なぜ好調の角田裕毅は、またもノーポイントに終わったのか 要因はタイヤ分析力の差?
レース中盤までは完璧な展開だった
もちろん、そんなはずはない。ライバルたちがどんな戦略で戦っているのか。それを知る最良の方法が他チームの無線傍受だからだ。しかし先週末のレーシングブルズのあまりに稚拙なレース戦略を目の当たりにすると、そう思いたくなってしまう。
今季のレーシングブルズは、マシン自体は速い。しかしそれを結果につなぐことができずにいる。開幕戦は角田がフェラーリをも凌ぐ予選5番手タイムを叩き出したが、決勝レースではタイヤ交換のタイミングを遅らせすぎて12位。そして今回の第2戦中国GPも、ノーポイントに終わった。ルーキーのイザック・アジャが7番手、角田も9番手とそろって予選トップ10入りを果たしたにもかかわらず、である。
レースでの角田はスタートで一つ順位を上げ、さらにライバルたちより1~2周早いピットインを敢行。これが功を奏して、前を抑えられていたメルセデスのキミ・アントネッリを先行することに成功した。角田のドライビングはもちろん、チームの戦略もここまでは完璧だった。
周到に考え抜かれたハースのレース戦略
レース後の角田は、「レース中、(1ストップ作戦の可能性を)話し合っていた」と、コメントしている。F1公式サイトではこの時点での角田の無線は公表されていないが、おそらくこの前後にそんなやりとりをしたのだろう。しかしチームは2ストップ作戦を続行し、35周目にピットインした角田は8番手から15番手に後退した。
ところが7番手に上がったオコンは、そのまま走り続けた。実はオコンも角田と同様、ハードタイヤで20周目前後に1分38秒台までペースが落ちていた。しかしその後は1分37秒台を取り戻し、レース終盤には1分36秒台に、そして最終周には1分35秒740の自己ベストを出して7位フィニッシュを飾った。
ハースは新人オリバー・ベアマンに、ハードタイヤでレースをスタートさせていた。2台で戦略を分けると同時に、この週末一度も履く機会がなく、どれほど持つかわからないハードのデータ取りをさせる目論見もあったはずだ。
そして満タンで走り出したベアマンは、26周目にピットインするまで順調にラップタイムを伸ばし続けた。これでハース陣営は、オコンを1ストップで走り切らせる手応えを得たに違いない。