【サーフィン】若手の活躍が目立った国内プロツアー「JPSA」2021年シーズンを振り返る
【JPSA】
ショートボードは全5戦の内、第2戦の新島戦が緊急事態宣言下で中止になり、全4戦に変更。
ロングボードは全5戦がスケジュール通り行われました。
なお、全イベントで感染症対策を万全にして無観客での開催。
ABEMA TVでライブ中継が配信されていました。
ショートボード開幕戦『さわかみチャレンジシリーズ一宮プロ』
一宮での開幕戦で優勝した脇田紗良 【JPSA】
ショート・ロング併催の『さわかみチャレンジシリーズ一宮プロ』は春らしい不安定な風により、難しいコンディションでの勝負を強いられていました。
男子は地元の稲葉玲王、ハワイに拠点を持つ脇田泰地がファイナリストに選ばれ、稲葉玲王が逆転勝利。
弟のような存在だと話していた脇田泰地とのファイナルを制してJPSA初優勝を決めていました。
女子は脇田泰地の妹、脇田紗良と川合美乃里とのファイナル。
終了間際に逆転した脇田紗良が優勝を決め、開幕戦は終了しました。
『第25回 茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』
茨城でJPSA初優勝を決めた安室丈 【JPSA】
9月に『第25回 茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』が行われ、低気圧からのウネリや風波で頭前後の十分なサイズがあり、茨城らしいダイナミックな大会に。
なお、この時期は緊急事態宣言の発令により、茨城を始めとした関東の海は軒並み駐車場が閉鎖されて一般サーファーやプロでも住む環境によっては満足にサーフィン出来ない状況でした。
男子は徳島出身の安室丈と西優司がファイナルに残り、ヒートは中盤にミドルスコアを重ねた安室丈が主導権を握り、最後には際どいセクションでのリップから難しいクローズセクションを上手くメイクしてハイスコアを出して圧勝。
河村海沙のコーチの元で嬉しいJPSA初優勝。
ランキングでもトップに立っていました。
女子は2019年のグランドチャンピオン、須田那月とトライアルから勝ち上がってきた15歳の松岡亜音がファイナリスト。
難しいコンディションながら序盤からスコアを重ねた松岡亜音が優勝。
女子でトライアルから優勝したのは2013年の田代凪沙以来。この松岡亜音がのちに今年の鍵となる選手になりました。
茨城ではトライアルから勝ち上がってきた松岡亜音が優勝 【JPSA】
『ムラサキ 鴨川オープン』
鴨川を制した川合美乃里 【JPSA】
そして迎えた10月の第3戦目『ムラサキ 鴨川オープン by 秀吉内装』はカレントリーダーが入れ替わり、ランキングにも変動があったイベントでした。
会場となった千葉県鴨川市のマルキはイベントの前半がウネリのピークとなり、後半にかけてサイズダウン傾向。
特に最終日は潮が引かないと割れないほどのスモールコンディションでした。
男子はランキング2位の西慶司郎、伊東李安琉がファイナリスト。
序盤からスコアを重ねて主導権を握った伊東李安琉が追い上げてきた西慶司郎をかわしてJPSA初優勝。
タイトル争いでは安室丈がQFでの西慶司郎との直接対決に敗れてしまい、西慶司郎がトップの座に躍り出ることになりました。
女子はカレントリーダーの脇田紗良がポルトガル、フランスで開催中のCTのステップとなるCS(チャレンジャー・シリーズ)参加のために欠場の中、ランキング2位の川合美乃里がファイナルで中塩佳那と戦い、2019年最終戦一宮プロ以来の優勝。
脇田紗良を追い抜き、カレントリーダーの座を手に入れることに成功しました。
伊東李安琉 【JPSA】
『さわかみチャレンジシリーズ ALL JAPAN 田原プロ』
脇田泰地 【JPSA】
毎年台風シーズンに開催されてきた田原戦ですが、今シーズンはすでに台風シーズンを過ぎてしまい、イベント期間中は冬型の気圧配置により吹き続いた北よりの風でクリーンながらスモールコンディション。
注目のタイトル争いはランキング3位の伊東李安琉がフランスで開催された『QUIKSILVER YOUNG GUNS』出場直後で自己隔離中のために欠場。
実質、カレントリーダーの西慶司郎と2位の安室丈の争いでしたが、R2で安室丈がまさかの敗退を喫してしまい、他選手のポイントを考慮して自力でのタイトルの条件だったSF進出をクリアした時点で西慶司郎の初のJPSAタイトルが確定しました。
