2年越しの東京六大学オールスター 愛媛・松山で早大選手が躍動

チーム・協会

【早稲田スポーツ新聞会】

東京六大学オールスターゲーム 8月27日 松山・坊ちゃんスタジアム
【早稲田スポーツ新聞会】記事 山本泰新、写真 臼井恭香
※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。
 瀬戸内の晴れ渡った空の下、東京六大学オールスターゲームが開催された。早大野球部からは中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)、蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)、加藤孝太郎(人3=茨城・下妻一)、印出太一(スポ2=愛知・中京大中京)、吉納翼(スポ2=愛知・東邦)、伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)の6選手が出場した。

先発で好投した加藤 【早稲田スポーツ新聞会】

 映えある球宴の先発を任された加藤は1回を3人で終える上々の立ち上がりを見せる。2回も三者凡退に抑え、2回をノーヒットという投球でマウンドを降りた。打者では3回に印出が右前安打を放つものの、後続が続くことができない。それでも、村上喬一朗(法大)、浦和博(法大)の連打で2死1、2塁のチャンスを作り、打席には4番にはいった蛭間。初球を捉えた当たりは惜しくもレフト正面へのフライとなり、先制適時打とはならなかった。
 しかし続く4回、先頭の上田希由斗(明大)が中越2塁打で出塁すると、1死2塁で中川卓に打席が回る。先制打が期待されたが、相手投手が制球の定まらない中、冷静に四球を選ぶ。その後、1死満塁となって迎えるは第1打席に安打を放っている印出。1ボールから2球目を弾き返したあたりはライトへの先制犠飛となった。さらに、続く宗山塁(明大)も適時中越2塁打で続き、この回一挙に3点を先制する。さらに、続く5回にも蛭間の安打からチャンスを広げ、斎藤大輝(法大)の左前適時打で追加点をあげる。

先制打となる犠飛を打った印出 【早稲田スポーツ新聞会】

 6回には伊藤樹が登板。先頭打者を空振り三振にとると、後続の打者もテンポ良く打ち取り、三者凡退で相手打線を退けた。すると7回、先頭の浦が右中間への2塁打で出塁すると、無死2塁というチャンスで蛭間に打席が回る。しかし、ここは空振り三振に倒れる。それでも、1死満塁として打席には吉納が入る。1ストライクからの2球目を捉えたあたりは右中間を破る適時3塁打となり、終盤に貴重な追加点をあげることに成功する。

好守を見せた中川 【早稲田スポーツ新聞会】

 投げては各大学のエースが集う投手陣が相手打線をわずか3安打に抑える圧巻の投球を見せ、早大の参加する石鎚マウンテンズが大勝した。2年ぶりに開催された六大学オールスター。普段のリーグ戦とは違ったお祭りのような雰囲気の中、早大選手たちにも笑顔が多くみられた。その中でも、試合中はリーグ戦での対戦も予想されるエース格の投手相手でも力負けしない力強い打撃をみせてくれた。投手陣も多くの主力打者相手に引けをとらない投球を見せた。この試合と同じ活躍がリーグ戦でもできれば、春の雪辱を果たす優勝を飾ることができるはずだ。秋のリーグ戦でも早大野球部の躍動から目が離せない。

4番を務めた蛭間 【早稲田スポーツ新聞会】

好救援をした伊藤樹 【早稲田スポーツ新聞会】

追加点となる三塁打を打った吉納 【早稲田スポーツ新聞会】

試合後マウンテンポーズをしてくれた早大ナイン 【早稲田スポーツ新聞会】

☆地元稲門会から激励をうけ、小宮山監督が秋の優勝を誓う

地元稲門会から熱烈な激励を受けた小宮山監督 【早稲田スポーツ新聞会】

 松山でのオールスターが開催される前、秋のリーグ戦にむけて地元愛媛県稲門会との壮行会が催された。コロナ禍の中大規模の会とはならなかったが、早大OBからの激励の言葉を小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)自らもらい、秋のリーグ戦での優勝を誓った。

