【新門司NOW】J初ゴールにまつわるエトセトラ。平山駿選手
【©GIRAVANZ】
「素直に嬉しい気持ちもありましたが、状況的に0-2から1点返しただけだったので、さほど喜べなくて。次はゲームを決められるような得点を取ってファン・サポーターの皆さんと喜びたいです。1-2の状況でもう1点取れるチャンスもあったので、そこで決めてチームに勢いをもたらせたかったと思っています」
そう謙虚に振り返るが、彼を支えてきた人たちからは多くのお祝いメッセージが届いたようだ。
「家族LINEで弟や兄、それから父もメッセージをくれました。試合の前日が父の誕生日だったこともあり、ゴールでお祝いできたのもよかったです。それに加えて友人たちからもメッセージをもらえて、本当にいろいろな人に応援されているのだなと感じましたし、さらに頑張ろうと思えました」
【©GIRAVANZ】
「ゼン(狩土名禅選手)が先に決めたことで、プレッシャーになっていたわけではないですが、やはり気にはなっていました。同じ攻撃のポジションで同期ですし、自分も早く決めなければならないという気持ちはあったので、やっと決められたという思いですね」
ここまで、ゴールを取るまでと取ったあとの素直な気持ちの面について聞いたが、ここで改めてプレーそのものについて問うた。あの得点シーンに、これまでの成長の跡が詰め込まれているように感じたからだ。
「ゴールシーンは中央突破の縦パスが入ってそこからサイドに流れた時、コタ(藤川虎太朗選手)からのクロスに対して、GKとDFの間に入ってもらおうと思っていました。その後相手にボールが当たってマイナスに行き、自分はそのまま中に入りましたが、大河くん(前川大河選手)のシュートの打ち損がたまたま自分に来て、そこからはGKも見えていたし後ろのカバーも少し目には入りましたが、冷静に流し込めました」
【©GIRAVANZ】
「鹿児島戦ではシュートの時にGKを見る余裕がなかったんです。胸トラップしてとりあえずゴールに流し込もうという感じで蹴って、ちょうどGKが飛んで止めやすい位置にボールが行ってしまいました。あそこでもう少し冷静になってニアに打つ、GKの位置を見て打つ、そういうことができれば入っていたのではないかと思います」
鹿児島戦での悔しさを2か月後の結果に変えられたのは、やはり練習の積み重ねだ。
「ここ最近の練習で、相手DFやGKを見てシュートを打つということができていて、余裕をもってプレーできている感じはあります。相手がスライディングするのをちゃんと見て切り返してシュートを打ったりとか、2か月前と見えている部分が違ってきている感じはあります」
「練習でやっていることしか試合には出ないと思いますが、福島戦ではそれをしっかり出せたんじゃないかと思います。途中出場だったので、まずは動こうと思って背後を取ったり起点になるプレーをして時間を作り、良いリズムが自分の中にもできたし、その中で入って10分くらいで得点できたので、そこからまた良い流れに乗れたのかなと。
終盤に、裏に抜け出してゴール前に行ったシーンもありましたが、あそこももっと貪欲に強引にシュートに行ければよかったとは思います」
【©GIRAVANZ】
想定外に長かったJ初ゴールまでの道のりにおいて、昨年からの積み重ねと苦い経験も決して無駄ではなかった。ルーキーイヤーの昨季、終始苦しい状況だったチームと同様、個人としても先発出場は2回に終わり苦い門出のシーズンだったが、毎日の筋トレだけは欠かさなかった。みるみるうちに体は大きくなっていった。
「一人でやっていた時もありましたけど、続けられたのはやっぱり一緒にやってくれる仲間の存在が大きかったです。あとは試合に出た時に、体の強さ、フィジカルの差を去年は結構感じていて、足りないと思っていたので毎日続けようと思っていました。
カテゴリーが1つ下がったとはいえ、今季はそれほど負ける気はしないし、競り合いでも筋トレの成果かジャンプ力も上がってヘディングで勝てるようになったので、去年やっていたことが少しずつ実を結んできているのかなと思います」
【©GIRAVANZ】
「プロに入る前は、試合に出て活躍し、ゴールを決めてファン・サポーターの方と喜び合いたいという思いが自分の中で一番ありました。なかなかうまくいかず、苦しいことや大変なことばかりですが、それでも自主練習をやり続けて、今年もケガで出遅れたり順調にはいってないですが、いろいろな人が支えてくれて頑張れました。今回やっとゴールを取れて、たくさんの方たちからメッセージをもらえてパワーになりましたし、これを続けていきたい。これからも個人練習、筋トレはしっかり続けて、良いパフォーマンスを出していきたいです。
応援してくれている人たちのためにも、自分はゴールで結果を残すことが恩返しになると思います。残り8試合ですが、自分が点を取ってチームを勝たせることを目標に、少しでもチームが高い順位で終えられるように頑張ります」
ようやく呪縛から解き放たれ、そのプレーにはさらに自信がみなぎってきたように感じる。
次節はホームゲーム。喜べなかった先週末の分まで、長く自身のゴールを待ってくれていた多くのファン・サポーターと共に喜びを爆発できるゴールを、次こそ!
【©GIRAVANZ】
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