆』そのものだった。
「あれは、しっかり読めていたのでアジャストできた」
もちろん、気迫だけで守り切れるほどJ1リーグは甘くはないからこそ、そこにしっかりとした準備と連携があったことも教えてくれた。
「練習から全員が勝ちたいという執念を持って、集中して戦えている。相手に絶対に得点を許さないための準備も徹底できている。ボランチの玲央くん(大崎)、蛍くん(山口)が守備でもしっかり走ってくれてかなり助けられていますけど、チームとして守り切れているという手応えはあります」
大きな声を出し、気迫を前面に出しながら、周囲との連携も図っている 【vissel kobe】
「いつも言っているように残りも全部勝つ。残留が決まったとか関係なく、1戦1戦とにかく勝つために戦うだけ。次も、食ってやろうと思います」
そのために、ヴィッセルきってのファイターは今節も全身全霊で鉄壁を築く。
高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
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