世界に羽ばたく選手育成と地域貢献、そしてSDGsへの取り組み  【F・マリノススポーツクラブの活動報告】

横浜F・マリノス
チーム・協会

【©F.M.S.C.】

「よりよい地域社会を創るために、あらゆるテーマで、多くの仲間と。F・マリノススポーツクラブは全ての人と、スポーツのチカラでこの街の未来を創ります。」という理念どおりに、選手育成や命を守る行動、そして身近な環境問題解決への取り組みなど、活動内容が多岐にわたる一般社団法人F・マリノススポーツクラブ。その活動を支えるのは、賛助会員の支援だ。すべての活動のベースになるからこそ、事業開始から約1年を機に、「2021活動報告会」を実施。注目を集める清掃活動にも取り組んだ時間となった。

支援が、すべての活動のベース。選手の成長とSDGs活動で恩返しを

2021年2月1日に事業を開始した一般社団法人F・マリノススポーツクラブ(以下FMSC)。「スポーツによるサステナブルな地域社会の実現」と「世界で活躍する選手の育成」を目標に掲げる総合型地域スポーツクラブのFMSCは、アカデミーやスクール事業のほか、ホームタウン活動、地域貢献活動も活発に行っている。

事業スタートから約1年。2022年4月2日、第一回目となる「2021活動報告会」を実施した。

今回報告会に参加したのは、FMSCの活動を支える賛助会員。2021年度、法人賛助会員は36社、個人賛助会員は261名で、こうした大きな後押しがあるからこそ、未来につながる活動が、しっかりと形になってきているのだ。

冒頭、宮本功代表理事は「FMSCの活動に賛同いただき、ありがとうございます。みなさんのご支援や賛助は、我々が行うすべての活動のベースになるものです。お返しできるものの一つは選手の成長であり、サッカーの普及。横浜F・マリノスのファン・サポーターとなる基本の人づくり。スポーツを通じて地域に貢献することです。そして、今日のメインイベントになりますが、アカデミーの選手たちも実際に行っているごみ拾い。こうしたSDGsに資する活動をみなさんと一緒に行うことの一つひとつが特典になります。時間をかけて、みなさんに体感していける活動もしていきたいと思いますので、ご理解とご支援をいただければと思います」と話した。

FMSCの活動は1.アカデミー2.スクール事業3.ホームタウン活動が大きな3つの軸となっている。今回の支援もそれぞれの活動に合わせたものに使われており、スパインボードの購入、アカデミートレーニング用GPSのリース、反射シールの作成が行われた。

会場にはスパインボードが展示された 【©F.M.S.C.】

スパインボードとは、Jリーグの試合などでも目にできるが、激しい接触などの際、頭や脊髄を保護し安全に選手を搬送できるオレンジ色のボード。アカデミーの拠点に置くことで、より安全にトレーニングやプレーに集中できる。「#命つなぐアクション」として、AED・救急救命の普及啓発をはじめ、命の大切さを何よりも大事にしているF・マリノスだからこそ真っ先に導入したものとなった。

また、トレーニング用のGPSは、選手の力を見える化することに役立つ。現在の状態を把握し記録していくことで、取り組むべき課題、成長している点に気づくことができる。さらに、パートナー企業と手を携えて、データの活用や蓄積を行う体制もしっかりと整えることで、世界で輝くタレントの育成は、より加速していくだろう。

最後に、反射シール。Jリーグでも屈指の人気を誇るマリノスケをデザインに用いたシールで、ランドセルやかばん、自転車に貼ることができる。地域の子どもたちを守るグッズを制作したのは、「スポーツのチカラで人と人を繋ぎ、地域社会の未来創造のエンジンに」と謳うからこそ。支援の力が入ることで、FMSCだけではなくみんなで街や子どもたちを守ることになり、安全な毎日をつくる社会貢献の輪が広がっていく。

FMSCを支える賛助会員に、活動の報告を行った 【©F.M.S.C.】

人工芝から流出する深刻な海洋ごみ問題といち早く向き合う

活動内容の報告とともに、今回、メインイベントとしたのは、ホームタウン活動の一つとして行っている清掃活動。特にサッカーには欠かせない人工芝のグラウンドから流出するマイクロプラスチックは、深刻な海洋ごみの問題を引き起こすもので、F・マリノスのアカデミーの選手たちも、この問題に向き合い、ごみ拾いを実施している。

「世界中が豊かになり処理できないごみが川や海に流出する問題が起きています。2050年ごろには海を泳いでいる魚の重量と海に浮いているプラスチックごみの重量がほぼ一緒になると言われています。魚の重量よりプラスチックの方が軽いため、何倍も多くの海洋ごみが流出する深刻な問題です」(株式会社ピリカ・小嶌不二夫代表取締役)

しんよこフットボールパークでの清掃活動では、発見、驚き、学びがあった 【©F.M.S.C.】

FMSCもいち早くこの点に着目し、課題解決に取り組んだ。それが「サステナブル ホームタウンRethinkパートナー」であるJT(日本たばこ産業株式会社)による地域課題解決プロジェクト『Rethink PROJECT』との共同企画であり、株式会社ピリカと協働しているもの。

今回も実際に「しんよこフットボールパーク」に足を運び、清掃活動を行った。一見するとごみとは気づきにくいプラスチック片。「これがごみなのか」という驚きの声もあがったが、どういったものがごみで、どのような影響を与えるか。小嶌代表取締役の説明を聞きながら、一つひとつ丁寧にごみ袋に集めていく会員の姿は印象的だった。

「日産スタジアムの周辺はF・マリノスのファン・サポーターのみなさんやアカデミーの選手たちが積極的にごみ拾い活動をしてくれるのを目にします。キレイな街が保たれていますし、こうした行動が啓発につながっていくのです。とても大事な役割を担ってくれていると感じています」と小嶌代表取締役が話すように、世界を揺るがす大きな社会問題を身近な問題として目を向け、SDGsにつながる活動にも取り組むFMSC。

競技力向上、人材育成、社会問題への取り組みと多岐にわたる活動は、スポーツのチカラで、この街の未来を創るためだ。一見バラバラなように見えることも、角度を変えればサッカーという揺るがない軸でつなげていける。FMSCが行う活動の根底は、そんなふうに広がっているもの。これからも多くの人々の温かい支援とともに、スポーツが持つ無限の可能性を持って、明るい未来を育む活動を続けていく。

未来を育む活動がFMSCの根底にある 【©F.M.S.C.】

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著者プロフィール

日産自動車サッカー部として1972年に創部。横浜マリノスに改称し、1993年にオリジナルメンバーとしてJリーグ開幕を迎えました。1999年には横浜フリューゲルスと合併し、現在の横浜F・マリノスの名称となりました。マリノスとは、スペイン語で「船乗り」を意味し、世界を目指す姿とホームタウンである国際的港町、横浜のイメージをオーバーラップさせています。勝者のシンボルである月桂樹に囲まれたエンブレムの盾には、錨とカモメが表現されています。こちらでは、チーム、試合やイベントなどさまざまなニュースをお届けします。

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