【湘南スペシャルプレビュー】岡本拓也が語る内容に映るたしかな成長。指揮官不在の苦境も皆で乗り越える

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【(C)SHONAN BELLMARE】

最良の結果ではない。だがそれでも「ポジティブに捉えています」と岡本拓也が前向きに振り返るのは、たしかな手応えを内容に見出せるからに違いない。

「先に失点してしまったけど、そのあと落ち着いて相手を見ながらプレーし、盛り返すことができた。勝てはしませんでしたが、粘り強さは見せられたと思います」

清水エスパルスとアウェイで対峙した前節、ベルマーレは序盤に先制を許したが、後半は主導権を握り、決定機を重ねて、土壇場で引き分けに持ち込んだ。

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前々節横浜F・マリノス戦の反省を糧に、攻守に示した能動が得難い。加えて、そのまえの川崎フロンターレ戦や鹿島アントラーズ戦も然り、先制されても追いつき、ときに追い越す最近の展開にはたくましさを感じさせる。

岡本もチームの成長を口にする。
「以前は失点するとバタバタしてしまうイメージがあった。でもいまはそこでバタバタせずにみんなで話し合いながら戦えていると思うし、相手を見ながらプレーすることが徐々にできつつある。だからこそ失点したあとも落ち着いてプレーできているのかなと思います」

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左膝半月板損傷および軟骨損傷により戦列を離れ、鹿島戦でおよそ5カ月ぶりに先発を果たした。復帰して以降は、長らく主戦場としてきたウイングバックではなく、センターバックを担っている。持ち前の守備はもとより、長短のパスを配し、機を捉えてゴール前に駆け上がるなど攻撃面も淀みない。

曰く、「ここまで落ち着いていろんなものを見ながらプレーできるとは自分でも思っていなかった。それは日々の練習を通して自然に身に付いたとも思うし、自分が前でプレーしているときに感じていたことが後ろをやるうえで活きているとも思います」。

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前節から1週間、今節は浦和レッズを迎える。シーズン序盤こそ勝利が遠かった彼らはしかし、6月以降白星を重ね、AFCチャンピオンズリーグも3年ぶりに決勝に駒を進めるなど結果を積み上げている。失点を抑える一方、複数得点を記したゲームは少なくない。

「いかにボールを運びにくくさせるかが自分たちのストロングを出すうえでは大事」岡本は一戦を見据える。
「チームとしてやるべきことは確実に浸透しているし、どうプレーすべきかはみんな整理されていると思うので、それをピッチ上で表現するだけ。個人としては、チームがうまく回るようにひとつの歯車になれればいい」

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なお、今節は山口智監督が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けたために不在となる。

「やるべきことは変わらない。ただ、ピッチのなかで選手同士コミュニケーションを取ることはいままで以上に大事だと思うし、こういうときだからこそチーム全員がまとまるエネルギーを出していきたい」
岡本の言葉にチームの足跡を思う。前節然り、劣勢に立たされても皆で声をかけ合い、意思を合わせて覆してきた彼らはきっと、どんな苦境も乗り越えられる。

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著者プロフィール

1968年、藤和不動産サッカー部として創部。1993年にベルマーレ平塚となりJリーグ開幕より1年遅れてJリーグ昇格。 1999年、親会社撤退からクラブ存続危機となるが、地域やサポーターの支えのもと2000年に湘南ベルマーレとして再出発。 以降幾度も昇格、降格を繰り返しながら2022年はJ1で5年目のシーズンを戦っている。 ◆MISSION「夢づくり人づくり」 ◆VISION「人生と地域を豊かにする、スポーツ文化が根ざしている世の中」 ◆SLOGAN「たのしめてるか。」

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