今年は大荒れの番!? ターコイズSを分析!

JRA-VAN
チーム・協会

【2018/12/15 中山11R ターコイズステークス(G3) 1着 3番 ミスパンテール】

今週は土曜日に中山競馬場でターコイズSが行われる。3歳以上牝馬による芝マイルのハンデ戦で、2015年に重賞に昇格し、17年からはG3に格付けされた。いつものように過去のデータからレース傾向を分析したい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

ターコイズSの上位馬一覧

■表1 【ターコイズSの上位馬一覧】

2015〜16年は格付けなしの重賞。17年以降はG3。

表1は2015年以降のターコイズSで3着以内に好走した馬。15年は11番人気→16番人気→15番人気の順番で決まり、馬連は5万4690円、3連単は295万4680円という大波乱の結果となった。16年は馬連1910円、17年は馬連2570円だったが、18年は5番人気→10番人気→13番人気の順番で決まり、馬連は1万5220円、3連単は69万180円の高配当が出た。19年と20年の馬連は平穏だったので、順番的に「今年は荒れるかもしれない」、と警戒を強めたい。

年齢と斤量に関しては後述するとして、先に種牡馬と母父馬の系統傾向について触れておきたい。特筆すべき点は、毎年1頭母父がロベルト系の馬が3着以内に入っていることだ。母父にシンボリクリスエスを持つシングウィズジョイとミスパンテールとエスポワールが好走。ブライアンズタイムを持つマジックタイム、そしてDynaformerのアンドラステが走った。また、16年3着のカフェブリリアントは父ブライアンズタイムと、とにかくロベルト系の好走馬が目立つ。

また、メイショウサムソン産駒とダイワメジャー産駒が3回馬券に並んでいる。この中にはデンコウアンジュとミスパンテールが2回好走しており、リピーターが強いレースとも言えそうだ。なお、近2年は1着ディープインパクト産駒→2着オルフェーヴル産駒という結果になっている。この流れが今年も続くのか、という点にも注目だ。

ターコイズSの年齢別成績

■表2 【ターコイズSの年齢別成績】

表2はターコイズSの年齢別成績。3歳が4勝を挙げていることもあり、勝率12.5%と目立つ成績だ。ただ、連対率や複勝率は3歳よりも4歳の方が高い。5歳になると連対率や複勝率が大きく下がり、6歳はハッキリと苦しくなる。単勝も狙える本命馬を選びたいのであれば3歳、連軸候補ならば3〜4歳という考え方でいいだろう。

ターコイズSの斤量別成績

■表3 【ターコイズSの斤量別成績】

表3はターコイズSの斤量別成績。56キロ、54キロ、53キロがそれぞれ2勝を挙げている。特に56キロは勝率と連対率が28.6%と高く、複勝率は42.9%とかなり優秀だ。牡馬・セン馬の換算だと58キロにあたる厳しい斤量だが、それだけ実力がある馬なので有力、と前向きに考えた方が良さそうだ。54キロと53キロの差はほとんどない印象。一方、55キロは連対がなく、3着が3回だけで不振傾向。52キロも3着が1回あるだけ。51キロ以下も好走例がなく、ハンデが軽すぎるのは良くない

ターコイズSで好走した3歳馬

■表4 【ターコイズSで好走した3歳馬】

表4はターコイズで好走した3歳馬の一覧(7頭)。これらの前走をチェックすると、秋華賞以外であれば3勝クラス以上の芝1400〜1800mで3着以内に好走していることが望ましい。秋華賞組は10着以下に敗退していても心配する必要はない。ただし、それ以前に重賞で好走した実績は必要だ。15年1着シングウィズジョイはフローラS、19年1着コントラチェックはフラワーCで1着の実績があった。20年1着スマイルカナや19年3着シゲルピンクダイヤは桜花賞で3着以内に入った馬。その他の馬にはチューリップ賞やフィリーズレビューでの好走実績があった。なお、19年2着エスポワールは2走前の秋華賞(9着)が重賞初挑戦だった。

ターコイズSで好走した4歳以上の馬

■表5 【ターコイズSで好走した4歳以上の馬】

続いて表5はターコイズSで好走した4歳以上の馬たち(11頭)。前走レースは3勝クラスをはじめオープン特別、G3、G2、G1と多彩で、ダート重賞のJBCレディスクラシックだった馬もいる。前走着順もエリザベス女王杯のようなG1であれば二けた着順でも気にする必要はない。ただし、過去の重賞実績は必要。具体的には同じ年に芝の重賞で3着以内に入っているかどうかをチェックしたい。15年の2着ダンスアミーガ、3着オツウ以外の9頭にはそれなりの実績があった。18年1着ミスパンテールや20年3着フェアリーポルカは古馬牝馬限定重賞を2勝していた。また、16年1着マジックタイムや3着カフェブリリアントは中山芝1600mの重賞で連対していた。基本的にはシンプルにマイル前後の重賞で好走実績がある馬を狙いたいレースだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

【JRA公式データ配信サービス】のJRA-VANは、PCやモバイルに向けて競馬予想に役立つデータや情報を提供しております。 重賞レースなどのオフィシャルコラムや、海外競馬情報、JRA-VANのイベント情報、お得なキャンペーンなど、あなたの競馬ライフを豊かにする情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント