廣瀬俊朗さん×大野均アンバサダー 東芝ブレイブルーパス東京レジェンド対談(1)

東芝ブレイブルーパス東京
チーム・協会

【東芝ブレイブルーパス東京】

東芝ブレイブルーパス東京OB廣瀬俊朗さんが5月1日(日)vs東京サンゴリアス「府中ダービー」に来場【特別企画】

ジャパンラグビー リーグワン初年度もいよいよ終盤戦に突入。プレーオフ進出に向けて一戦も落とせない状況で上位を猛追してきた東芝ブレイブルーパス東京は、ついに14節で横浜キヤノンイーグルスを抜いてプレーオフ圏内の4位に躍り出た。この状況で迎える一戦が東京サンゴリアスとの伝統の「府中ダービー」となる。互いに府中に本拠地を構えてしのぎを削ってきたチームの一戦に、今年は東芝ブレイブルーパス東京のプレーオフ進出が懸かる。否応なしに盛り上がるこの一戦にOBでありキャプテンとして数々のタイトルを獲得した廣瀬俊朗さんが来場する。

試合が開催される前の4月18日(月)に東芝府中グラウンドを訪問いただき、選手やHCそして旧知の仲である大野均アンバサダーとのインタビューを実施しました。さすが廣瀬さん!ということで多くの興味深い話を聞くことが出来た。府中ダービーまでの1週間でそれぞれに紹介していく。第1弾は大野均アンバサダーとの対談です。2回に分けてお送りします。
第1回トークテーマ:お互いの近況とラグビー
お2人の仲なので何から聞いて良いのかわかりませんが、まずは近況について。いつぶりの再会ですか?

廣瀬:オンラインではちょくちょく会っているもんね?
大野:そうだね。実際に会うのは久しぶりかもね。
廣瀬:仲間たちと学び屋(A-MAP※)を始めまして、それに均ちゃんが一期生で入ってくれました。僕らがラグビーを盛り上げるためにも何かしたいなということで、均ちゃんとちょくちょく作戦会議はしています。僕の会社の仲間と一緒にミーティングなどもして、「均ちゃんどうしましょうか!」などと話していますね(笑)。
大野:トシはおもしろい仲間といろいろやっていて(笑)。
廣瀬:ラグビー好きのおもしろい仲間と一緒にやっています。均ちゃんともいろいろな話をしていますね。

※A-MAPは廣瀬俊朗さんが専務理事を務める一般社団法人APOLLO PROJECTによる、現役・元アスリート向けのマインドセットプログラム。トップランナーの講師、メンター、さまざまな競技出身の受講生とともに学ぶ実践的カリキュラム。

大野さんは引退された後も東芝ブレイブルーパス東京のクラブアンバサダーとして活動されていますが、具体的にどのようなことをやられているのでしょうか
大野:アンバサダーとして試合会場で試合を盛り上げるという役目をいろいろやっています。今のブレイブルーパスは、本当に若い選手が躍動していて、私自身もアンバサダーとして試合を見ていて楽しいですし、今後すごく期待を持てるチームであると、中にいても感じますね。
廣瀬:引退したOBの中で、シンボルは絶対に必要だと思っています。その中で均ちゃんがそれを担ってくれているのは、心強いなと思っていますね。

【東芝ブレイブルーパス東京】

廣瀬:先ほど、均ちゃんと一緒に練習を見ていたのですが、「今この時代に俺たちがいたら、試合に出られへんかったかもな」ということは話していました(笑)。両LOは2メートル超えていますし…
大野:190cmちょっとでパスも放れない、キックも蹴れないなんて(笑)。ジェイコブ(ジェイコブ・ピアス選手)は開幕戦でボールをキックしてドリブルしてトライしていたし(笑)。
廣瀬:そうしたら僕たちは万年リザーブのまま引退していたかもなと(笑)。僕は、ジョネ(ジョネ・ナイカブラ選手)みたいに爆発力のあるWTBじゃなかったですし、テイラー(トム・テイラー選手)みたいにうまい10番でもなかったですからね。
大野:当時は根性だけでやっていたからね(笑)。
廣瀬:本当に根性と気合でやっていましたもんね(笑)。タフさで頑張っていましたけど、もうそんな時代じゃないなと。10年前で良かったなと思いましたね(笑)。スキルもめっちゃ高いし、パスもうまいし、LOの選手も大きいし。今ではモールもよく動いてラインアウトもすごいです。昔は小さいLOで、なんとか動いて、工夫してやっていましたけど。
一同:(笑)。

