Jリーグ マネジメントカップ 2021:川崎フロンターレが圧倒的な強さを見せ2年連続3度目の優勝
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Jリーグマネジメントカップ2021のJ1優勝は川崎フロンターレの2連覇
2021年シーズンもフィールドマネジメント(FM)面で圧倒的な強さを見せた川崎Fが、ビジネスマネジメント(BM)面でも他を寄せ付けない手腕を発揮しました。昨シーズンに引き続きコロナ禍の影響で入場料収入は微増にとどまったものの、スポンサー収入の増加により売上高はコロナ禍前を超えて過去最高となりました。困難な状況でも助け合い、クラブを支えたいと考えるスポンサーが多かったことは、これまでクラブが地道に積み重ねて築いてきた関係性があったからこそといえるでしょう。
スポーツ興行において最も基本的な目標である「満員のスタジアム」の実現がコロナ禍の影響で制限が課せられる環境下では叶いません。スタジアム来場者へのBM施策と、来場できないファン・サポーター向けのBM施策をバランスよく実施していく観点が勝敗を分けたともいえるでしょう。
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平均入場者数・スタジアム集客率
昨シーズンに引き続き、新型コロナ対策として様々な制限が課されたものの、コロナ禍2年目で先手を打てるようになったことから、20クラブ中15クラブは昨シーズンより平均入場者数が増加しています。
一方で、終盤に設けられた5,000人上限の厳しい制限下でホームゲーム試合数の多かったチームでは減少したものと考えられます。スタジアム集客率においては、J1平均は前年比+16.6%の22.3%となり、昨シーズンからやや増加する結果となりました。収容可能人数が20,000人前後の比較的コンパクトなスタジアムをホームとしているクラブに有利な結果となっています。
客単価
J1の物販収入平均は▲4百万円(▲1.1%)と大きく変化がない一方で、入場制限の緩和施策により総入場者数平均が+32,692人(+29.9%)と回復傾向にあるため、物販収入を総入場者数で割って算出するJMCのグッズ単価は減少傾向を示しました。
今シーズン唯一客単価で10,000円超えを達成した川崎Fの客単価は+3,390円(+47.9%)の10,463円となっており、特に、グッズ単価は+2,704円(+62.8%)の7,013円と全クラブの1位の実績を残しています。優勝記念グッズを契機としたEC販売の拡大などにより物販収入が+318百万円(+46.9%)と大幅に増加していることが要因として挙げられます。
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勝点1当たりチーム人件費・勝点1当たり入場料収入
FM面で史上最高勝点リーグ優勝の川崎は、前者についてリーグ平均の45.4百万円より低い39.5百万円に抑えたものの、人件費も増加しているため、昨年比+2.9百万円の悪化となりました。
後者は勝点1をできるだけ高く売りたいクラブ側の視点と、できるだけ低く買いたいサポーター側とで、トレードオフの関係を内包する指標といえます。J1平均は前年比+1百万円(+15.3%)の7.7百万円となりました。昨シーズンはJ2降格クラブがなかったことからJ1のクラブ数が増加しており、それに伴って試合数も増加したため、全体的に勝点が多くなっていたことを考慮すると、低下圧力がかかるはずですが、それでも微増となったのは、それ以上に入場料収入が回復したことを示す結果となっています。
トップの清水が勝点で前年比+14(+50.0%)、入場料収入も前年比+144万円(+48.8%)とどちらの指標もバランスよく増加する結果とした一方で、大阪府からの要請でJ1最多となるホーム戦5試合が無観客試合となった影響もあったG大阪は、入場料収入が前年比▲75百万円(▲23.1%)、リーグ順位も2位から13位へ下がったことから勝点も▲21(▲32.3%)と落ち込む結果を反映した順位となっています。
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売上高・チーム人件費率
SNSフォロワー数・SNSフォロワー数増減率
SNSフォロワー数増減率のJ1の平均は前年比+2.3P(+23.7%)の11.8%となっており、昨シーズンまでの成長鈍化傾向からの改善が見られました。
トップは34.5%を記録しフォロワー数を約88万人にまで増加させた川崎Fです。2位がフォロワー数でJ1最少(約6万人)の徳島、3位はフォロワー数が徳島に次いで少ない仙台だったことを踏まえると、元々フォロワー数が多かった川崎Fの躍進は異例ですが、約22万人超の新規フォロワーの半数以上の約14万人を、シーズン終了後のラスト1カ月、タイの英雄・チャナティップ選手が札幌から移籍加入すると発表された月だけで獲得しています。
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財務状況
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欧米に比してスタジアムへ観客が戻り切らない現状の一因と推察される声出し応援の制限について、Jリーグでは2022年6月よりガイドラインを策定し、一部スタジアムに応援エリアを設けて声出し応援を段階的に再開してきました。9月初頭には、感染リスク評価のためのデータの蓄積に基づき、ガイドラインが遵守されている限りは声出し応援によって感染拡大は起きなかったとのエビデンスを得ることに成功し、政府の規制緩和を後押ししました。ほかの興行スポーツやライブエンターテインメントにとどまらず、Jリーグが生み出す社会的価値のさらなる可能性を示しています。
次回はJ2の結果を紹介します。
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