早大米式蹴球部・高岡監督「『愚直』体現、日本一に」 アメフト2021シーズン開幕ヘ

チーム・協会

【早大米式蹴球部・高岡勝監督】

「早稲田のアメフトが、文化となる未来へ」

2020年シーズンはアメフト大学日本一を決める「甲子園ボウル」出場を逃した早稲田大学米式蹴球部。「BIG BEARS」の愛称で親しまれる、1934年に創部した日本最古のアメリカンフットボールチームの一つですが、これまで日本一となったことはありません。10月2日に開幕する関東学生アメリカンフットボール連盟の2021年シーズンでは、ユニフォームへのスポンサーロゴの掲示が可能となりました。高岡勝監督(1992年人間科学部卒)は就任5年目。メルセデス・ベンツ日本と住ゴム産業2社から支援いただくことになった記念すべきシーズン開幕に向けて、チーム状況と抱負を語ってもらいました。

2019年の甲子園ボウル 【早大米式蹴球部】

――今年のチームの特徴について教えてください。

部員が毎年200人ほどいるなか、今年の4年生は33人と非常に少ない人数でけん引してくれています。しかも、例年は早大学院や早実出身者が幹部となるメンバー構成ですが、今年のチームは主将・副将全員がほかの高校出身です。これまでとは違った多様性のあるチームになったと思います。

そんな中でも変わらないのは、我々にはスタープレイヤーがいない、ということ。この点は選手たちも自覚していて、スター選手がいないからこそ、一人ひとりがどれだけ自分の役割を果たせるかを主将の永山開一(教育学部4年)を中心に考え、話し合って、できることをやっていくというチームです。その意味で、今年のチームスローガンである「愚直」を体現しているチームだと考えています。

――現在のチームの仕上がり具合は?

去年はコロナ禍の影響で試合数が少なかったので、春のオープン戦では基本プレーの徹底に主眼を置いてやってきました。それでも、我々が「ファンダメンタル」と呼ぶフットボールの基礎的な部分、「当たる」「タックルする」といったことがまだまだできていないのは明らかでした。そこで、大学と保護者の皆様の協力も得て合宿を実施できたのは、自分たちを見つめ直す上でも大きな経験となりました。

メルセデス・ベンツ日本(左胸)と住ゴム産業(右袖)のロゴが入ったユニフォーム 【早大競技スポーツセンター】

――いよいよ始まる新シーズンを前に、BIG BEARSに協賛スポンサーがつきました。その部分で監督自身が思うこと、選手に話していることは?

今回はユニフォームスポンサーとしてメルセデス・ベンツ日本様と住ゴム産業様にスポンサードいただけるということになりました。住ゴム産業様は東伏見グラウンドの人工芝でお世話になっている企業ですし、メルセデス・ベンツ日本様は早慶戦の際に発行するイヤーブックにもご支援いただき、毎年たくさんの企業やOB、そして校友ではない方々からも支えていただいております。

部員には常々、「自分たちだけでフットボールをやっているのではない」ということを話しています。専用グラウンドや恵まれた施設、そして合宿を含めコロナ禍での練習を実施させていただけることもまさにそうです。他大学の監督からお聞きする話と比較しても、早稲田は非常に恵まれているんだよ、ということを部員には伝えています。

また、毎年実施している福島県いわき市でのボランティア活動でも、むしろ我々のほうが歓迎されて支援していただいているなと感じています。こうした人の縁やつながりへの感謝の気持ちを改めて思い出す意味でも、ユニフォームにスポンサーロゴがあることは大変ありがたいことです。

【早大競技スポーツセンター】

――横のつながりだけでなく、大学アメフトのルーツ校としての伝統や歴史があることも早稲田の強みかと思います。その点で選手に話していることはありますか?

我々は立教・明治さんとともにルーツ校でありながら、まだ日本一になったことがありません。私が監督に就任して2回ほど甲子園ボウルに出場させてもらいましたが、やはりチームの文化としてまだまだ誇れるところにまでは至っていないと考えています。

選手には「君たちが早稲田の文化を積み重ねていくんだよ」という話は常々しています。他大学の強豪チームのようなスポーツ推薦制度がない中でも、エリートではない人間一人ひとりが、それぞれの役割を果たすことによって必ず結果は生まれるし、やれることをやっていこうと。その先に、早稲田のアメフトが文化になっていく未来があるのだと思います。

是非、そんな学生たちに注目していただけたらと思います。今年は無観客開催が中心になると思いますが、「イレブンスポーツ」というネット配信では全試合視聴ができる予定です。最後まで諦めない早稲田らしい姿にぜひ、ご声援をお願いします。

【早大競技スポーツセンター】

取材・文:オグマ ナオト(2002年早稲田大学第二文学部卒業)
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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