【青木真也との因縁の決戦を前に】秋山成勲46歳。13キロの減量、止まぬバッシング・・・それでも闘い続ける理由
【ONE Championship】
世界最大級の格闘技団体・ONEチャンピオンシップ株式会社(以下、ONE)が、2022年3月26日(土)に開催する10周年記念大会「ONE X」。このビッグイベントのグランドフィナーレ(21時からPPV放送)第3試合で行われるのが、日本の格闘技ファンから大きな注目を集める青木真也対秋山成勲のライト級マッチだ。因縁の一戦を前に、まずは秋山の思いを聞いた。
ファイターとしては尊敬しているが・・・
銀髪の柔道家として世界選手権で脚光を浴びたのが2003年。2004年に総合格闘家に転身すると、2006年にはHERO'Sライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント優勝を果たした。だがその年の大晦日の桜庭和志戦以降は様々なバッシングを受け、UFCでは4連敗を喫するなど苦しい日々も過ごした。
そして気づけば46歳。それでも闘うことをやめず、青木真也の最初の対戦要求から14年の時を経てついに対峙する。
※2人の対戦が初めて持ち上がったのは、2008年9月に開催された総合格闘技イベント『DREAM.6』。試合後に青木が秋山へ対戦要求したことから始まる。
青木に「この虚構野郎」「都合いいことしかやらない」「しょっぱい」などと罵られて、決戦の場を引きずり出された形のようになったが、ファイターとしての青木には敬意を示している。
「勝負勘が素晴らしいですし、グラップリングの技術は“いちファン”としては教えてもらいたいなと思うくらい。世界のトップを走る選手です」
だが、人間としての評価となると、「彼の100%分かっているわけではないです」と前置きしながらも、「表面から見る人間としての部分はあまり認めてないです」「相手を罵ったりするのは、僕の中のセオリーとして無い」と、トーンは一変する。
だからこそリングで決着をつけて黙らせたいが、その決戦の前に越えなくてはならない大きな壁がある。それが、13キロにも及ぶ厳しい減量だ。
今回の対戦は青木真也の主戦場とするライト級(77.1kg)で行われる。普段の秋山の体重は約90kgということからも、その過酷さは説明するまでもないだろう。
契約体重については3月2日の会見でも話題にあがり、「半分(中間の体重)で行こうか”と言ったら青木選手が“それはダメだ”と(言った)」(秋山)「昨年4月に秋山が階級を下げて戦うと言っている。だから、この試合のために “体重を落としている”と言うのは誤弁」(青木)と平行線だった。
とはいえ、決まったからには規定まで落とすしかない。ONEでは身体へ過度に負担がかかる“水抜き”による減量を禁止するために尿比重の計測も行い、直前で一気に体重を落とすやり方はできない。
そのため、食事はどうしても必要な栄養素を少量摂るのみ。そんな生活が厳しいトレーニングとともに1ヶ月以上続いている。これには「ここまでしんどいのは初めてなので、自分でもどうなるか分からないですね」と正直な思いを吐露している。
そして気づけば46歳。それでも闘うことをやめず、青木真也の最初の対戦要求から14年の時を経てついに対峙する。
※2人の対戦が初めて持ち上がったのは、2008年9月に開催された総合格闘技イベント『DREAM.6』。試合後に青木が秋山へ対戦要求したことから始まる。
青木に「この虚構野郎」「都合いいことしかやらない」「しょっぱい」などと罵られて、決戦の場を引きずり出された形のようになったが、ファイターとしての青木には敬意を示している。
「勝負勘が素晴らしいですし、グラップリングの技術は“いちファン”としては教えてもらいたいなと思うくらい。世界のトップを走る選手です」
だが、人間としての評価となると、「彼の100%分かっているわけではないです」と前置きしながらも、「表面から見る人間としての部分はあまり認めてないです」「相手を罵ったりするのは、僕の中のセオリーとして無い」と、トーンは一変する。
だからこそリングで決着をつけて黙らせたいが、その決戦の前に越えなくてはならない大きな壁がある。それが、13キロにも及ぶ厳しい減量だ。
今回の対戦は青木真也の主戦場とするライト級(77.1kg)で行われる。普段の秋山の体重は約90kgということからも、その過酷さは説明するまでもないだろう。
契約体重については3月2日の会見でも話題にあがり、「半分(中間の体重)で行こうか”と言ったら青木選手が“それはダメだ”と(言った)」(秋山)「昨年4月に秋山が階級を下げて戦うと言っている。だから、この試合のために “体重を落としている”と言うのは誤弁」(青木)と平行線だった。
