【鳩スタ殿の13人】#017 岡田祐介(鎌倉インターナショナルFCシティ GM)ー『鳩スタ』を家族みんなが集まり、幸せになれる場所にしたい
【©Kazuki Okamoto (ONELIFE)】
ここでは「鳩スタ殿の13人」と題して、「鳩スタ」に関わる人々のそれぞれの思いに迫る。今回は、鎌倉インテル・シティのGMを務める岡田祐介。
(文・本多辰成/スポーツライター)
「鳩スタ」の計画にワクワク、「自分も関わりたい」
「鎌倉インテル・シティは月1回、『鳩スタ』で外国人チームとの交流試合などを行うのをメインの活動としているチームです。GMというのは大袈裟ですけど、今は僕が一応、50〜60人が所属するチームの代表としてマッチメイクなども担当しています」
岡田が鎌倉インテルの存在を知ったのは、クラブが創設されて間もない2018年頃のこと。のちの「鳩スタ」へとつながるスタジアム建設構想に強く惹かれた。
「高校時代に所属していた横河武蔵野FCの先輩がクラブ代表の四方(健太郎)さんとつながりがあって、その先輩が鎌倉インテルの情報をフェイスブックに上げていたんです。鎌倉にグラウンドをつくるという計画を知って、めちゃくちゃかっこいいなと。ホームページに書かれていたビジョンに惹きつけられて、その時はクラブの関係者でもなんでもなかったんですが、なんかワクワク、ドキドキしてしまいました。自分も関わりたい、と感じたのを覚えています」
『鳩スタ』で外国人チームとの交流試合が鎌倉インテル・シティの主な活動となる 【鎌倉インターナショナルFC】
日本にはない複合型スタジアムのビジョンに胸が躍った
2020年、鎌倉インテル・シティに加入しGMとしてチームを率いる 【鎌倉インターナショナルFC】
「シンガポールのタンピネス・ハブのようにいろんな施設が一緒になったスタジアムを目指しているというところもすごく興奮しました。サッカーグラウンドのある複合型総合施設というのは日本では見たことがありませんし、すごくかっこいいなと。僕は子どもたちに体操やサッカーの指導をしているので、スタジアム内に保育園や幼稚園があって子供たちも芝生のピッチで遊ぶようなことができたらすごく幸せな光景だなと」
鎌倉インテルと「鳩スタ」の建設計画に大きな魅力を感じた岡田だったが、最初は外から眺めているだけだった。鎌倉インテル・シティの選手としてクラブにコミットすることになったのは、コロナ禍が始まった一昨年のことだ。
「『鳩スタ』ができた深沢地区は妻が生まれ育った場所という縁もあって、ぜひ関わりたいと思っていました。最初はセカンドチームの選手として入らないかという誘いもいただいたんですが、サッカーをやめて時間が経っていたので選手としては自信がなくて。最終的にはコロナ禍が始まって時間ができたこともあり、鎌倉インテル・シティでプレーさせてもらうことになりました。フルコートでのプレーは大学以来、13年ぶりくらいでした」
「鳩スタ」ができたことでチームは見違えるように成長した
昨年10月、鳩スタオープニングマッチとなった交流試合 【©Kazuki Okamoto (ONELIFE)】
「コロナ禍で建設が進まない時期などもありましたが、このクラブはやるだろうと思っていたので疑う気持ちはありませんでした。ただ正直、チームに対しては大丈夫なのかなと不安に感じることもあって。選手たちの行動を見ても『見られている』という意識が感じられなくて、そういう部分では中身が伴っていないんじゃないかとも感じていました」
昨年10月、ついに「鳩スタ」は完成を迎えたが、そのオープニングマッチを見ても岡田は「正直なところ、あまり惹きつけられなかった」という。「鳩スタ」ができたことで外から見られることが増えるなかで大丈夫だろうか、と不安に感じていたが、その後の選手たちの成長は目を見張るものがあった。
「僕が言うのも生意気ですが、『鳩スタ』ができたことでこんなにチームって変わるんだと驚くほど、どんどんよくなっていくのが分かりました。みんな表情が変わって『やるんだ』という気持ちが目に見えるようになりましたし、ベンチメンバーも含めて戦う姿勢を感じられるようになった。『鳩スタ』ができたことで選手たちの意識レベルも変わって、試合ごとにいいチームになっていくのを実感していました」
家族みんなが集まり、幸せになれる場所にしたい
週末は家族揃って『鳩スタ』へ 【鎌倉インターナショナルFC】
「設備としてはまだスタジアムと言えるようなものではないですけど、いろんな可能性を広げてくれる場所として僕はすばらしいスタジアムだと感じています。できていないところも素直にさらけ出して、みんなでアイディアを出していきましょうというのは、まさしく『みんなのスタジアム』です。いろんな人の夢が広がり、人とのつながりも広がり、幸せも広がっていくような魅力的な場所だと思います」
本業を持ちながら鎌倉インテル・シティの一員としてクラブに関わる岡田にとって、「鳩スタ」は「早く行きたくなる場所」だという。そして、「鳩スタ」を自らがサッカーを楽しむだけでなく、家族みんなが幸せになれるような場所にしていきたいと考えている。
「鎌倉インテル・シティのメンバーは家族がいる人が多くて、土日の楽しみとしてサッカーをしに来ているという感じです。なので、ただサッカーをするだけの場所では、奥さんや子どもが楽しめない部分もあると思う。たとえば僕らがサッカー、奥さんはヨガやピラティスとかをして、子どもたちは芝生で思いっきり遊び回れる。週末にみんなで集まって幸せになれるような、そんな場所として『鳩スタ』の今後をつくっていければと思っています」
シンガポールのタンピネス・ハブのようにさまざまな施設が入った複合型のスタジアムがいずれ完成し、保育園や幼稚園も併設される。そこで子どもたちに体操やサッカーを教えることが、岡田の夢のひとつだ。
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