フランカー一筋 岡山仙治のプライド
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
大学選手権で一目惚れしたあの選手がスピアーズへ
帝京大学の10連覇をストップさせたこの試合で岡山選手は天理大学の7番を背負って先発。168センチ、90キロと小柄ながらもフランカーとして突き刺さるようなタックルを決め続けた岡山選手のプレーが印象に残っています。
翌2020年はキャプテンとして大学選手権準決勝まで進み、4月にクボタスピアーズに入団。
10月に釜石鵜住居復興スタジアムで行われた釜石シーウェイブス戦で試合デビューし、ディフェンスでは鋭いタックルを見せ、アタックでは1トライを獲る活躍を見せました。
大雨の中での試合でしたが、岡山選手がスピアーズでプレーしている姿を現地で見ることができ、いちファンとして感動しました。
今回はU20・ジュニアジャパン・関西学生代表の経験があり、次シーズンのリーグワン出場を狙う「小さな巨人」岡山選手にインタビューをさせていただきました。
岡山仙治(おかやま ひさのぶ)/1998年2月5日生まれ(24歳)/大阪府出身/身長168cm体重90kg/石見智翠館高校⇒天理大学⇒クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(2020年入団)/ポジションはフランカー/愛称は「のぶ」 (撮影:チームフォトグラファー 福島宏治) 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
「球技は苦手」から「ラグビーがない生活は考えられない」へ
中学校では男子の部活といえば、サッカーかラグビーでした。もともと球技は苦手だったということもあり、最初はラグビー部に入る気はありませんでした。でも先輩から誘われ体験入部の時にほめられて、試合もやってみたら結構楽しくて。
パスは得意な方ではないのですが、ボールを持っていないところでも活躍できて、自分にも向いているということでラグビーを始めました。中学ではフランカーのポジションがないのでフォワードで、高校(石見智翠館)からはタックルが好きだったのでフランカー一筋です。
―大学卒業後にクボタスピアーズに入団されましたね
一番大きいのは最初に声をかけていただいたチームだったということです。大学の監督にも相談してすぐに返事をしました。
身長的なことを考えても正直トップリーグには行けないかなと思っていたのですが、前川さん(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 前川チームマネージャー兼採用担当)からお話をいただいて入団を決めました。前川さんがいるからクボタスピアーズを選んだと言えます。熱意がある方で、東京から遠くて大変にもかかわらず、大学の練習を見に来てくださる回数がすごく多かったですね。練習見学だけではなく、親身になって様々な話をしてくださったことも信頼につながっていると思います。
―トップリーグでプレーをしたかった
そうですね。絶対にプレーしたいと思っていました。大学でやめる人もいるのですが、僕はテレビでトップリーグの試合を見ていたので、トップチームでやりたかったということもあります。ラグビー以外やったことがないのでラグビーがない生活は考えられず、このまま終わることは全く考えていませんでした。ラグビーができなくなっても、何らかの形でラグビーに携わりたいと考えています。
「臆せず前に出るという点では他の人に負けない」
タックルです。ディフェンスの激しさ、体が小さくても関係ないという気持ちの部分もしっかり見てほしいと思います。
僕は相手との身長差があるので下に行かなくても自然と相手の下に入っています。状況に応じた体勢で良いタックルができるようにスピードや位置を意識する、上半身が浮いていても良いタックルに入る、ボールに絡むなど技術面を磨いているところです。
体が大きい選手にも当たり負けしないディフェンスを見せたいと思っています。
あとは運動量ですね。良い体勢でタックルもボールキャリーも行いたいです。
―他のポジションにも言えることですが、フランカーとしてレギュラーになるために何を意識していますか
普段の練習でも試合でもしっかりアピールすることです。1年目は練習試合での波がありました。タックル回数と精度、ブレイクダウンなどを高めることがアピールにつながっていくので大事だと思っています。
強さも必要ですが、小さい体を生かした低いタックルやブレイクダウンなどの運動量でラピース(ラブスカフニ選手)や(末永)健雄さんに勝てないと試合に出られないですし、出ても意味がないと思っています。だからもっと力を高めたいと思っています。
臆せず前に出るという点では他の人に負けていないと思います。
アグレッシブマインドで前に出て、例え外されてもすぐに戻ってまたタックルしますし、運動量にも自信があります。小さいと確実に相手より下に入れますのでタックルもボールキャリーも威力が強くなりますね。
―フラン・ルディケヘッドコーチからアドバイスされていることはありますか
やはりブレイクダウン、運動量、タックルの部分は大事だと。
7番はブレークダウンマスターと言われています。専門職ですね。今はオープンサイドフランカー(7番)に特化しています。(注:マイケル・フーパ―選手やリッチ―・マコウ氏と同じディフェンスに強い選手のポジション)。
試合デビューとなる2020年10月10日に行われた釜石シーウェイブス戦でも、特徴である低いタックルで勝利に貢献した (撮影:チームフォトグラファー 福島宏治) 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
オープンサイドフランカーはある意味専門職。同じフランカーの日本代表ラピース選手や、チームでオープンサイドフランカーとしてレギュラー争いをする末永選手らと共に、技術を高め合う (撮影:チームフォトグラファー 福島宏治) 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
明るい人柄の意外な一面「実は人見知り」
実は人見知りなんです。
だけど明るい雰囲気の方が面白いですし、元気ならポジティブになれますから。そうすればプレーも変わりますし試合が良い方に進むのと、自分から声を出すと周りも声を出してくれますからね。プライベートも一緒です。
―プライベートに関してですが家ではどんなお父さんですか
男の子が一人いますがメロメロですね。かわいいです。めちゃくちゃチューします!仕事に行く前に泣かれたら行けなくなるくらいです(笑)。
休日はほとんど一緒に外出しています。
―お仕事はどういう内容ですか、社業との兼務ですが練習との両立はどのように行っていますか
(株)クボタ東京本社で水環境製品の部門とお客様の調整をさせていただいています。天理大学にピュアウォッシャー(加湿空気清浄機)を寄贈した時も立ち会わせていただきました。
練習に関しては自主練習と休息という点では、プロ契約の選手との差が出るかもしれませんが、全体練習の時間は基本的に変わらないですね。
アフター練習もしますし。業務時間中に練習に行かせてもらっている分、しっかり仕事をして応援してもらえるような社会人になりたいと思っています。そこは両立しないといけないと思っています。
―最後にオレンジアーミーの皆さんへメッセージをお願いします
応援に来てくださり本当に感謝しています。会場に着くとオレンジが目立ちますし、アウェイゲームでも遠いところに来て、相手に負けない応援をしていただき感謝しています。本当にありがとうございます。これからもスピアーズの応援をしていただけると嬉しいです。SNSで岡山選手面白いと言ってくださっているので僕も期待にこたえられるように個人的に頑張りたいと思います(笑)
カメラを向けると必ずなにかしらのポーズをとってくれるサービス精神も岡山選手の魅力 (撮影:チームフォトグラファー 福島宏治) 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
インタビューを終えて
一方でラグビーに関しては非常にストイックに取り組まれていること、フランカーとしてのプライド、熱い思いがしっかりと伝わってきました。
連続してタックルに行く豊富な運動量、「身長は関係ない」ということを身をもって示しているプレーに注目してこれから見ていただきたいです。
小よく大を制す「フランカー一筋」岡山選手のリーグワンデビューを期待しながらこれからも応援し続けます。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ オレンジリポーター N
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