「先輩を表彰台に」24歳山本が執念 ”早大スキー部”一丸で五輪複合団体「銅」
【共同通信】
「複合の日本」復活 脈々と受け継がれる早稲田魂
銅メダルを獲得し記念撮影する日本チーム。(前列左2人目から)渡部善選手、永井選手、渡部暁選手、山本選手、谷地選手と河野コーチ(後列右)。まさに早大スキー部一丸といえる表彰台だった 【共同通信】
その28年前、リレハンメルオリンピックで金メダルを獲得したチームも、現ヘッドコーチ・河野孝典氏(1991年人間科学部卒)と荻原健司氏(1992年人間科学部卒)のスキー部OBがメンバー。ベテラン・中堅・若手が頑張り、サブメンバーにはスポーツ科学部3年の現役スキー部員・谷地宙(ノーマルヒル30位)も控える今回のチームは、スキー部が担ってきた「複合に強い日本」の復活を印象付けました。
渡部善が133.5メートルの大ジャンプ、距離でも3位の好走
チームで一番のジャンプを飛び、距離でも1走として3位に付けるなど、活躍した渡部善選手 【共同通信】
2走・38歳ベテラン永井が粘りの走り
永井選手(右)にタッチする第1走者の渡部善選手 【共同通信】
3走・渡部暁が先頭集団で争う
渡部暁選手(右)にタッチする第2走者の永井選手 【共同通信】
「涼太行け!」、エースが次世代のホープに託す
渡部暁選手(奥)からリレーされ、スタートする最終走者の山本選手 【共同通信】
山本、先輩たちの待つゴールへ飛び込む
山本選手は両手を上げて、出迎える先輩たちに飛び込むようにゴールした 【共同通信】
日本の活躍、そして現役早大生と校友の活躍から目が離せません。
文:学生スタッフ・宮島真白
日の丸を掲げて喜ぶ(左から)渡部善選手、永井選手、渡部暁選手、山本選手 【共同通信】
競技後インタビュー
渡部善「長いことメダル目指して、やっとここまで来れた」
やっと取れたなという感じがしますね。長いことメダルを目指してずっとやってきて、時間はかかりましたけど、やっとここまで来れたなという気持ちです。
ーー善斗選手の素晴らしい滑り、そしてチームとしてもワックスがよく効いていたように感じましたが、いかがでしたか
そうですね。今日は本当にMVPはワックスマンだと思います。スキーは本当にすごく滑りましたね。
永井「最後にこんなご褒美が待っているとは」
本当に最後の最後でこんなご褒美が待ってるとは思わなかったので、今日一緒に戦ったチームメートおよび日本チームのスタッフ、コーチ、全てのみんなに感謝したいですね。本当に最高です! ありがとうございます。
渡部暁「個人で取るよりも何倍も嬉しさがある」
今日、僕はいいジャンプもできなかったですし、最後クロスカントリーの方もオフテブロ(ノルウェー)に離されるかたちで凉太にタッチすることになって、いい働きができなかったけれど、チームのみんなに助けてもらいました。最後は「涼太いけ!」という感じで、託して信じて待っていました。
ーー団体のメダルの喜び、そして意味というのはどう感じていますか
団体戦のメダルはチームみんなで喜べて、個人で取るよりも何倍も嬉しさがあります。それは2009年のリベレツ世界選手権の時に、僕だけしか体感していないんですよね。そこから長い時間かかってしまったのですが、この瞬間というのをみんなで共有できてすごくうれしいですし、こういう気持ちというのは、チーム全体としてこの後の、続いていく日本のコンバインドチームの未来に対して本当に良いメダルだったなと思います。
山本「表彰台に先輩方を上げたいというのがありました」
まず4走に決まった時に、「これプレッシャーヤバいな」と感じました。表には出さないようにはしてましたけど、自分の中で一番きついレース展開になるだろうなというのが想像できたので、あらゆる想像をしてきました。やることは変わらないと思っていたので、自分の、ちょっと良くなってきた滑りを少しでも出せたらいいのかなと思っていました。しかし、まさかあそこの位置で表彰台を争えるとは思っていなかったのでまずは良かったと思います。
ーー最後の直線はどんな気持ちでしたか
正直なところを言うと、「オーストリア来るな」という感じで走っていました。ドイツももう少しの所にいたので、いろいろな気持ちはありましたけど、とりあえず表彰台に先輩方を上げたいというのがありました。気持ちが先走っていた感じですね。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