アルビレックス新潟による新たな「キャリア教育」のカタチ

アルビレックス新潟
チーム・協会

【©ALBIREX NIIGATA】

新たなコミュニケーションツールの活躍

アルビレックス新潟では、ホームタウン活動の一環として、学校訪問を通じて子どもたちと交流する機会を多くつくってきました。2019年には、新潟市内を中心に年間37回実施。選手との交流を通じて、将来の目標について考えるきっかけをつくり、夢に向かって努力することの大切さを選手自身の言葉で、児童・生徒の皆さんにお伝えしてきました。

ウイルス禍に見舞われている現在、面と向かってコミュニケーションを取ったり、スポーツを通じてふれ合ったりする機会をつくることは、難しい状況にあります。そこで活躍しているのは、ビデオ通話アプリ”Zoom”。オンライン上でコミュニケーションを図ることができるため、仕事や学業だけでなく、プライベートでも利用されている方も多いのではないでしょうか。

移動時間約2時間―上越市立大瀁小学校での実施

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アルビレックス新潟は、2019年7月に県内全30市町村にホームタウンを広域化し、今シーズンより各市町村の魅力を広く発信するために、新たな取り組みとして「ご当地応援選手」をスタートしました。ホームタウン30市町村の魅力を広く発信し、地域に愛されるクラブ、チーム、選手を目指すことを目的にしたものです。

3月16日、上越エリア(上越市、糸魚川市、妙高市)のエリアリーダー千葉和彦選手による上越市立大瀁小学校でのキャリア教育の授業が、今年第1回目の実施。選手たちがトレーニングを行う聖籠町のクラブハウスから、上越市までの移動距離は約2時間。トレーニング後、治療・ケアや食事を終えるのは13時過ぎになりますが、Zoomであれば、どこからでも交流することができます。
卒業を控えた6年生に対し、プロサッカー選手になったきっかけや、どのようにその道を切り拓いたのか。千葉選手から卒業式を前にした6年生に対し、「夢をかなえるために必要なのは、常に毎日考えること。夢を叶えるために何が必要か、考えて実行に移す。それが夢に近づくための最大の方法だし、自分の武器を伸ばす努力を続けていれば、夢がついてくるよ」とメッセージが送られていました。

1学年17名―加茂市立須田中学校での実施

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9月15日、加茂市立須田中学校の2年生17名と向かい合ったのは、県央エリア(三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村)担当の田上大地選手。
全校生徒数50名弱の須田中学校では、「外部とのつながりが少ない」という課題がありました。新型ウイルス禍で職場体験学習を実施できないぶん、アルビレックス新潟の選手との交流を通じて、生徒の皆さんの知見を広げたいという想いから企画されました。
一つひとつの質問に対し、真摯に答えていた田上選手。その数は18問。ここでは、一つのやり取りを紹介します。

(生徒)人生において、一番大切なことは何だと思いますか?
(田上選手)深いなぁ。何だろうな・・・自分ひとりではできることが狭くなるし、日々生活するうえで仲間や人に支えられて、僕は何不自由なくやれています。楽しいときだけでなく、辛いときも仲間がいるから乗り越えられるし、全部を共有するから、いいことがあります。『周りの人を大切にする』ことが大切だと思います。

選手自身の経験の場に―新潟市立新関小学校での実施

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10月19日、新潟市立新関小学校の6年生11名を対象に授業を行ったのは、新潟・佐渡エリア(新潟市、佐渡市)担当の鈴木孝司選手。プロサッカー選手として10年目のキャリアを迎える鈴木選手は、授業形式で子どもたちを前にお話するのは初めての経験でした。
壁にぶつかった経験として、FC町田ゼルビアでプレーしていた際に経験した左アキレス腱損傷と断裂について紹介した鈴木選手。「自分が絶好調のときにサッカーができないのは苦しかったです。今、サッカーができているのは、たくさんの人が僕のために時間を使ってくれたから。ケガの経験で、『自分ひとりでサッカーができているわけではない』と気づくことができました」と丁寧に話していました。

こーじ先生に聞いてみよう!〜FW鈴木孝司選手が子どもたちに語る〜

新関小学校での授業は、学校にもご理解をいただき、レコーディングしてアルビレックス新潟公式YouTubeで公開しています。ピッチ上で熱く、激しく戦うプロサッカー選手が、子どもたちとどのように向き合い、言葉をかけているのか。ぜひその様子をご覧ください。

ホームタウン「新潟」に貢献していく

Zoomをはじめとする新たな手法を取り入れたことによって、新潟県内各地の子どもたちと交流する機会を設けることができるのは、新たな発見でした。
アルビレックス新潟は、「人づくり」「まちづくり」「豊かなスポーツ文化の創造」をクラブコンセプトに掲げています。選手によるキャリア教育の授業の参加・協力は、「人づくり」に結びつくもの。アルビレックス新潟が活動させていただいているホームタウン「新潟」の「まちづくり」に少しずつでも貢献していくことを通じ、「豊かなスポーツ文化の創造」につなげていけるよう、これからも活動してまいります。
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著者プロフィール

アルビレックス新潟は新潟県をホームタウンとするJリーグクラブ。1996年に創設し、地域リーグやJFLでの戦いを経て、1999年にJリーグに加盟。2003年J2リーグ優勝。04年から17年までの14シーズンに渡りJ1リーグを舞台に戦ったが、同年にJ2へ降格した。20年からはスペイン人のアルベルト監督が指揮を執り、攻撃的で魅力的なサッカーを展開。過去にJリーグの最多入場数の記録を更新したほどの熱いサポーターとともに、再びJ1の舞台を目指して挑戦を続けている。ホームスタジアムはデンカビッグスワンスタジアム。

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