廣瀬俊朗さん×小川高廣×德永祥尭キャプテン対談!東芝ブレイブルーパス東京の共同主将とレジェンド(1)
【東芝ブレイブルーパス東京】
東芝ブレイブルーパス東京OB廣瀬俊朗さんが5月1日(日)vs東京サンゴリアス「府中ダービー」に来場【特別企画】
試合が開催される前の4月18日(月)に東芝府中グラウンドを訪問いただき、府中ダービーまでの1週間でそれぞれに紹介していく。第2弾は共同主将を務める小川高廣選手、德永祥尭選手とのキャプテン対談です。廣瀬俊朗さんも言わずと知れたキャプテン!興味深い対談を2回に分けてお送りします。
MC:まず、両キャプテンから廣瀬さんに現在のチームの状況についてお話をしていただけますか。
小川:今年の最初の時だけ、メンバーとバックアップを集めて、ホテルで話したんですよ。その時は、俺らの強みについて話して、「アウトサイドに良いランナーがたくさんいるから、そこを狙おう」という話や、「2メートル越えのLOが2人入って、ラインアウトの高さもある」という話、あとは「これまでやってきたアグレッシブなディフェンスも俺たちにはある」という3つの話をしました。「この3つで勝負していこう」という話をしたんですね。シーズンが進んでいく中で、そこがどんどん良くなっていきました。また、やっぱり“東芝”といえばFWなので、そこの部分がセットプレーを含めてどんどん良くなってきました。この4つが自分たちの強みだと思っています。だからこそ、どんなチームとも戦えるなという印象ですね。
廣瀬:試合も楽しそうにやっているもんね、めちゃめちゃ。
小川:やっていて楽しいですね。
廣瀬:何が違うんだろうね。雰囲気もすごい良いじゃん。きっと役割も明確なのかなと思っているんだけど。
小川:そうですね。あとは、俺らがキャプテンですけど、あまりしゃべらないので(笑)。
一同:(笑)。
小川:本当に今、マット・トッド(FL)、隼太(中尾隼太、CTB)など、頭が良い選手たちがどんどんプレーのことを「もっとこうしよう」、「ああしよう」と言ってくれるので、たまに俺らがしゃべるくらいなんです。
廣瀬:それこそ高廣はラグビーの話するの好きじゃん。こうしよう、ああしようとか。
小川:好きじゃないって(笑)。
廣瀬:けっこう主張するタイプやったやん、昔。
小川:僕はご意見番系だったじゃないですか、当時。あんまりまとめるタイプではなくて、思ったことをただ言うみたいな感じで。そこはあんまり変わっていないですね。思った時にだけ、思ったことを言うみたいな感じです。
廣瀬:じゃあ、良いバランスが取れてきたんだね。リーダーとしても。
小川:周りのリーダーが本当にいろいろやってくれているという感じですね。
廣瀬:トクは?
小川:トクはもう見ての通り、こんな感じで。自分が鍛えまくって、体で見せるっていう。
一同:(笑)。
徳永:一番簡単です。
小川:いやいや、難しいよ。
徳永:昨年から明らかにセットプレーの部分が良くなりましたね。昨年はセットプレーでBKにプレッシャーを与えてしまっていて、乱れたボールでしかアタックができませんでした。でも、先ほどタカさんが言いましたけど、高いLOが2枚入って、スクラムが安定してきて、この前の試合はモールトライも取れました。FWで前に出られることで、BKがすごく良いアタックをしてくれるので、そのあとのFWのアタックが良くなるという相乗効果が生まれています。すごくやっていて楽しいですし、そこの部分の改善が今年うまくいっている理由だと思います。
廣瀬:LOが高くなったのは、大きいよな。世界で見ても高いじゃん。
徳永:そうですね。
廣瀬:ラインアウトは分かるんだけど、スクラムはどういう感じで強くなったの?