コメント

小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)
――2年ぶりのオールスター開催でしたが、率直な感想をお願いします
 富山以来ということで、中川(卓也主将)しか知らず、他の大学も数名しか経験していないので、連盟の理事会で坊ちゃんスタジアムで来年度もというようなことで2年続いて、本当に松山の、愛媛の人が野球が好きだという証拠だと思うので、無事にできて本当に良かったと思います。
――試合前は打撃投手や、外野ノックを打つなど、忙しかったと思いますが
 これは最初から彼らが入れ替わり立ち替わりやるのだったら1人で最後までやる方がいいということで打診して、ノックも両チーム一緒にやれるんだったらやろうということでお願いをして、きちんと我々の思惑通りにいったので、彼らもいい思い出になったんじゃないですかね。
――普段ベンチから見ているようなライバルチームのバッターに打撃投手として投げたわけですが、感じるものはありましたか
 バッターの特徴は、何スイングかしか投げてないけれど、ある程度打っている連中ばかりなので、そのすごさというのはよくわかりました。
――最後に、リーグ戦への意気込みをお願いします
 ここに来ている連中がチームのコアな部分なので、この連中がフルシーズンケガなく過ごせればそれなりの結果がついてくると思います。自分自身でも楽しみにしています。
中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)
――1打席目は初球からいくと決めていたのですか
 真っすぐ来たら打とうと思っていたんですけど、ちょっとコースが厳しかったので。でも振りにいけたのでいいかなと思います。
――四球でチャンスメイクしました。打席で意識したことはありますか
 それもずっと真っすぐ狙っていたんですけど、タイミングが合わなかったり、低めのいいところに決まったりしてなかなか思うように手が出せなかったんですけど。欲張ることもなく、次に繋げられたので、そういうのもリーグ戦に活きてくるのかなと思うので、よかったなと思います。
――ポジションがセカンドでしたが、希望ですか
 いや今日パッとスタメン見たらセカンドだったので自分もびっくりしました。
――久しぶりでも大丈夫でしたか
 1個飛んできたんですけど、なんとか大丈夫でした。
――毎回円陣を組んでいたのはマウンテンズで決めていたのですか
 いや、決めてはないんですけど流れでそうなっていましたね。
――3年ぶりのオールスター、全体的に振り返っていかがですか
 前回は最下級生というか、1年生でいろいろかわいがってもらって、今でも交流できるような先輩もいるんですけど、今年は最上級生なので、そういう先輩になりたいなと思って1日いろいろコミュニケーション取っていました。
蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)
――2打席目は2死一、二塁で回ってきましたが意識していたことはありますか
 初球から思い切りホームランを狙っていました。
――3打席目で安打が出ましたが振り返って
 自分としてはあまり形が良くなかったので、落ちたところが良かったなという感じです。
――他の選手とは会ってみて
 みんなバッティングが良くて、自分もまだまだ頑張らなきゃなという刺激を受けました。リーグ戦に向けてもっと頑張りたいと思います。
――初めてのオールスターでしたが
 他大学の選手と野球をできることはなかなかないことなので、貴重な体験をできたなと思います。これを秋のリーグ戦につなげていきたいです。
加藤孝太郎(人3=茨城・下妻一)
――先発で2回無失点という内容でしたがいかがでしたか
 とりあえず無失点で抑えたかったので、抑えられて良かったです。
――いつもと違い短いイニングでしたが、変えたことはありますか
 いつもより強いボールを投げることを意識して、初回から押していきました。
――初めてのオールスターでしたが全体的に振り返っていかがですか
 他大学のいろいろなすごい選手たちと一緒にこういう時間を過ごせて、いい機会になりました。
――他の選手と話す様子も見られました
 いろいろな人と話したんですけど、特に投手陣とは特に何人かと話しました。
吉納翼(スポ2=愛知・東邦)
――一死満塁で走者一掃となる三塁打でした。意識していたことはありますか
 他の大学を含む先輩方がいい場面で回してくれたので、このランナーを無駄にできないなという感じで打席に入って、いい形で返したいなというふうに思っていました。
――イニング間のキャッチボールやランナーコーチャーは自分がやるって言ったんですか
 ライトとのキャッチボールは自分でいくと言いました。ランナーコーチもいなかったので、何も言わずに自分から行った感じです。
――蛭間さんとの右中間はどうでしたか
 やっぱり喋らなくてもジェスチャーとかでいつもやっているようにコミュニケーションを取れるので安心感はありましたね。
――初めてのオールスターの感想をお願いします
 普段は相手という中で、他の大学の人と交流ができたというのは一つ自分のものにもしていいですし、これから戦っていくライバルでもあるので、より一層相手意識がつくんじゃないかなというふうに思います。
印出太一(スポ2=愛知・中京大中京)
――一打席目で安打が出ましたが、打席を振り返っていかがですか
 初めてのオールスターだったんですけど、試合を楽しみながらできましたし、イニングの先頭でなんとか塁に出たいなと思っていたので、結果的に出塁できてよかったです。
――1アウト満塁から先制の犠牲フライを放ちましたが、意識していたことはありますか
 ゴロはゲッツーになるんで、とにかくフライを外野に、外野までボールを運んでいくことを意識していました。結果的に明大の上田さん(希由翔)の足にも助けられましたが、外野にもっていけたので最低限の仕事はできたと思います 。
――初めてのオールスターはいかがでしたか
六大学のレベルの高さを改めて感じましたし、他大学の選手から刺激を受けたので、帰ってしっかり負けないように、また練習を頑張りたいと思います。
伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)
――今日のピッチングはいかがでしたか
 宣言した通り150キロを出しにいきながら抑えたかったんですけど、あと1キロ届かなかったのですが、三人で抑えられてよかったです。
――他の選手と交流することはありましたか
 そうですね、明大と法大の方と大分お話しできて、慶大の外丸君とも1年生同士で仲良くなれました。
――初めてのオールスターはいかがでしたか
 レベルが高くてすごい楽しかったですし、話していてもすごく勉強になったのでまた来年再来年と来たいなと思いました。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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