【WE INTERVIEW #16】〜有吉佐織選手(大宮アルディージャVENTUS)〜

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【Ⓒ1998 N.O.ARDIJA】

2021年9月、日本初の女子プロサッカーリーグとして『WEリーグ』が開幕。
本企画『WE INTERVIEW』では、Yogibo WEリーグで活躍する選手1名にスポットを当て、キャリアを振り返りながらその人柄にも触れていきます。
3月5日のシーズン再開に向けて、期間限定で毎週月曜〜金曜の朝更新!

先輩が紡いでくれたたくさんの“サッカー”を次代につなぐ

なでしこジャパン黄金期を創った先輩選手を身近に感じながら成長してきた有吉佐織。「これがサッカーだ」と、彼女の心を揺さぶる先には必ずその背を追わずにはいられない偉大な選手たちがいた。33歳を迎えた今、さらなる成長を求めて新規参入である大宮アルディージャVENTUSでのプレーを選んだ。この生まれたてのチームに有吉が全力で伝えようとしていることこそ、日本女子サッカーの神髄なのではないだろうか。

ーー有吉選手は女子サッカーの名門である神村学園中等部の一期生ですよね。
思い返すと、神村学園を選んだことがターニングポイントでした。ここからすべてが変わった。それまで大人と一緒にサッカーをしていた私にとって、同世代の上手い女の子たちと毎日サッカーができることには魅力しかなかった(笑)。ここで過ごした時間で色んなことに感謝できるようになりました。

ーーご自身で考えるベストポジションは?
断然サイドバックです。大学卒業後に日テレ・ベレーザに入ってから本格的に取り組み始めたのですが、練習が難しすぎた!当時は澤穂希さん、近賀ゆかり選手、今はVENTUSのコーチである大野忍さんたちがいて・・・。そこで経験したことは今の私の土台です。性格的にグイグイいけたので、本当に色んなことを聞きに行っていました。当時の自分が理解できていたとは思えませんけど(笑)

ーーなでしこジャパンで一番印象に残っている大会は?
やっぱり2015年のワールドカップです。正直言って私があそこまでのメンバーと一緒にプレーできることは想像していませんでした。

ーー前回大会(ドイツ)で日本は優勝していて、翌年にロンドンオリンピックで銀メダルを獲得。注目される中で、有吉選手はまさに覚醒した印象でした。
誤解を恐れずに言うと、あの大会は代表の試合で初めて楽しいと思えた試合でした。背負っているものやプレッシャーも凄かった。そんな中で自分のプレーも含めて楽しめるサッカーができました。

ーーVENTUSは若い選手も多く、ここから一緒に乗り越えていくことも出てきます。あの大会を経験した有吉選手が伝えられることはたくさんありそうですね。
あの頃の代表はそのサッカーにフォーカスされがちだけど、自分が身を持って経験したのは試合に出られない選手がチームのために動いてくれて、それがチームの支えになって、一つになったこと。試合に出ている選手はピッチで表現する責任がある。でもチームって、サッカーってそれだけじゃないことを実感しました。そこは伝えていきたいです。

ーーゼロから立ち上げるチームは大変なことも多い。そこを魅力と捉えることができるのはなぜでしょうか?
これまで在籍してきたところでもチーム作りは大変でしたけど、それで私も成長できた。VENTUSでまたそういう経験をすることで刺激になるし、私もチームと一緒に成長したいです。この年になっても誰よりも成長したいと思っています!

ーー先日、初めてのホームゲームは2,800人以上の観客が入りました。
めちゃくちゃ感激しました。コロナ禍で難しい状況でもあったし、どれだけVENTUSというチームを知ってもらっているのか不安もあった。でもすごくたくさんの人が見に来てくれていて、後半の追い上げは絶対にサポーターの後押しがあったから。最後に挨拶するときも、温かい拍手をもらえて選手としてすごく幸せだと思えました。

ーー今年の私は〇〇が違う!というものを教えてください。
キャプテンとしての心意気が違います!実は人生初のキャプテンです。私の中での“キャプテン像”は、「宮間あや」(2015年時のなでしこジャパンキャプテン)なんです。あの人柄とリーダーシップこそがキャプテン。私には無理だと思い、2回ほど断りました(笑)。だけど岡本武行監督が「有吉のままでいい」と言ってくれて、もう二度とないかもしれないし、リーダーが頼りないと周りがしっかりするという話もあるので(笑)、引き受けました。

ーーWEリーグ一番の〇〇になるというのは何があてはまりそうですか?
一番愛されるチームになりたいです! VENTUSって良いチームだね、なんか応援したくなるよねって言ってもらえるチームを作っていきたいです。素晴らしい先輩たちが築いてくれた結果がこのWEリーグという舞台につながっています。私たちはこの舞台に感謝の気持ちを忘れずにプレーします。ぜひファン・サポーターの方々も一緒にWEリーグ、女子サッカーを盛り上げてください。応援よろしくお願いします。

【Ⓒ1998 N.O.ARDIJA】

【プロフィール】
有吉佐織 (ありよし さおり)
1987年11月1日生まれ、佐賀県出身
DF、背番号6
ミルンFC → 神村学園中等部 → 神村学園高等部 → 日本体育大学 → 日テレ・東京ヴェルディベレーザ → 大宮アルディージャVENTUS

※この記事は、WEリーグ公式Webサイト『WE LEAGUE.jp』にて2021年5月26日に掲載した内容を転載しています。
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著者プロフィール

2021年9月に開幕した日本初の女子プロサッカーリーグです。WEリーグは「Women Empowerment League」の略称で、この名称には日本に“女子プロサッカー選手”という職業が確立され、リーグを核に関わるわたしたちみんな(WE)が主人公として活躍する社会を目指す、という思いが込められています。現在12クラブが所属。ホーム&アウェイ方式による総当たりのリーグ戦「2024-25 SOMPO WEリーグ」(2024年9月14日~2025年5月17日)とリーグカップ戦「2024-25 WEリーグ クラシエカップ」(2024年8月31日~12月29日)を開催しています。

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