汰木康也 勝利だけを視野に、左サイドからの質の高いプレーで前線を加速させるMF

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【vissel kobe】

 前節のサンフレッチェ広島戦で、J1リーグでの自身のシーズン最多ゴール数を塗り替える5ゴール目を決めた。

 相手が一人少ない状況下、3点のリードを奪って迎えた56分。左サイドで小林友希の縦パスからカウンターを仕掛けるとドリブルで前へ。前線を目がけて送り込んだパスは一旦、相手DFに阻まれたものの、すかさず跳ね返りに詰めてボールを拾う。再び足を伸ばしたDFを柔らかなトラップでフワリと交わし、最後はGKの立ち位置を見ながらややタイミングをずらして冷静にゴール右隅に突き刺した。スピード、ドリブルでの仕掛け、足元の技術と、汰木の持ち味が詰まったゴールだった。

「相手DFに当たってラッキーな感じでこぼれてきて、冷静に流し込むところまでは最低限のプレーだったなと。その前のゴール前に差し込んだパスのところで、(ボールを出すのが)少し遅れてしまいサコくん(大迫勇也)がオフサイドになっちゃうというのは最近多いので、もう少し練習しなくちゃいけないところだと思っています」

 厳しい前線のポジション争いを制して先発出場が続いている。本人も「キレも出ているし、状態は悪くない」と胸を張る。

前節サンフレッチェ広島戦 後半12分、右足でこの試合4点目となるゴールを奪う 【vissel kobe】

 「チャンスはあるけど最後の最後で決めきれないというシーンがこれまでいくつかあって、そこが取れていたらなお理想的ですが、左からの崩しは今のヴィッセルの強みにもなっているし、そこでボールを握って崩して自分たちの時間を数多く作れたらチーム全体としてのシュート数ももっと増えると思う。最近はそれを相手に警戒されつつあるけど、僕とゴウくん(酒井高徳)のクオリティがあれば上回れると思っているので、引き続き左サイドでの質の高いプレーを続けていきたいし、なおかつフィニッシュまでいければ最高だと思っています」

 思えば、ヴィッセルに加入したばかりの頃、浦和レッズでの昨シーズンに掴めた自信として「ゴールに絡む、裏に抜けるプレーが確実にゴールにつながるようになってきたこと」を挙げていた汰木。だからこそ「今シーズンはそれを継続しながら、もう1つ上のステージで戦える選手になりたい」と。

左サイドでボールを運ぶ汰木康也選手 酒井高徳選手と縦関係を組み、チームの攻撃を支えている 【vissel kobe】

それがプレーにも数字にも表れている昨今。残りのシーズンはそこをさらに追求しながら、彼が何よりも欲するチームの勝利のために前線で加速を見せるだろう。
「どこが相手でも、勝点3しか見ていない」

 汰木が決めればヴィッセルは負けない。その姿を今節もホーム・ノエビアスタジアム神戸で示すために。

高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
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