秋山成勲が青木真也戦で再確認した格闘技の発信力。現役続行とともに「社長になる」野望も抱く

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【ONE Championship】

 3月26日、世界最大級の格闘技団体・ONEチャンピオンシップ株式会社(以下、ONE)の10周年記念大会『ONE X』でシンガポール・インドアスタジアムが揺れた。

2年ぶりの実戦となった46歳の秋山成勲は13キロの減量を乗り越えて戦いの舞台に上がり、元ONEライト級王座の青木真也を相手に劇的な逆転TKO勝ちを収めたからだ。
そして、それは多くの人に勇気や感動を与え、秋山の元には現在数えきれないほどの賞賛や感謝の言葉が届いた。
一夜にして世界をガラリと変えてみせた今、何を思うのか。帰国直後の秋山を直撃した。

「何万件という量のDMが届く」大反響

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秋山の口からついて出てくるのは「心身ともに本当に気持ちいい時間を過ごさせていただいています」という充実感に加え、感謝の言葉の数々だ。

「青木真也選手にものすごく感謝しています “ペーパービューがめちゃくちゃ売れた”とAbemaから連絡がありましたが、青木劇場を面白く作ったからだと思うんですよね」

「セコンドの2人は、自分が限界の時もずっと付き合ってくれましたし、最後の最後まで自分を信じて付いてきてくれました。アドバイスもドンピシャでハマって、大切さをあらためて感じました」

そんな感謝しきりの秋山のもとには、ファンからの感謝の言葉も想像をはるかに上回る量で届いている。

「今、とんでもない量、何万件という量のDMが届いています。シンガポールから日本へ帰る6時間の飛行機の中で返そうと思っても、時間がなくて返せなかったですもん。反響がすごくて、マジでちょっとビビっています」

その中には「家族で自殺をしようと思っていましたが、秋山さんの戦いを見て、踏ん張ろうと思いました」というメッセージまであったという。
その反響の大きさは、街で頻繁に声をかけられるなど日本に格闘技ブームが巻き起こっていた頃に匹敵するか、それ以上のものがある。

「Dream(※)をやっていたあの時代に戻ったような気がします。“こんな俺でもいいのかな?”と思いますけど、すごくありがたいです。内心めっちゃ嬉しいですよね(笑)」

※2008年から2012年までの間、人気を博した総合格闘技イベント

それゆえに青木への感謝は大きい。

「自分1人でこんなことにはなっていません。青木くんがいたからこそできたことです」

秋山が青木戦で人々にもたらした希望とは

一夜にして世界は大きく変わった。だが慢心するつもりは一切ない。
「ありがたいことに、身の回りのことがガラッと変わりました。昔だったら、すぐにフェラーリを買いに行くくらい調子に乗っていたと思います(笑)でも今は足元を本当にしっかりと見て、確実に前へ進んでいこうと思っています」

「いろいろな経験をして、たくさん叩かれて、長い時間自分を見つめ直して大人になったからだと思います。“人にどれだけ感謝をするべきか”ということを培いました。これからも誠実に自分の目標に向かってまっすぐにやるだけです」

帰国後すぐにトレーニングを再開し次戦に向けても意気揚々としている。また、ビジネス面でもONEのさらなる発展に寄与したいと考えている。

「僕はONEの韓国(法人)の社長になるつもりで動きます。韓国のマーケットは確実にモノにしないといけないマーケットです。“社長”はデカく言いましたけど、母国のために携わっていきたいです」

ONEの魅力として「総合格闘技だけではなくキックやムエタイ、グラップリングと、あらゆる要素が詰まっている面白さ」を挙げ、さらなる発展のためにはエンターテイメント性の重要さも唱える。

「他の団体ではYouTuberと誰かが対戦しているし、僕もかつて“マイク・タイソンとやりたい”と言ったこともあります。今でもONEのエネルギーは高いですが、“今以上に見てもらうシステム”を作るには、そういうことも必要だと思います」

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その他にも、若手のための企画や「食べていける」環境整備、日韓対抗戦の提案など具体策はどんどんと出てきた。
それは今回の試合で、あらためて格闘技が持つ発信力を感じたことも大きい。

「一生懸命頑張って勝つ姿を見た人が“今度は自分たちが仕事を頑張ろう”と、それぞれの人生に置き換えてくれました。みなさんの心を揺らすことが格闘技の本来あるべき姿だと思います」

今回の青木戦は、戦いの前に13キロという想像を絶する減量があった。また、試合でも1ラウンドに締め落とされる寸前まで行ったが踏ん張り、2ラウンド目もタックルを決められかけたが、そこからパンチの連打で大逆転勝ちを掴み取った。
そんな秋山の姿を見て「頑張れば、踏ん張れば、いいことがあるんだ」と希望を見出した人がいかに多いか。その声を聞いて秋山も、さらに力強いエネルギーを得た。

そんな好循環を得た秋山は「もう46歳」ではなく、「まだ46歳」だ。やりたいこと、やれることは、まだまだたくさんある。

取材・文=高木遊
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