【競泳】国際大会日本代表選手選考会・女子:青木玲緒樹と林希菜が好記録で制覇

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【(C)Getty Images】

6月に開幕する「第19回世界選手権2022ブタベスト大会」など、国際大会の代表選考となった「国際大会日本代表選手選考会」が、3月1日から5日まで東京辰巳国際水泳場(東京都江東区)で開催された。女子は100m平泳ぎで青木玲緒樹、200mバタフライの林希菜が好記録で選考会を突破したが、池江璃花子が2種目制覇も世界選手権出場を逃す結果となり、有力選手の明暗が分かれた。

青木玲緒樹がTokyo2020銀メダル相当を記録、驚きの日本新記録

女子の選考会で一番の驚きは100m平泳ぎだ。予選トップ通過を果たした青木玲緒樹は決勝で、日本記録保持者の渡部香生子、インカレ(日本学生選手権水泳競技大会)王者の宮坂倖乃、ロンドン2012メダリストの鈴木聡美ら強豪が顔をそろえる中、驚異的なタイムを叩き出した。

スタートをしっかり決めた青木は頭ひとつ抜け出すと、50mで日本記録を上回るペースでターン。2位以下に体半分以上の差をつけると、最後までその勢いが衰えることなくフィニッシュ。渡部が2014年に記録した記録を0.69秒更新する1分5分19秒の日本新記録で優勝。世界選手権派遣標準記録も上回り、3大会連続で世界選手権出場を決めた。また、青木は50mでも日本新記録を達成し、2種目で世界選手権へ挑むことになった。

100mの決勝でマークした記録は、Tokyo2020銀メダル相当の記録で、世界でもトップクラス。世界選手権本番でも5秒台で泳ぎ切れば、当然ながら表彰台も見えてくるはずだ。

200mバタフライの林希菜は後続を2秒以上引き離す圧巻の記録

もう1人、驚きとなったのは200mバタフライの林希菜だ。決勝で記録した2分6秒41は、Tokyo2020で4位相当。後続を2秒以上突き放したパフォーマンスは圧巻の一言だ。

林は予選を2分9秒34の2位通過で決勝進出としていた。予選から一気に3秒近くのジャンプアップとなり、自己ベストを更新。まだ20歳と年齢的にも大いに伸び代が見込める新星は、本番でどこまでジャンプアップができるのか。期待したい。

Tokyo2020で2冠の大橋悠依はやや低調ながらも切符を獲得

Tokyo2020で個人メドレー2冠に輝いた大橋悠依。200m、400mともに出場した時点で世界選手権代表内定となるのだが、結果としてはやや低調に終わった。

ぶっつけ本番で挑んだ400mは、最初のバタフライで先頭に立てず、後半に入ると失速し、派遣標準記録から1秒76遅れの4分41秒96で3位。「泳ぎの感覚とタイムは一致している。練習ができていなくて単純に自信がなかった」と大橋は完敗を認めた。

翌日の200m個人メドレーも2位と敗れたものの「集中して泳ぐことができた」と明るい表情で答え、手応えをつかんだ様子。オリンピック2冠という重圧に負けることなく、どのような状態で世界選手権を迎えるのかも注目される。

池江璃花子は2種目で優勝も個人種目の世界選手権出場ならず

池江璃花子は自由形とバタフライで、5年ぶりに個人種目の世界選手権出場を目指したが、残念ながら派遣標準記録に届かず、世界選手権の日本代表を逃した。初日の50mバタフライは派遣標準記録を超えられず、2位でフィニッシュ。100mバタフライと100m自由形では優勝したものの、派遣標準記録を突破できなかった。

白血病から復帰後、徐々に以前のパフォーマンスを取り戻しつつある池江だが、「パワーは増した一方で、技術は落ちている」と今大会で課題を認識。「技術を戻せば、世界記録が見える位置で泳げる」と話す。「目標はずっとパリ2024オリンピック」と公言する池江には、進むべき道がはっきりと見えているようだ。

文=マンティー・チダ
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