大野:聞いた話だと、今のウエイトトレーニングは僕らの時と同じくらいやっているらしいです。シーズン中は疲労をとって、試合にピークを合わせるという考え方が最近までは浸透していました。しかし、先日太志(森選手)と話したら「今はシーズン中でも関係なくやっています」と言っていました。今年はフィジカルが強いなと思っていたので、それもあるのかなと思っています。
廣瀬:ね、昔は全然関係なかったもんね(笑)。「筋肉痛やな」と思いながら、試合出ていたしね(笑)。

お互い現役を離れて思うことはありますか
大野:現場を離れて最初に思ったことは「あいつら本当にすごいことやっているな」ということですね(笑)。
一同:(笑)。
大野:自分たちもやっていたと思うけど、引退してグラウンドでプレーしないということで、ラグビーを改めて見てみると、「こいつらすごいことやっているな」と感じます。一方で、あの非日常感があるところはラグビーの良さだと思いますね。
廣瀬:それ、めちゃくちゃ感じますよね。「なんであんなにぶつかれたんだろう」とかね。あんなにぐちゃぐちゃなやつ、怖くてしょうがないです(笑)。
大野:1個のブレイクダウンで、誰かしらケガしているだろうと思っていたら、みんなすぐに立ち上がっていて(笑)。
廣瀬:「この人たちなんなんやろ」みたいな(笑)。今まさにそれは思いますね。もう絶対できないです。

大野:今は各チームで世界中からトップレベルのプレーヤーが集まってきていて、選手たちもやっていて幸せだろうなと思います。それこそ、マッケンジー(東京SG、ダミアン・マッケンジー選手)、デュトイ(トヨタV、ピーターステフ・デュトイ選手)らなど、海外に行かないと対戦できない選手がリーグワンでプレーをしていて、普通に身近にいるというのはやりがいもあるし、自らの成長も感じられるリーグになったんじゃないかなと思いますね。
廣瀬:見ているファンの方々にとっても、世界で一流の選手がこんなにたくさんいるリーグは他にないと思います。彼らはとてもフレンドリーで、試合会場とかに行くと、そのような人間性のところにも触れられるので、そういうところも良いなと思いますね。

大野:彼らが日本に来るようになったのは、2019年の日本開催のW杯で日本に滞在して、そこで日本の良さや日本の人の良さを気に入ってくれたからです。それから、「日本でプレーしたい」、「日本で暮らしたい」と言ってくれるようになりました。
そして、あのW杯の雰囲気をつくった一つの要因が、トシがやっていた『Scrum Unison(スクラムユニゾン)』だと思っています。「自分の国の国歌を(ホスト国の)日本人が歌って応援してくれる』という温かさを選手たちが感じたからこそ、さらに良い雰囲気になったんじゃないかなと思いますね。
廣瀬:ありがとうございます(笑)!歌おうかな(笑)。ミックスカルチャーはラグビーの魅力かなと思います。W杯が終わってから特に、ヨーロッパの人もいるし、南半球の人もいるし、アジア系の人もいるし、いろんな人が融合して、一つの目的や目標のために頑張っているというのは、なかなかないことです。日本社会はこれから多国籍な人と働いていくことが当たり前になっていく中で、良いロールモデルかなと思います。そのあたり楽しんでもらえると嬉しいかなと。

次回はラグビーの魅力と「府中ダービー」についてお届けします!お楽しみに!
(ライター / 内海 日和)
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著者プロフィール

東芝ブレイブルーパス東京はジャパンラグビーリーグワン(Division1)に所属するラグビークラブです。日本代表のリーチマイケル選手や德永祥尭選手が在籍し日本ラグビーの強化に直接つなげることと同時に、東京都、府中市、調布市、三鷹市をホストエリアとして活動し、地域と共に歩み社会へ貢献し、日本ラグビーの更なる発展、価値向上に寄与して参ります。

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