【新日本プロレス】1.4東京ドーム目前! オカダ・カズチカ選手にインタビュー!!

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【新日本プロレスリング株式会社】

いよいよ目前に迫って来た『バルサン Presents WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム』。例年恒例のカウントダウンインタビュー! 

今年の『G1』で、かつて兄弟分だったウィル・オスプレイに裏切られた、東京ドームの舞台でシングル決着戦に挑むオカダ・カズチカにインタビュー! 「IWGPの闘い」発言の真意も直撃!

※インタビュー画像は、新日本プロレス映像班制作VTRより

オスプレイが強くなっていたのもわかってましたし。「あ、この時が来たんだな」というのが一番だったかもしれない

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――さて、オカダ選手。いよいよ東京ドームが近づいてきました。まずは、かつて「弟」と呼んでいたオスプレイ選手に裏切られた、あの10.16両国大会の時はどんな感情がありましたか?

オカダ 「あ、この時が来たんだな」という気持ちはありましたね。ボクのコーナーの反対側に立つという意味では、過去にも『G1』公式戦だったり、いろいろな機会はあったと思うんですけど、シッカリとオスプレイが強くなっていたのもわかってましたし。「あ、この時が来たんだな」というのが一番だったかもしれないですね。

――それは兄として?

オカダ いや、兄としてではないですね。一人のレスラーとして、「あ、この時が来たんだな」と。

――では、そんなに動揺したわけではない?

オカダ いや、メチャメチャ動揺しましたよ。もともとはオスプレイをイギリスから日本に呼んで、リング以外でもいろいろと面倒みて、自分がかわいがってきた部分はあったんで。やっぱり、ちょっとさみしい部分は……かなりありましたね。

――率直に、裏切られた怒りはありました?

オカダ いや、裏切られた時は、怒りというのはなかったですね。本当に「なんで?」っていう感情の方が大きかったですかね。そのあと冷静になって、「こういう時が来たのか」と思って……。ただ、そこから11月の大阪でもマイクでさんざん言われましたから、「生意気なこと言ってるな」と。

――オカダ選手は、ジェイ選手しかり、今回のオスプレイ選手しかり、裏切られることが多いですよね。そういう選手たちって“裏切ったかい”があったと思いますか?

オカダ まあ、“裏切ったかい”はあったんじゃないですかね。とくにジェイはそうですよね。プロレスって、その時の勢いというのがあると思うんです。ただ、コッチは複雑ではありますけど。とくにジェイの時なんて、東京ドームで負けて向こうの勢いを増してしまったんで。いちレスラーとしては悔しいところではありますね。

――オカダ選手という存在は、多くのレスラーにとって、それだけ利用価値があるように思えると言うか。

オカダ 正直、裏切りがなくてもオカダ・カズチカというのは、それだけの存在感があると思いますし、それこそボクを倒したからポンポンと上がって行く人もいると思いますし。自分でも、それだけの存在なのかと思いますね。オカダ・カズチカが。

――そこは、自分でもいたしかたないというか。

オカダ そうですね。まあ、ボクですもんね。ホントに実力と言う意味でも、世間に響くという意味でも、やっぱりレスラーにとって、オカダ・カズチカを倒すというのは大きいことなんじゃないかなと思いますね。

勢いって出そうと思っても出せるもんじゃない。本当にノッてないと出せないと思いますし。今回は、その流れを作る闘いになるのかなと思いますね。

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――そんな中で、今回のオスプレイ選手はどうなると思いますか?

オカダ ボクは「利用できるもんなら、ドンドン利用すればいい」と思ってますけどね。ボクを裏切って上に行けると思ってるなら、それはそれでいいんじゃないかなと。ただ、「オカダがいたから、CHAOSではトップになれなかった」というオスプレイの発言も聞きましたけど、べつにCHAOSを抜けたところでオカダはいますし、そんな言い訳をせず、実力でオカダの上を行けるようにがんばったらいいんじゃないかなとは思いますけど。

――ただし、オカダ選手も当然、そうはさせないようにする?

オカダ そうですね。2020年があまりいい結果が残せなかった年だったので、2021年からまたボコンといけるような大事な一発目なので、ボクも負けられないですよね。

――2020年は、決勝戦とか優勝決定戦で惜しくも負けてしまうことが多かったオカダ選手ですが、ご自身で反省点などはありますか?

オカダ まあ……、なんですかね。ボクもわかんないですよね。ただ、『NEW JAPAN CUP』にしたって、EVILがBULLET CLUBに入った勢いもあったと思いますし、NEVER6人タッグ王座決定トーナメントにしたってCHAOS対決でしたけど、あの試合こそYOSHI-HASHIさんの勢いがあったと思いますし。そういう意味でも“勢い”という部分が足りないのかなと。少し落ち着いてしまったというか。それこそ勢いって出そうと思っても出せるもんじゃないですよね。本当にノッてないと出せないと思いますし。今回は、その流れを作る闘いになるのかなと思いますね。

――オカダ選手自身、今回はいい流れや弾みをつける闘いにしたいと。

オカダ この流れに乗って、世界中を元気にしたいというか。こういう落ちた状況を、ですね。もっと「わっ! スゲーな」と思えるようにしていきたい。なんならボク、2020年が元気がなくなったのもボクが活躍できなかったからじゃないかと思ってるんで(笑)。

