【情報共有】熊本県フットボールセンター建設プロジェクト情報交換会(第2回)〜施設計画〜
【©Kumamoto Football Association】
東亜道路工業九州支部技術部長 樫野 誠氏
今回、アイリスオーヤマと共同で本プロジェクトに参加させていただきます。フィールド整備を東亜道路工業が担当し、人工芝と照明部分についてはアイリスオーヤマが担当します。
弊社は、社名の通り道路舗装技術を生業としていますが、それをスポーツフィールドにも展開し、約60年にわたってスポーツ施設分野での施工実績を積み上げてきました。長年培ってきたさまざまなノウハウを、今回のプロジェクトでも最大限提供させていただきたいと考えております。
パートナーを組むアイリスオーヤマは、メーカーベンダーとして全国の販売ネットワークを最大限に活用し、ユーザー目線でどんどん新商品を開発されている会社です。近年、スポーツ施設向けの製品ラインナップも充実していて、今回のプロジェクトにおいても、サッカーのプレー環境に配慮しながらより良い製品をご提供いただいています。こうした2社がタッグを組むことで、今回のプロジェクトがより良いものになるよう施設面から支えていきたいと考えております。
続きまして、当社の実績についてご紹介させていただきます。本プロジェクトのような全国各地のフットボールセンターでの施工実績があります。各世代のトップチームが利用している千葉県幕張の「高円宮記念JFA夢フィールド」をはじめ、先日完成したばかりの「愛知県フットボールセンター知多」など、各地の施設で東亜道路工業の技術が活用されています。
また、フットボールセンターのような大規模施設だけでなく、屋内のフットサルコートやサッカー場のアップスペース、さらに保育園の園庭など、中小規模なものまで、それぞれの条件に合わせた設計、提案、施工そしてアフターフォローまで、一貫して対応させていただいております。
東亜道路・アイリスの強み 【©Kumamoto Football Association】
まず、フィールドの現状ですが、現在は全体の土工事、また一部弊社が先行して取り掛かっている排水工事などが進行している状況でございます。プロジェクト全体の中で、弊社が関わっているのはサッカーフィールドの部分で、下地舗装を含めた人工芝の工事及び排水施設工事、防球ネット工事、照明施設工事と4つの部分を担当しています。加えて、駐車場の舗装と排水施設も弊社が施工を行う予定です。
詳細の説明に入る前に、改修提案させていただいた内容について簡単にご説明いたします。フィールド部分は現在、土工事が進んでいますが、その土の上に砕石といわれる砂利のようなもの敷き、アスファルト舗装を行います。そうして基盤をしっかりと整備した上にロングパイル人工芝を施工していきます。人工芝は、ベースになっている布状のシートにパイルと呼ばれるものが縫い込んであり、その空隙の部分をゴムチップや珪砂で充填して固定させます。
今回使用するロングパイル人工芝は、アイリスオーヤマのジオターフシリーズの中でも最高グレードのBS350を使用します。これは、JFAだけでなくFIFAの公認も受けている世界的にも認められた非常に素晴らしい人工芝です。芝が寝ないように、かつ選手が柔軟なサーフェイスでプレー出来るようにバランスを追求したものになっています。室内試験レベルでは、5年間使用しても性能低下は確認されないことが実証されており、長期的に過酷な使用が続いても安定的な利用が可能な人工芝です。
また、熊本県フットボールセンターの特長として、ユース年代をはじめ多世代での利用に注力するとのことですので、夏場の暑さ対策も非常に重要になってきます。今回使用する人工芝は、一般的な人工芝に比べて10℃程度温度が低減することが確認されています。それに加えて、一般的な人工芝に比べて芝の照り返しを60%程度に抑えることもでき、子どもたちに快適なプレー環境を提供できると考えています。
さらに、施設オープン後のメンテナンスについても説明致します。アイリスオーヤマでは、人工芝メンテナンス用の機械に加え、JFA公認ピッチでも使用するフィールドテスト用の機械も所有しています。これらを用いて定期的にフィールドのチェックをすることで適切なメンテナンスを提案することが可能となり、引いては長期にわたって良好なフィールド状態を維持することが出来ます。
フィールドの完成イメージ・工事内容 【©Kumamoto Football Association】
改修提案の概要 【©Kumamoto Football Association】
人工芝について 【©Kumamoto Football Association】
次に、雨水排水についてです。近年、ゲリラ豪雨対策などの観点から雨水排水は、さまざまな施設建設の際に非常に重要なポイントになっています。雨水排水には、表面の処理と地下に浸透させるという2つの方向があります。表面排水は、適正な舗装勾配を確保し、グラウンドの外周に施工する排水施設で処理します。地中に浸透した雨水は、舗装を通じて地中に浸透していきますが、出来るだけ早く処理をするために、舗装の下に暗渠排水施設を設置します。これを適正な配置で施工することで、速やかな排水を実現します。
最後に付帯施設についてです。各フィールド5基、計10基のアイリスオーヤマ製LED照明を設置します。今回適用する照明は非常に大光量な仕様になっているものの、業界最大効率を実現しています。他社製品に比べて発光効率が約130%程度で、運用コストや維持管理の面で非常に優れた照明です。もう一つ大きな特長として、設計から施工、アフターサービスまでをアイリスオーヤマが一貫してサポートするという体制を敷いているので、ぜひ安心していただければと思います。
照明の明るさについても説明をしておきます。照明の明るさは、競技区分によってJIS規格が設けられています。今回は、これに加えてプレーのしやすさや周辺への光の漏れなどの影響を総合的に判断し、200Lx(ルクス)に設定しました。シミュレーションの結果からも、グラウンドの間の中央通路は別として、どちらのフィールドもプレー環境に偏りなく均等な明るさが保たれていることが確認されています。なお、この200Lxは、JFAの助成事業の基準もクリアしています。
基盤の構造について 【©Kumamoto Football Association】
下地舗装の施工について 【©Kumamoto Football Association】
排水の考え方について 【©Kumamoto Football Association】
照明について 【©Kumamoto Football Association】
問合せ先 【©Kumamoto Football Association】
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