【湘南スペシャルプレビュー】約2年8カ月ぶりの声出し応援を背に積み上げを余さずピッチに傾ける

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開幕から8カ月余り、ホーム最終戦となる今節迎えるサガン鳥栖について、山口智監督は印象を口にする。

「攻守においてスプリント能力が高く、プレーテンポも速い。とにかく勢いがあり、その頑張りがあるチームというイメージ。そのうえで、川井(健太)監督が整理していろんなことにトライしている印象です」

前回対戦は2月下旬の第2節までさかのぼる。前半は鳥栖がポゼッションを高めて一度ならず決定機をつくり先制した。かたや後半はベルマーレが前線からのプレスを強めてリズムを掴み、高い位置でボールを奪って同点に追いついた。互いに色の異なる前後半を経て、一戦は1対1のドローで決したのだった。

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高い強度を背景に、3バックと4バックを併用するなど鳥栖は戦いの幅を広げている印象だ。どのように臨んでくるか、フォーメーションを含めて読めない部分もあるが、「相手を見て選手に判断させたいというのが僕の第一の考え方」という言葉の通り、山口監督のもとで日々育むボール状況に応じた戦いが今節も求められよう。

ふと、前節のヴィッセル神戸戦を思う。
「守備では奪いに行くスタンスが薄く、攻撃ではイージーミスが多い」指揮官がそう課題を指摘した一戦は0対1で敗れたが、一方で、0対3の横浜F・マリノス戦をはじめこれまでの敗戦を振り返ると、負けて然るべき内容のゲームは少なくなかった。

その点、くだんの神戸戦は、技術的な面など反省材料はあれど、チームとしての繋がり自体に憂いはない。
指揮官も、「イージーミスといってもボールを持っている選手と周りの関係性があるなかでのものが多かった。それは春先に比べて間違いなく積み上げている部分」と、チームのたしかな成長を見つめている。

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来る週末に向け、目を細めるのはそれゆえだろう。
「攻守に積み上げてきたものを選手たちがどう表現してくれるのかという期待がありますし、今季の集大成という意味ですごく楽しみ。残念ながら勝たなければいけない状況にありますが、これまでやってきたことを信じられるか、自信を持てるかどうか。勝ちを目指し、いままでやってきたものを出すことに尽きると思います」

熾烈な争いも佳境を迎えるなかで、現在13位のベルマーレは自力でJ1残留を射止められる状況にある。ホームでは約2年8カ月ぶりとなる声出し応援を背に、目指すものは常と変わらない。

取材・文 隈元大吾

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著者プロフィール

1968年、藤和不動産サッカー部として創部。1993年にベルマーレ平塚となりJリーグ開幕より1年遅れてJリーグ昇格。 1999年、親会社撤退からクラブ存続危機となるが、地域やサポーターの支えのもと2000年に湘南ベルマーレとして再出発。 以降幾度も昇格、降格を繰り返しながら2022年はJ1で5年目のシーズンを戦っている。 ◆MISSION「夢づくり人づくり」 ◆VISION「人生と地域を豊かにする、スポーツ文化が根ざしている世の中」 ◆SLOGAN「たのしめてるか。」

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