チーム・協会
【(C)LaLiga】
この夏、ラ・リーガ・サンタンデールの移籍市場はかつてないほど活発に動いた。期限ぎりぎりに実現した駆け込み移籍の数々に加え、既に新チームでデビューを果たし、活躍し始めている新加入選手も多い。全体的に見て、各クラブとも今夏は満足できる選手補強ができたと言えるだろう。
昨季王者のアトレティコ・マドリーはラ・リーガ・サンタンデールで連覇を目指すだけでなく、悲願のチャンピオンズリーグ制覇を本気で狙っている。そのため今夏は積極的に動き、まずアルゼンチンのコパ・アメリカ優勝に欠かせない役割を果たしたロドリゴ・デパウルをウディネーゼから獲得。さらに東京五輪を制したブラジル代表FWマテウス・クーニャを前線に加えた。そして移籍期間の最終日にはクラブ歴代5位の得点記録を持つアントワーヌ・グリーズマンの復帰も実現。史上最強と言えるメンバーを揃えることができた。
グリーズマンは2シーズンのレンタルでアトレティコに復帰
【(C)LaLiga】
スペインフットボール界有数のビッグクラブであるバレンシアは、然るべき地位を取り戻すべく苦心している。新監督にホセ・ボルダラスを招聘した今季、クラブは若いタレントの獲得に努めた。新加入のマルコス・アンドレ、ウーゴ・ドゥロ、オマール・アルデレテ、ジョルジ・ママルダシビリらはみな25歳以下だ。アカデミー出身の有望株も加わった今季のチームは平均年齢25歳。ラ・リーガ・サンタンデールで最も若いメンバー構成となっている。
ボルダラス新監督は若いチームを躍進に導けるか
【(C)LaLiga】
ジョアン・ラポルタ新会長の下、今夏のバルセロナは大きな変換期を迎えた。前線からはリオネル・メッシとグリーズマンが去ったが、新たにリヨンから加わったメンフィス・デパイは早くも攻撃の中心として機能している。第3節までに2ゴールを決めているデパイを中心に、今季は怪我で出遅れているセルヒオ・アグエロ、8月31日に加入が決まったルーク・デヨンクらが新チームの前線を担うことになる。
デパイは3節までに2ゴールを記録。早くも攻撃の中心となりつつある
【(C)LaLiga】
今季のレアル・ソシエダは2人の「アレクサンダー」に注目だ。今夏ラ・レアルは2026年まで契約を延長した得点源のアレクサンデル・イサクに加え、ノルウェー代表FWアレクサンダー・セルロートをライプチヒからレンタルで獲得。いずれもスカンジナビア出身ながら、タイプの異なる2人のストライカーがどのような化学反応を起こすか楽しみだ。
セルロートは2019/20シーズンのトルコリーグ得点王だ
【(C)LaLiga】
ヨーロッパリーグ決勝でマンチェスター・ユナイテッドを破り、クラブ史上初のタイトルを手にした2020/21シーズンはビジャレアルにとって歴史に残る1年となった。今季のチャンピオンズリーグ出場権とそれに伴う増収を得たクラブは、今夏に積極補強を敢行。前線にはオランダ人FWアルノー・ダンジュマ、セネガル代表FWブライ・ディアを獲得し、DFラインにはベティスを退団したアイサ・マンディを補強した。さらにトッテナムからレンタルしていたフアン・フォイスの買い取りオプションも行使し、パウ・トーレスの慰留にも成功。さらなる飛躍に向け、充実の戦力を整えた。
ダンジュマは2ー2で引き分けた第3節アトレティコ戦で初ゴールを記録
【(C)LaLiga】
昨季のラ・リーガ・スマートバンクで共に勝ち点82を積み重ね、自動昇格を果たしたエスパニョールとマジョルカは、今季のラ・リーガ・サンタンデール残留へ向けて効果的な補強を行った。エスパニョールはグラナダの躍進に貢献したMFヤンヘル・エレーラ、セビージャのDFセルジ・ゴメス、ベティスのFWロレン・モロンらを獲得。マジョルカには久保建英、イ・ガンイン、フェル・ニーニョ、ロドリゴ・バタグリア、ジャウメ・コスタ、アンヘル・ロドリゲスらが加わった。一方、昇格プレーオフを勝ち抜いたラージョ・バジェカーノは8月31日にウナイ・ロペスとセルジ・グアルディオラらを獲得している。
ヤンヘルはマンチェスター・シティーからエスパニョールにレンタルで加入
【(C)LaLiga】
ガンインは10歳から在籍したバレンシアを退団し、マジョルカと4年契約を結んだ
【(C)LaLiga】
ウナイ・ロペスはレンタル移籍した2017/18シーズン以来、3年ぶりにラージョに復帰
【(C)LaLiga】
今夏のレアル・マドリーは2選手の獲得にとどまった。1人は移籍市場の開始前に発表したダビ・アラバ。バイエルン・ミュンヘンで一時代を築いた万能DFには、退団したセルヒオ・ラモスの穴埋めが期待されている。もう1人はレンヌから来たエドゥアルド・カマビンガ。次代のフランスを担う期待の18歳は、移籍期間の最終日に獲得が決まった。
今夏のキリアン・エムバペ獲得を断念したレアル・マドリーは、カマビンガを6年契約で獲得
【(C)LaLiga】
今夏のラ・リーガ・サンタンデールはGKの移籍が相次いだ。グラナダからベティスへ移籍したルイ・シウバに加え、マティアス・ディトゥロはセルタ、キコ・カシージャはエルチェ、ママルダシビリはバレンシアで早くも正GKとしてプレーしている。
グラナダの躍進に貢献したルイ・シウバはベティスの新守護神に
【(C)LaLiga】
ジョージア出身の20歳、ママルダシビリは開幕からバレンシアの正GKに定着
【(C)LaLiga】
昨季も終盤戦まで「3強」とタイトルを争ったセビージャだが、今季は本気でリーグ制覇を狙える戦力を揃えてきた。ジュール・クンデを筆頭に主力が軒並み残留した上、マルコ・ディミトロビッチ、ルドビグ・アウグスティンソン、エリック・ラメラ、ゴンサロ・モンティエル、トーマス・ディレイニー、ラファ・ミルらを新たに獲得している。
セビージャはラメラ、ラファ・ミルら新戦力がさっそく活躍
【(C)LaLiga】
エクトル・ベジェリンはバルセロナの下部組織出身でスペイン代表招集経験もあるが、アーセナルでプロになったためラ・リーガ・サンタンデールでプレーしたことがなかった。今夏ベティスにレンタル移籍し、母国でデビューする機会を得た26歳の右サイドバックには、エメルソン・ロイヤルが抜けた穴を埋める活躍が求められる。
ベジェリンは26歳にしてラ・リーガ・サンタンデール初挑戦となる
【(C)REAL BETIS BALOMPIÉ】