徳永:一つは、一貫性を持って同じことをするのがどれだけ大事なのかを知ったことですかね。今年はサム・ワードというコーチが「こういうことをやり続けよう」ということをずっと言ってくれています。試合でミスがあっても立ち返るところがあるので、何ができていないかすぐわかって修正もしやすいです。相手によって組み方が違うことに対しても、自分たちが試合中にアプローチして、しっかり切り替えることができています。それがスクラムのうまくいっている要因ですかね。
廣瀬:軸みたいなものが、一貫してあるからなのかね。
徳永:そうですね、そう感じます。
廣瀬:やっとプレーオフにいけるかいけないかという感じのところまで来ていて、最高じゃない?この緊張感。
小川:最高っす。
廣瀬:ちょっと近年な、プレーオフにいけないところで頑張らなくちゃいけない試合が多かったけど。
徳永:モチベーションが難しかったですね、今まではどうしても。勝っても負けても(プレーオフに)いけない状態と、勝ったらいける状態だったら、チームの活気も違います。だからこそ、今はすごくみんな楽しんでラグビーをしていると思います。
廣瀬:ベテランで今出ている選手もたくさんいるけど、若い選手が当たっている気がしてさ。この前はSHで思い切った若手の起用(第13節杉山優平、高橋昴平)があってドキドキして見ていたけど、みんな頑張っていたし。1年目の原田(原田衛、HO)もすごく良いから、こちらも見ていて楽しいし、ワクワクする。
小川:今年はシーズン前に試合がたくさんあったことも影響していると思いますね。
廣瀬:ああ、確かに。「ちょっとやりすぎじゃないか?」っていうくらいだったもんね。「そんなやる?」みたいな。
小川:そこで若手ばっかり出場していたので、その経験値みたいなものはとても大きかったと思いますね。
【東芝ブレイブルーパス東京】
MC:右肩上がりに調子を上げているBL東京ですが、どの試合がターニングポイントなのか。
徳永:個人的には静岡BR戦からですかね。自陣から回してトライを取ったじゃないですか?そこから自信が得られましたね。自陣からでもトライを取り切る力はあることを見せられて、チームとしてもどんどん回していこうという動きが出てきました。また、キック(PG)を狙うか狙わないかみたいな話になった時に、僕らはポゼッションラグビーがしたいから、全て狙ってキックオフからスタートするのは良くないんじゃないかと話をしていました。たとえミスをしてボールが取れなくても結局敵陣からプレーができるので。僕らはFWにもディフェンスにも自信を持っていますし、敵陣でプレーした方が良いのではないかという話ができた試合でしたね。
小川:二段階あったよね。最初の5試合でアタッキング面に自信をつけられて、その感覚で交流戦に入ったら、エリアの取り合いの重要性に気づいて、今回のトヨタV戦に臨んで、エリアの取り合いもうまくできて、アタッキングもできてという2つのポイントがあったかなと思いますね。あとはバランスが良いです。先ほどトクも言ってくれましたが、相乗効果のような、お互いが良いアタックができて、その中でエリアも取るということができてきているかなと思います。
【東芝ブレイブルーパス東京】
廣瀬:2人のリーダーが良い感じの癒し系みたいになっているもんね。
小川:そうっすね(笑)。
徳永:そうなのかな(笑)。俺は何もしていないけど。
一同:(笑)。
廣瀬:(トクは)何もしていないの一点張りだけど(笑)。
徳永:タカさんが引っ張っていってくれるので。
廣瀬:そうなんだ。共同キャプテンって東芝では2人が初めてかな?今まであった?
小川:いや、ないです。
廣瀬:だいたいキャプテンは1人で、バイスキャプテンが2人という感じだったもんね。共同キャプテンって実際どうなの?
小川:やっぱり最初はどうしたら良いか分からなくて、いろいろなところでキャプテンが出る場所があるのですが、毎回「どうする?どっち行く?」って(笑)。
廣瀬:そんな感じなの?
小川:とりあえず、2人とも呼ばれて、同じ質問をされて。
徳永:「同じです」みたいな。
一同:(笑)。
小川:そんなことがたくさん繰り返されて、俺的にはトクは代表にも行っていたのもあって、トクに「頼むわ」と何度も言っていました。でも、俺の中では「俺の方が年上だし、俺がちゃんとやらなくちゃいけないな」とも思っていて(笑)。今年はなるべくトクに頼らずに、「自分でやれることは頑張ってやろう」と思って臨みましたね。
廣瀬:トスとかは高廣がやっている?
小川:自分がやっていますね。
廣瀬:高廣がやっているイメージだもんな。役割って難しいよな。
小川:チームの中ではFWとBKで分けられるから良いかなと思っていたのですが、外向きのものが難しいですね。
徳永:言うことが同じになってしまいます。
小川:先に決めておかないといけないんです。「俺はこれ言うから、トクはこれ言って」みたいな。
廣瀬:最初に話し合っておくんだ(笑)。どちらかというとトクが先に話せば良いんじゃない?
小川:そうやって話し合っていても、先に俺が聞かれたりすることもあるんですよ。そうなると「ごめん。トクが言うやつ言っちゃった」みたいになります(笑)。
一同:(笑)。
廣瀬:なるほどね。それなら対チームは良い感じなの?共同キャプテンは。
小川:そうですね。
徳永:前ほど困ることはなくて、円滑にできていると思います。先ほどタカさんが言っていた通り、若手に良いリーダーが多いので、特に自分たちがまとめることもなくチームが良い方向に向かっているのはあります。
廣瀬:下にリーダーシップグループみたいなものがあるの?
徳永:リーダーシップというか、『ドライバー陣』というゲームメーカーみたいな人たちがいますね。
小川:だいたいポジションで、HO、SO、FBが集まっています。それに俺らが加わるという感じです。
廣瀬:今シーズンは良い感じだから、「引き締めなくちゃいけないな」みたいなシーンはないんじゃないの?
小川:ないです!それが良い証拠なんでしょうね。「俺たちが何か言わなくちゃ」と思う時が、なかなかないよね?
徳永:ないっす。ないっす。
小川:練習が終わって、コーチ陣がしゃべるんですよ。その後にマット・トッドとかがしゃべって、最後に俺たちに振られるんですね。そこで話すことはもう何もないから、「締めます」って言って、締めるだけです(笑)。
一同:(笑)。
廣瀬:もう言うことないからか。
徳永:全部言い切ってくれるんですよ。
小川:本当に何も思い浮かばない時でも、他の人が何か言ってくれるから良いよね。
廣瀬:そういうリーダーシップもあるかもね。
小川:ダメだと思うんですけどね。ダメだと思いつつも、という感じです。
廣瀬:でも、周りが楽しそうにやっているということは、良いところがあるんじゃない?なんかちょっと癒し系だし、トクとか特に(笑)。
次回に続く
(ライター / 内海 日和)
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