コロナ禍に発足した新たな合宿

チーム・協会

【HANDS UP CAMP】

 「不完全燃焼を完全燃焼に」。長引くコロナ禍で、いまだに“元通り”とはいかない状況のなか、学生アスリートたちも、部活動を制限される状況が続いている。そうしたなか、一般社団法人スポーツを止めるなが競技への向き合い方を考え、成長や意識改革のきっかけを掴む機会として、昨年スタートした学生アスリート向けのオンライン合宿「HANDS UP CAMP」。前回までのラグビーから、今回はバスケットボールと、競技の枠を超えて、2022年1月30日、同年2月5日の2日間にわたり開催された。

「考え尽くす」知の合宿

 今回は、安田学園・帝京高校バスケットボール部の2校による合同オンライン合宿。トップチームコーチによる講義、OBとの交流、ディスカッションなど、盛りだくさんな内容。インプットとアウトプットを繰り返し、とにかく考え尽くした2日間となった。

合宿キックオフ!

 午前8時半、それぞれの場所から、画面の前に集まる学生たち。「スポーツを止めるな」代表理事の野澤武史によるオープニング講義でキックオフ。野澤から示された今回の合宿のゴールは、「根拠に基づいた 自分たちの戦略・戦術・プランを自分たちの言葉で発表する」。インプット中心の1日目がスタートした。同社団共同代表理事の廣瀬俊朗(元ラグビー日本代表キャプテン)からは、リーダーシップのあり方を学生たちに講義。両校のキャプテンを中心に、チーム内でのコミュニケーションの取り方を振り返るとともに、チームをより良くするために何ができるか、選手から多くの意見が出た。

【HAND UP CAMP】

 続く講義でも、問いを定義し考える力の向上、自分の強みを生かしたスキルアップ、チーム分析に基づいた戦略構築、具体的なゴール設定とプランニングなどなど、各セッション、講師からの大量のインプットが贈られる。それに対し、選手たちが食らいつくように考え、対話するという、まるで千本ノックのような、これぞ知の合宿という内容が繰り広げられた。
 夕食休憩前には、OBとの交流会が開かれ、「自分たちの文化、歴史を知る」ということをテーマに、各校OBからチームの歴史や文化が語られた。指導にあたる安田学園の三原監督からは、「チームカルチャーを学ぶことで、自分たちの強み、弱みを自覚することができ、チームへの愛情やプライドが芽生えるきっかけとなった。戦術に溺れることなく、自分たちの文化を大切にすることは大変有意義なことだった」との声が聞かれた。
 初日最後には、画面越しでのフィジカルトレーニング。慣れない環境でも、一生懸命にメモを取ったり、元気に身体を動かしたり、最後まで積極的に参加し、丸一日脳みそをフル回転させた、濃密な時間となった。
 一週間後の2日目はアウトプット。各校、チームに分かれ、自分のチームを分析し、KSF(Key Success Factor)、戦略をディスカッション。学年、ポジション関係なく、選手間で、たくさんの意見が交わされた。総仕上げに、各チームの今後の在り方や目標、戦略をプレゼンテーション。初日のインプットをもとに、学んだ内容を結び付け、頭の中でデッサンし、言葉にするというミッションに、果敢にチャレンジする学生たちの姿が見られた。2日間の締めくくりとして、元金沢総合高校バスケット部ヘッドコーチの星澤純一氏から、両校選手への講評とともに、「良い練習とは何か」、今後の練習の質を高めるヒントとエールが贈られた。日頃からのデータ分析の重要性や、良い選手には、文武両道のできる選手が多いといった講話に、選手たちも最後まで積極的に耳を傾けていた。
 合宿を通して、選手からは、「意見を共有することで、改めて自分たちのチームを知ることができた」「自分たちのチームを今まで知れていなかったことに気づき、改めて共通認識を持つことができた」との声が聞かれた。また、「バスケだけではなく、人生を通じて役立つ時間を過ごすことができた」などの感想も多く、今後の成長が楽しみだ。

 「HANDS UP CAMP」は現在も次回開催に向けて活動中。今後も、さらに競技・学校の枠を超えて拡大を続けていく。一人でも多くの学生アスリートが、次のステップへのきっかけを掴めるように、完全燃焼に向けて、これからも、「スポーツを止めるな」は挑戦を続けていく!
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著者プロフィール

コロナを機に、競技を止めてしまう学生アスリートを一人でも食い止め、スポーツを通じて“未来”を創りたいと考えております。 デジタルを手段にして彼らが競技継続できるように進路支援やモチベーション向上支援を行い、また、その活動を通じて公平で透明な環境を整備致します。 「スポーツをやってきて良かった」という実感や「これからもスポーツを頑張っていきたい」という張り合いを創り、Nextステージで輝く自立した人財育成を目指します。

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