西慶司郎は田中大貴とのSFも制してファイナルに進出。
対戦相手は開幕戦で優勝を逃した脇田泰地。
グーフィーフッター同士のカードは両者共に序盤に7ポイント台を出すものの、中盤に脇田泰地がパワフルなバックハンドで今大会唯一の9ポイントを出して差を広げます。
後半、ニード8.34のシチュエーションに追い込まれた西慶司郎。プライオリティは脇田泰地。西慶司郎がポテンシャルのあるレフトを見つけましたが、脇田泰地が上手くブロックする形でテイクオフ。西慶司郎にインターフェアがコールされ、優勝は脇田泰地のものになりました。
初のJPSAタイトルを獲得した西慶司郎 【JPSA】
ランキング2位の須田那月、3位の松岡亜音にチャンスが巡り、須田那月はファイナルまで進み、松岡亜音はSF敗退の3位。
この時点で須田那月は優勝すればタイトル獲得。
2位の場合は松岡亜音がルーキーイヤーにしてグランドチャンピオンというシチュエーションでした。
そして、須田那月の対戦相手はローカルで2019年に一気に台頭して須田那月とタイトルを争った強豪の都築虹帆。
ファイナルで強かったのはローカルナレッジを活かした都築虹帆。
序盤に6.67をスコアすると4.33のバックアップスコアを重ねて主導権を握ります。
5.17を返した須田那月でしたが、都築虹帆は6.60とバックアップを伸ばしてトータル13.27pt。
後半の須田那月の追い上げをかわしてJPSA初優勝を決め、タイトルは松岡亜音に決定しました。
最終戦を制した都築虹帆 【JPSA】
松岡亜音はルーキーイヤーにグランドチャンピオンのタイトルを獲得する偉業を達成 【JPSA】
『さわかみチャレンジシリーズ ALL JAPAN 田原プロ』結果
男子
1位 脇田泰地
2位 西慶司郎
3位 辻裕次郎、田中大貴
女子
1位 都築虹帆
2位 須田那月
3位 松岡亜音、高橋みなと
JPSA 2021年ショートボード グランドチャンピオン
男子 西慶司郎
女子 松岡亜音
2021年さわかみチャレンジシリーズ チャンピオン
男子 西慶司郎
女子 都築虹帆
JPSA 2021年ショートボード ルーキーオブザイヤー
男子 齋藤昇吾
女子 松岡亜音
ロングボードは塚本将也と田岡なつみがタイトル獲得
田岡なつみのソウルアーチ 【JPSA】
そして、伊良湖での最終戦もタイトルを争った吉川広夏を抑えて優勝。
出場した全てのイベントで優勝するパーフェクトゲームを成し遂げ、2017年、2018年に引き続き、3度目のタイトルを獲得しました。
男子は第4戦まで全てのイベントで勝者が変わり、茅ヶ崎での第4戦『クリオマンション 茅ヶ崎ロングボードプロ』を終了した時点でカレントリーダーだった堀井哲、千倉での第3戦で優勝した塚本将也、一宮での開幕戦で優勝した井上鷹が最終戦でタイトルを争うことに。
茅ヶ崎の第4戦で多くのロガーを唸らせた浜瀬海も最終戦にスポット参戦して注目されていました。
最終戦はR2でカレントリーダーの堀井晢が敗退する波乱含みの序盤になりましたが、多くの強豪が残り、ファイナリストは塚本将也、井上鷹、ベテランの尾頭信広、ダークホースの岡部祐司。
ファイナルは塚本将也、井上鷹のトップ争いとなり、トータル12.53ptを出した塚本将也が優勝。
初のJPSAグランドチャンピオンの座を手に入れることに成功しました。
塚本将也 【JPSA】
『さわかみチャレンジシリーズ ALL JAPAN 田原プロ』結果
男子
1位 塚本将也
2位 井上鷹
3位 岡部祐司
4位 尾頭信広
女子
1位 田岡なつみ
2位 吉川広夏
3位 岡村頼子
4位 井上楓
JPSA 2021年ロングボード グランドチャンピオン
男子 塚本将也
女子 田岡なつみ
2021年さわかみチャレンジシリーズ チャンピオン
男子 塚本将也
女子 田岡なつみ
JPSA 2021年ロングボード ルーキーオブザイヤー
男子 菊池里騎
女子 井上楓
今年はコロナ禍でイベント数を減らしての開催でしたが、初優勝、初タイトルの選手が多く、新鮮なシーズンでした。
ABEMA TVでライブ中継も安定して楽しめる内容でした。
来年は観客を入れて開催できるようになることを願っています!
JPSA公式サイト:http://www.jpsa.com/
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