とはいえ、決まったからには規定まで落とすしかない。ONEでは身体へ過度に負担がかかる“水抜き”による減量を禁止するために尿比重の計測も行い、直前で一気に体重を落とすやり方はできない。
そのため、食事はどうしても必要な栄養素を少量摂るのみ。そんな生活が厳しいトレーニングとともに1ヶ月以上続いている。これには「ここまでしんどいのは初めてなので、自分でもどうなるか分からないですね」と正直な思いを吐露している。
【ONE Championship】
「できる時にやらないと絶対に後悔する」
妻のSHIHOと愛娘のサランとともに、日本・韓国を中心にタレントとしても活躍している。
「一生懸命やっている姿を見せるのが親の役目。それを見て子供が“頑張ることはすごいことだ”と好転的に思ってくれればと思います」と語るが、格闘家としてはとっくに引退してもおかしくない年齢だ。
ここまで過酷な思いをしてまで続ける理由は何なのか。そう問うと 「“格闘技ができるから”です。登山家がそこに山があるから登るように、めちゃくちゃシンプルなことです」ときっぱり答えた。
「歳も歳なんでゆっくりしたいなあと思うこともあるんですけど、でもまだ人生の折り返し。長い目で見た時にまだ点でしかないし、できる時にやらないと絶対に後悔する。後で後悔しても、取り返せないですし、それはいくらお金を持っていてもできないことですから」
格闘技の魅力については「魅力かあ・・・」とひと呼吸置いた上で、「やっぱり人との出会いですよね。誰しもが1人では生きていけない。僕にとってはその人と繋がれるツールが格闘技でした」と、ひたむきに取り組んできたからこそできた仲間の存在を挙げた。
一方で、あの日以来、アンチからの罵詈雑言が聞こえなくなることはない。それでも「応援してくれるファンもそうですけど、応援してくれない人のためにもやるってことがアスリートとしての役目だと思っています」と、自らの立場や役割をすべて受け入れている。
ヒールだろうとヒーローだろうと。闘う理由がそこにある限り、秋山成勲は自らの格闘技人生にピリオドを打つことも無ければ、誰かにそれを打たせるつもりもない。どんな相手が来ても、どんな声を耳にしても、目の前の相手を倒しに行く。ただ、それだけだ。
取材・文=高木遊
ONE Xは3月26日(土)14時から「ABEMA」の格闘チャンネルおよびABEMA SPECIALチャンネルにて生中継。21時からのメインカードは「ABEMA PPV ONLINE LIVE (アベマ・ペイパービュー・オンライン・ライブ)」にて、ONEの大会として初となるPPV形式で生中継される。
「一生懸命やっている姿を見せるのが親の役目。それを見て子供が“頑張ることはすごいことだ”と好転的に思ってくれればと思います」と語るが、格闘家としてはとっくに引退してもおかしくない年齢だ。
ここまで過酷な思いをしてまで続ける理由は何なのか。そう問うと 「“格闘技ができるから”です。登山家がそこに山があるから登るように、めちゃくちゃシンプルなことです」ときっぱり答えた。
「歳も歳なんでゆっくりしたいなあと思うこともあるんですけど、でもまだ人生の折り返し。長い目で見た時にまだ点でしかないし、できる時にやらないと絶対に後悔する。後で後悔しても、取り返せないですし、それはいくらお金を持っていてもできないことですから」
格闘技の魅力については「魅力かあ・・・」とひと呼吸置いた上で、「やっぱり人との出会いですよね。誰しもが1人では生きていけない。僕にとってはその人と繋がれるツールが格闘技でした」と、ひたむきに取り組んできたからこそできた仲間の存在を挙げた。
一方で、あの日以来、アンチからの罵詈雑言が聞こえなくなることはない。それでも「応援してくれるファンもそうですけど、応援してくれない人のためにもやるってことがアスリートとしての役目だと思っています」と、自らの立場や役割をすべて受け入れている。
ヒールだろうとヒーローだろうと。闘う理由がそこにある限り、秋山成勲は自らの格闘技人生にピリオドを打つことも無ければ、誰かにそれを打たせるつもりもない。どんな相手が来ても、どんな声を耳にしても、目の前の相手を倒しに行く。ただ、それだけだ。
取材・文=高木遊
ONE Xは3月26日(土)14時から「ABEMA」の格闘チャンネルおよびABEMA SPECIALチャンネルにて生中継。21時からのメインカードは「ABEMA PPV ONLINE LIVE (アベマ・ペイパービュー・オンライン・ライブ)」にて、ONEの大会として初となるPPV形式で生中継される。
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