7月26日に香川県で開幕する「令和4年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会 (インターハイ)」。その北海道予選が、6月16日（木）〜19日（日）、男女ともに苫小牧市で開催される。来年（2023年）には、1987年大会以来36年ぶりとなる北海道インターハイも控えている。地元開催の大舞台に向けて貴重な経験を積むためにも、各チーム、何としても全国への切符を手にしたいところだろう。

　
　昨年の北信越インターハイとSoftBank ウインターカップ2021には、白樺学園と駒澤大学附属苫小牧の2校がともに北海道代表として出場した。だがその道予選は決して簡単な戦いではなく、特にSoftBank ウインターカップ2021予選の決勝リーグは、白樺学園と駒澤大学附属苫小牧が2勝1敗で並び、直接対決の結果で白樺学園が1位に。また、東海大学付属札幌と北海道恵庭も1勝2敗と星を奪い合い、まさに激戦の様相を呈した予選となった。群雄割拠ともいえる中、今年もきっと熱戦が繰り広げられるはずだ。

　優勝候補の一角としてまず挙げたいのは、昨年スタメン4人が2年生だった白樺学園。昨年からチームのエースとして活躍していた山田哲汰（3年）は、苦しいときにこそ頼りになる司令塔だ。また、高いシュート力と豊富なキャリアを持つ長谷匡悟（3年）も、チームの得点源として勝利のカギを握る。SoftBank ウインターカップ2021では2回戦、後に準優勝する帝京長岡（新潟）に100-119で敗れたが、この試合で41得点をマークした舘山由青（3年）も、オールラウンダーとして注目の逸材だろう。

　一方、駒澤大学附属苫小牧も、昨年はスタメン4人が2年生。こちらも優勝候補として見逃せないチームだ。絶対的エースは点取り屋の大山未南斗（3年）で、SoftBank ウインターカップ2021では勝負強いシュートを決めて3回戦進出の立て役者となった。また、インサイドでは身長205cmのティオウネ・ババカルが君臨し、周りの選手たちも粘り強くアグレッシブにディフェンスを仕掛ける。リーダーシップの光る平田峻大を中心に、リバウンドやルーズボールを徹底して組織力で勝利をつかみたいところだ。

　白樺学園も駒澤大学附属苫小牧も、昨年から経験を積んできたメンバーが最上級生となる今年は、いわば“勝負の年”。道予選での優勝はもちろん、全国での戦いも見据えているはずだ。それでも、名門・東海大学付属札幌など、周りのチームはチャレンジャーとして全力でぶつかってくる。どの試合も決して油断はできないだろう。

　
　北海道の女子は近年、札幌山の手が飛び抜けた強さを誇っている。札幌山の手といえば、東京2020オリンピックで銀メダルを獲得した女子日本代表メンバーの町田瑠唯（2011年卒）、長岡萌映子（2012年卒）、東藤なな子（2019年卒）など数多くの名選手を輩出してきた名門校。今年のチームを引っ張る172cmのオールラウンダー・森岡ほのか（3年）も、「将来はオリンピックで活躍できる選手になって、世界で通用するプレーヤーになりたい」と高い目標を持っている。

　そんな森岡は、1年生の頃からキャプテンの大役を任され、その期待に応える活躍を見せてきた逸材。抜群の視野の広さとパスセンスを持ち、アシスト、得点、リバウンドと何でもこなす司令塔だ。2年生だった昨年は、インターハイでベスト16、SoftBank ウインターカップ2021では2回戦敗退と、思うような結果を残せなかった。森岡たち3年生にとって集大成となる今年は、道予選で弾みを付け、全国でさらなる高みを目指したいところだろう。

　この札幌山の手を追うチームとしては、札幌支部予選を札幌山の手に次ぐ支部2位で通過した酪農学園大学附属とわの森三愛や、同支部3位の札幌東商業、SoftBank ウインターカップ2021に出場して今年も旭川支部で優勝した旭川藤星らが挙げられる。旭川藤星は昨年からスタメンに名を連ねる古澤摩奈（3年）や、控え出場で冬の大舞台に立った谷内里菜、室井紗和（ともに3年）が、昨年の経験を生かしてチームを引っ張りたいところ。

　これらのチームが、インターハイ出場の1枠（※男子は2枠）を勝ち取るためには、札幌山の手という高い壁を乗り越える必要がある。全力でぶつかり、一矢報いることができるか注目したい。


記事提供：月刊バスケットボール

6月18日（土）、19日（日）
男女4チームによる決勝リーグ