女王の競演ー不動裕理が挑む

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【<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>】

NOBUTA GROUP マスターズGC レディース マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)

 不動裕理がフィールドにいる。レジェンドの存在感は特別だ。02年、今大会がスタートする前年、マスターズGCで開催されたヴァーナルレディースで優勝を飾った。シーズン9勝目。2位に5打差をつける圧勝だった。そんなことを考えると、時がたつのは早い。

 「この年齢になっても、故障がない。けがをすることなくプレーができる。ありがたい。それは、すごいことなのかなぁ、と感じている。この点については自画自賛してもいいかなぁ。元々、体は頑丈です。でも、最近は少しずつ体のケアを続けなければ、ちょっと違和感がある。これからもずっと続けるために、ですよ」と控えめな口調は、ルーキー当時から変わらない。

 JLPGAツアー通算50勝。永久シードを取得した。今季は9戦目だが、2週連続出場というところがキーポイント。要は、調子がいいーということだ。「月1回の試合では、コースマネジメントの失敗が多い。今回、それがちょっと減るかなぁと期待している」と意欲的だ。

 前週、富士通レディースでは、3日間アンダーパーのラウンドで健在をアピール。17位タイだった。勝負勘をより研ぎ澄ますには、やはりトーナメントの緊張感の中で身をおかなければならない。

 「プレーをする時は必死。ギャラリーの皆さんがいらっしゃる。調子の良し悪しはあるけど、とりあえず頑張るか。頑張っているふりをするか…。もう、それしかないでしょう」と、笑いながらも、「大叩きしても、棄権はしない。それも頑張るということだと思う。試合ではみんなが、勝って泣いて、負けて泣いて…。予選落ちして涙をみせる人もいるけど、私が泣きたいよ、と思いながら頑張ってきた。もちろん、いまもそうです。今回も全力で頑張る」が、これからも、プロフェッショナルのあるべき姿。過去473試合、一度たりとも棄権はしていない。優勝も見事なら、貫くスタイルが人生の哲学ーそのものだろう。

 「私の人生で一番デキが良かったものがゴルフでした。もし、東京大学を目指す学力があれば、ゴルフよりもそちらを選んだかもしれませんね。少しだけ、誇れるものがゴルフです」といい、「先輩方を含め、みなさん年をとると(試合出場が)遠慮気味になります。私も遠慮しているはずだけど、少しだけ図々しくなって皆さんの分まで出場をするか、ちょっと悩んでいる」とも加えた。

 第1日、上田桃子、イボミと同組でプレー。百戦錬磨、賞金女王のタイトルホルダーの競演である。もちろん、真剣勝負。見逃せない。

(中山 亜子)
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