【湘南スペシャルプレビュー】勝負を決するプレーオフステージ第2戦。強敵を降し、次への扉を開く
【第1戦でセレッソ大阪と対戦、左サイドの高橋諒】
一戦に臨むにあたり、ベルマーレには活かすべき苦い記憶があった。ほかでもない、C大阪をホームに迎えた5月末のJ1第16節だ。前からボールを奪いに行く本来の守備を発揮できずに立ち上がりから後手を踏み、先制点を奪われた。その後修正し、反撃にも出たが、結果を覆すことは叶わなかった。その1週間後に行なわれたプレーオフ第1戦はすなわち、最初のボタンのかけ違いが勝負の行方に影を落とした前回対戦の反省を胸に迎えた試合だった。
【(c)SHONAN BELLMARE】
「強い気持ちを持って臨み、僕自身もどうやればうちらしい戦いができるかを考えた。自分のところで守備に行けたし、攻撃に関しても自分の特徴を出しつつ、周りの選手と連係して崩しなどもできていた」
口にした手応えはしかし、一朝一夕に培われたものではない。思えば、昨季は開幕から先発出場を重ねながら、監督交代を機に試合から遠ざかっていた。
「守備のやり方が変わり、自分のなかでうまく表現できなかった。求められていることばかりに頭が行ってしまい、自分らしさを全然出せなかった」
だが、向き合う日々は裏切らない。
「いろいろ考え、毎日の練習に取り組み、徐々に手応えを掴んできた。求められていることができるようになり、自分の特徴も出せるようになってきている。整理してプレーできるようになり、いまは自分のなかに余裕がある」
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「開始から点を取りに行く」高橋は一戦を見据える。
「セレッソの守備は堅い。ブロックを敷かれ、必ず目の前に相手がいるので、ラストパスなど最後の質が大事になる。僕自身、クロスなどの質にこだわってプレーしたい。2点取らなければいけないので、高い位置でボールを引き出し、サイドを突破してクロスを送ったり、なかに行ってシュートを打ったり、ゴールに係わるプレーをしてチームを勝利に導けたらと思います」
サッカーを楽しめている実感があると、自身のいまを明かす。それはなにより指揮官が願う芯に違いない。
取材・文 隈元大吾
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