九州北部豪雨支援の「恩返しを」 小石原焼の産地・東峰村がコラボグッズに込める想い

福岡ソフトバンクホークス
チーム・協会

【小石原焼の職人さんが育てたご飯を頬張る牧原選手】

福岡ソフトバンクホークスでは、九州を元気にするプロジェクト「ファイト!九州」の一環として、九州8県9種の伝統工芸とのコラボグッズを発売する。伝統工芸品とのコラボグッズの販売は昨年に続いて2年目。九州各地の伝統と技術が詰まった特別なグッズを、手がけた職人たちの思いと共に紹介していく。

170万円の「八女福島仏壇」と共に、福岡県の伝統的工芸品としてコラボグッズになるのは「小石原焼」だ。約350年の歴史を持ち、全国各地にある焼き物の産地の中でも、最初に経済産業大臣指定の「伝統的工芸品」に指定された。福岡・東峰村特有の鉄分の多い赤土を使用し、「飛鉋(とびがんな)」による独特の紋様や白と黒のコントラストが「小石原焼」の特徴だ。

天日干しの様子 【(C)SoftBank HAWKS】

今回、ホークスとのコラボグッズを製作したのは東峰村にある「小石原焼カネハ窯」さん。代表を務める熊谷裕介氏は「小石原焼の東峰村はご存知の通り、豪雨で大きな被害が出ました。復興に向けて、ホークスさんから多大なる寄付をいただきました。自分のような個人の小さいところには大それた仕事だと思いましたが、少しでも恩返しできれば、と手を挙げさせていただきました」という。

2017年7月に起きた九州北部豪雨で甚大な被害を受けた東峰村。2016年4月の熊本・大分地震の復興支援プロジェクトとして発足した「ファイト!九州」は、九州北部豪雨の際も、義援金や被災地訪問など、さまざまな支援活動を行った。それ以来、繋がるホークスと東峰村の絆が、今回のコラボのキッカケに。ホークスオリジナルデザインのタンブラー、茶碗、サラダボウルの3種類が製作された。

シンプルなデザインなので食卓に馴染みやすい 【(C)SoftBank HAWKS】

熊谷さんは陶芸だけでなく、農業で米作も手がけている。山で土を掘り、窯を焚べるためには薪がいる。稲を収穫した際に出た藁は小石原焼に使う釉薬の材料になる。「生活の中で仕事に関する材料が取れる。いい土が取れて、手仕事で形にして、生活の中でとれるものが釉薬の材料になって、窯で焼いて…。小さい村で完結できる仕事なのです」。いま流行りの“SDGs”を村の中で実際に行っている。

伝統工芸の産地の多くは後継者不足が課題とされているが、小石原焼は少しばかり状況は違うという。「小石原焼は44軒の窯元があって、40歳以下が11人います。僕らみたいな中堅も十数人いて、若い人たちが村に帰ってきて継いでいる感じです」。近い世代の人間が1人、また1人と村に戻り、互いに協力し合って技術を継承。SNSの発達もあり、広報活動も積極的に行えるようになった。高齢者の窯元もいるが、これらの成果もあって比較的、若年層が多くなっているという。

基本的に小売で販売される小石原焼。熊谷氏によれば「販路は九州や西日本で止まってしまっている」。全国の人々に「小石原焼」と、その魅力を知ってもらいたい、というのも今回のコラボの意義としてある。「コロナで外食も減ってきただろうし、家で食事をする機会が多くなっていると思います。その中で、想いがある器があると、雰囲気が違ったり、味が違ったりする。これを機会に手作りの器の力、魅力に触れてもらいたい」と熊谷氏。陶器に込められた想いと願い。手にとって感じてみてはいかがだろうか。

小石原焼制作過程 【(C)SoftBank HAWKS】

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