【サーフィン】五十嵐カノアも出場!WSLチャレンジャーシリーズはヨーロッパレッグに突入

チーム・協会

【© WSL/Poullenot】

今シーズンからCTのステップとなるチャレンジャーシリーズ、通称CSは全4戦。

すでにカリフォルニアのハンティントンビーチの『US Open of Surfing』が終了。

10月はポルトガル、フランスのヨーロッパレッグ。
11月〜12月に最終戦がオアフ島・ノースショアのサンセットビーチで開催される。

ポルトガル戦『MEO Vissla Pro Ericeira』は、10月3日に開幕。初日には、大原洋人がイタロ・フェレイラを相手にハイエストヒートスコアとなる15.63を出し1位通過。五十嵐カノアも順調に次ラウンドへ駒を進めた。

一方、村上舜、稲葉玲王、西修司の3名は残念ながらファーストヒートで敗退した。

『US Open of Surfing』の勝者 【PHOTO: © WSL/Morris】

CSのフォーマット

CSは男子96名、女子64名の選手で構成され、主にリクオリファイを逃したCT選手やリージョン毎のQS上位選手が2022年のCTクオリファイを賭けて争う。

カリフォルニア、ポルトガル、フランス、ハワイの4戦中上位3イベントのポイント。
その他に2020年のQSイベントの最上位イベントのポイントをカウントしてランキングが決定する。
メンズは上位12名、ウィメンズは上位6名が2022年のCTクオリファイの条件だ。

Ribeira D'Ilhas 【PHOTO: © WSL/Pedro Mestre】

ポルトガルはヨーロッパ有数のライトが舞台

ポルトガル、フランスと続くヨーロッパレッグ。

ポルトガルは10月2日〜10日に開催される『MEO Vissla Pro Ericeira』
舞台となるエリセイラは首都リスボンから北西に約45km、僅か12平方キロメートルの小さな村にビギナーからエキスパートまで楽しめるブレイクがあり、サーフコミュニティも存在。
ヨーロッパ大陸で唯一、世界サーフィン保護区に指定されている。

今回のCSの会場である「Ribeira DIlhas」はヨーロッパ有数のライトのリーフブレイクで、アウトはリッパブルなロングウォール、危険なインサイドボウルとセクションが分かれる。

北大西洋に面するポルトガルの西海岸のベストシーズンは9月〜11月。
周期の長いクラシックなウネリが入りやすく、水温もまだ冷たくない絶好の時期だ。

ヨーロッパのサーフィンの歴史は古く、バスク地方、フランス南西部が中心地。
ヨーロッパ大陸の端にあるポルトガルがサーフィンのメッカとして世界的に知られるようになったのはこの10年〜20年。
ペニシェ、ナザレ、カスカイスなどがWSLイベントで使用され、ナザレを中心に巨大な波が割れると有名になった。

ポルトガル戦出場選手

フレデリコ・モライス 【PHOTO: © WSL/Poullenot】

『MEO Vissla Pro Ericeira』にはリージョン毎のQS上位選手に加え、『US Open of Surfing』で3位になった五十嵐カノアを始め、東京オリンピックサーフィン競技で金メダルを獲得したブラジルのイタロ・フェレイラ。
ポルトガルを代表するCT選手、フレデリコ・モライスが出場。

開幕初日の10月3日に、大原洋人がイタロ・フェレイラを相手にハイエストヒートスコアとなる15.63を出し1位通過。五十嵐カノアも順調に次ラウンドへ駒を進めた。一方、村上舜、稲葉玲王、西修司の3名は残念ながらファーストヒートで敗退。

このあと開始するウィメンズでは、2021年のCTでリクオリファイを逃したキーリー・アンドリュー(AUS)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、メイシー・キャラハン(AUS)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)がトップシードとして出場する。
アジアリージョナルからは都筑有夢路、野中美波、松田詩野、黒川日菜子、前田マヒナ、脇田紗良が出場予定。

フランスは極上のビーチブレイクが舞台

【PHOTO: © WSL/Masurel】

ポルトガルでのイベント終了後、選手はすぐにフランスに移動。
10月16日〜24日にCS第3戦『Quiksilver Pro France』&『ROXY Pro France』が開催される。

舞台はフランス南西部・ヌーベル・アキテーヌ地方に位置するランド。
カプブレトン、セニョス、ホセゴーの3つの海辺の町に跨るビーチブレイクが会場になる。

ベストシーズンは秋から冬。

ここは2002年から2019年まで毎年CTでも使用されていた世界有数のビーチブレイクで、一見、単調に見えるものの、上質のサンドバーが形成されて信じられないようなバレルが姿を現す。
驚くことに10ftクラスのウネリでもホールドするのだ。
一方で潮回りと風でコンディションが急変することが多く、CTでも非常に難しい舞台として知られていた。

ランドのパーフェクトなビーチブレイクはジャスティン・デュポン、ポーリン・アドゥ、ジョアン・ドゥルーのような優れたサーファーを輩出。
2019年のCTではジェレミー・フローレスがフランス人として初めて自国のイベントで優勝していた。

ジェレミー・フローレス 【PHOTO: © WSL/Poullenot】

フランス戦出場選手

『Quiksilver Pro France』&『ROXY Pro France』はリージョン毎のQS上位選手に加え、五十嵐カノア、フレデリコ・モライス、ブラジルのヤゴ・ドラ、ウィメンズではタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ジョアン・ディファイ(FRA)、キャロライン・マークス(USA)、キーリー・アンドリュー(AUS)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)が出場を予定している。

なお、オーストラリア・ロットネスと島でのCT第5戦『リップカール ロットネスト サーチ』で足首を負傷したイタリアのレオナルド・フィオラヴァンティは2020年シーズンに向けて手術をするためにCSのヨーロッパレッグの出場を辞退すると公表した。

「手術をせずにリハビリだけで復帰する努力をしたけど、100%の状態で復帰するためには医療チームから手術を受けた方が良いと言われたんだ。怪我は最悪だけど、これはゲームの一部であり、より強くなって戻ってくると確信しているよ」
レオナルド・フィオラヴァンティ

レオナルドの2021年シーズンはパイプラインでの開幕戦のサーフオフでCTのワイルドカードを手に入れ、5位と幸先良いスタート。
オーストラリアではロットネスト島で9位。その他、サーフランチで9位、最終戦のメキシコで3位に入り、ランキング13位と初めてリクオリファイ圏内でシーズンを終えた。

10代にイタリアのローマからフランスのホセゴーに移住、更に現在はエリセイラの「Ribeira DIlhas」の側に住んでいるレオナルドにとってCSのヨーロッパレッグは故郷で優勝出来るチャンスだったが、今回は断念することになった。

2015年にパイプラインで2つの椎骨を折った後、2017年にCTに復帰。2019年にはシーズン途中で肩を脱臼して手術をして4ヶ月海から離れた後、復帰後最初のフランス戦でSFに進出していたレオナルド。
2022年1月に開催されるCT開幕戦『Billabong Pro』に向けて回復に専念することになる。

レオナルド・フィオラヴァンティ 【PHOTO: © WSL/Poullenot】

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