藤田さいき 準備を整え欲張らず―好調キープ

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)第2日

 ゴルフは自然との戦いだ。風向きは南西。風速7.0m/sの気象条件が大混戦へさらに拍車をかけた。

 藤田さいきは、「超安全で行きましょう。早朝、練習している途中から風が強くなってきたから」。イーブンパーのプレーを目標に設定した。結果は71。通算5アンダーで終えている。

 「すごくがんばりました。風が、強すぎて笑っちゃうほど。ピンチの連続です」と振り返った。自身が語ったベストホールはパー3の9番。「第1打がピンの左へ飛んで行って、そこから右のラフまで曲がった」という。ちなみに、使用クラブが、「きのうは7I。きょうは、4Uでした」と苦笑しながら説明を。

 もちろん、第2打も難しい。「15ヤードのアプローチを2メートルへ寄せた。集中力を極限まで高めてパーセーブです」と話した。いつもながら、成績にかかわらずわかりやすくメディア対応は満点。そして、「きょうはイーブンパーだったから、上デキでした。1、2オーバーでも仕方がないと覚悟をしていたから…。最高です。95点はつけられる」と自己採点して、「残りの5点は、あしたから100点を目指す活力にしましょう」と続けた。

 ところで、選手が異口同音に口にした強風。しかし、天気予報的な表現をすると強風とはいわない。10m/s以上が、やや強い風で、15m/s以上で強風になるのだ。そうはいっても、この日の条件は砂ぼこりが立ち、小枝が動く和風に分類される。

 今季、最も風が強かったのはパナソニックオープンレディースの8.2m/s。それに続く、タフな条件下のプレーだった。1秒で空気が7メートル進む。時速に換算すると25.2キロ/hになるだけに、人間の歩く速さの5.6倍。クラブを巧みに操り、ボールをターゲットへ運ぶのは、やはり困難がつきまとう。しかも―、最大瞬間風速は15時9分の19.6m/s。7時15分スタートの藤田、結果からすると幸運にも恵まれた。

 細心の注意を払ったのは、「フォローでも距離感が出しにくい。すべてピンの手前から攻めることを徹底した。また、気持ちの面でも、心に波風を立てずに―」という。事前の準備も幸い。週初めから週間天気予報を分析しながら、「風が吹く予報。クラブセッティングも5UTを抜き、5Iを入れた。深いラフにボールが入れば、無理をせずにアイアンで出すしかないでしょう」。

 第2日のフェアウエイキープは6/14だったが、3バーディー奪取に成功した。自身初の全英女子オープン挑戦を控え、6月は2位T→2位→13位タイと好調だ。ベテランの存在感をますます発揮。11年ぶりの優勝を目指し、チャレンジが続く。(中山 亜子)
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