【PICK UP】前貴之選手「オレンジの絵筆が描き出す、しなやかで強いレノファスタイル」
【RENOFA YAMAGUCHI FC】
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もちろん持ち味は今も変わらず、一列前の選手にボールを預けて攻撃に出たり、前節の15.高井和馬選手へのアシストのようにゴールに直結するプレーを繰り出したりと動きは多彩。ピッチを俯瞰してゲームをコントロールする視野は攻守にわたってレノファのストロングになっています。
そんな前選手が描くオレンジの直線路は今もゴールにつながっていますが、少しだけ以前と違う部分にも気づきます。前選手が今、重視しているのが「コミュニケーション」。それもベテランから若手選手まで年齢に関係なく自分の意見を言い合う環境を作ろうとしています。
【RENOFA YAMAGUCHI FC】
全体練習が終わったあとに前選手に寄ってくる選手がいたり、試合の合間に話しかける選手がいたり。前選手は「練習のあとにジモン(寺門陸選手)も話し掛けてきました。勝つためのコミュニケーションが増えてきたと思います」と語り、チームが「仲良し」の段階を超えて新たなフェーズに入った感触を確かなものにしています。
【RENOFA YAMAGUCHI FC】
今夏の再加入にあたり、前選手が手を加えるべきだと感じたのが最終ラインを下げるタイミングでした。特にセンターバックをやるようになってから、もっと我慢して高いラインを保つ必要があると実感。試合に出ている22.生駒仁選手や28.高橋秀典選手だけでなく、名塚善寛監督や6.渡部博文選手などにも思いを伝え、よりハイラインでよりコンパクトな陣形の維持に向けて練習中から改善に奔走します。
前選手が心掛けるコミュニケーションの徹底も手伝って、3失点した横浜FC戦のあとは大きく失点が減少。相手がオフサイドトラップに引っ掛かる回数の多さは、ハイラインが堅持できている指標とも言えるでしょう。ハイライン、ハイプレスが洗練され、攻撃にもよりレノファらしいリズムが出るようになりました。
【RENOFA YAMAGUCHI FC】
「全員が一歩も二歩もレベルアップしないと上のカテゴリーでは戦えない。それは自分自身も感じてきたことで、高めるために努力しないといけないと思っています。生活の中から自覚して何が必要かを常に考えないといけないし、トレーニング内容も、それ以外のコミュニケーションも大事です。チームとしても個人としてもレベルアップしないと成長できないし、昇格できない。上に行こうと努力し、それがチームに還元できるのはすごく良いことだと思います」
野心的ながら現代的なサッカーを志すレノファ山口FC。このチームに欠かせないオレンジの絵筆は、残り4試合となったリーグ戦も強く、しなやかに、フィールドをレノファのサッカーに染めていきます。
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前貴之(まえたかゆき)
1993年9月16日生まれ、29歳。北海道出身。北海道コンサドーレ札幌の育成組織で育ち、2種登録を経てトップチームに昇格。2017年から3年間、レノファでサイドバックを中心に攻守に関わった。2020年はJ1横浜F・マリノスに移籍。同年夏から2022年夏までは松本山雅FCでプレーした。今夏再びレノファに戻り、ボランチやセンターバックで中心的な選手として活躍している。172cm、69kg。
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