――なるほど(笑)。

オカダ やっぱり、ボクが活躍しないと世界も元気にならないと思いますし。そういうみんなに元気を与えられるような流れをボクの闘いから、作っていきたいなと。

――オカダ選手がチャンピオンになれば、世界にも平和が訪れるというか。

オカダ そう、ですね。ハイ。と、ボクは思ってます(笑)。

「最近、新日本プロレスおもしろくないな」という人たち、離れかけてしまった人たちをシッカリとボクの闘いで戻したいなと思ったんですね

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――オスプレイ選手からは、「東京ドームで、オカダのキャリアを終わらせる」など、いろいろ辛辣発言がありましたけど、ああいう発言を聞いていかがですか。

オカダ まあ、ボクも散々、先輩に対していろいろなこと言ってきましたから、因果応報かなと(苦笑)。まあ、それぐらい言って、その言ったことを実現させようと、オスプレイもそのぐらいの勢いで来るわけですから、それをボクが叩き潰して更生させたいなと。逆にそれで負けたらオスプレイもリスクがあるわけですから、できなかったら「うわ、ダサッ!」となるわけじゃないですか。ボクはどんなことを言われても、ボクはボクの闘いをするだけですね。

――12.11日本武道館の試合後には、コメントで「IWGPの闘い」という言葉がありました。オカダ選手自身、オスプレイに勝ったうえで、その先を見据えている部分もあるのかなと。

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オカダ 正直、武道館でIWGPという言葉を出しましたけど、それは単純に「IWGPの闘いに戻る」という意味ではなくて、このところBULLET CLUBの乱入があったり、IWGP戦で「コレは違うでしょ?」というような闘いが2020年はけっこう多かったと思うんですけど。それで「最近、新日本プロレスおもしろくないな」という人たち、離れかけてしまった人たちをシッカリとボクの闘いで戻したいなと思ったんですね。「やっぱ、おもしろいな、新日本プロレス」「やっぱオカダだな」と。それが武道館の時の発言ですね。

――では、今回のオスプレイ戦は、これまでオカダ選手がやってきた“IWGPの闘い”を意識している? 

オカダ そうですね……。やっぱり“IWGPの闘い”ですかね。乱入もなくシッカリとプロレスで闘って、それで満足してもらえるのが一番かなと思うので。ボクは新日本プロレスの闘い、IWGPの闘いでお客さんに満足してもらいたいという気持ちはありますね。やっぱり、オカダ・カズチカの闘いが一番満足してもらえる闘いなんじゃないかなと。

――ただ、オスプレイ選手はセコンドにビー・プレストリー選手も付くと思いますが。その点の警戒は?

オカダ まあ、でも女子レスラーですから。女性ですから。べつにボクも彼女に何かをするわけでもないですし、逆にそうやってビーの助けを得て、オスプレイが試合で活躍することがあれば、それはそれで「オスプレイどうなの?」とボクは思ってしまいますし。やっぱり、ボクは1vs1で凄い闘いをしたいと思いますね。

オスプレイは落ち着いたというか、地に足がついたレスリングをするようになったので。前のオスプレイとはまったく別人だと思ってますね。

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――元同門でタッグも組んでいましたが、オスプレイ選手に対してやりづらさという部分はないですか?

オカダ そうですね。ただ、裏切って、THE EMPIREを作って以降のオスプレイの闘い方は、ちょっと違うというか。前はホントに元気一杯、いろんな技や奇想天外な動きをしてくる印象でしたけど、いまは落ち着いたというか、地に足がついたレスリングをするようになったので。そこはシングルマッチが始まってみないとわからないですし、前のオスプレイとはまったく別人だと思ってますね。

――さきほど、「IWGPの闘い、と発言してもIWGPに行くということではない」とおっしゃてましたけど、ファンのあいだではIWGP戦線に戻ることを求めている方がたくさんいると思いますが。

オカダ ハハハ。いや、そんなにいないと思いますけどね(苦笑)。

――IWGPはともかく、「二冠王座に関しては、興味がない」ということも常々おっしゃってましたけど。

オカダ まあ、内藤さんとも二冠王者になってから、タッグマッチなんかで少し触れてるくらいで、それ以外はそんなに二冠戦、タイトルマッチも観ていないですし。ほとんど二冠チャンピオンと絡むこともなく、2020年がすぎてしまったので。二冠戦をほとんど観ていないというのはありますかね。どういう状況なのかということも知らないですし。お客さんがそれで盛り上がっているなら、それでいいんじゃないかなとボクは思いますけどね。だったら、二冠でいいやと。……ただ、ボクは前と変わらず、IWGPヘビーしか興味がないというのは一緒ですし。じゃあ、IWGPヘビーに挑戦するということになれば、実績を残すということも必要だと思いますし。そこはシッカリやっていきたいというのはありますね。

――どうですか。いずれは、二冠王座をバラしたい気持ちもありますか?

オカダ わからない。そこは全然わからないですね。「やっぱ二冠いいじゃん?」てなるかもしれないですし。「インターコンチがいいや」とか「二冠はいいから、タッグがいいや」となるかもしれないですし。ホントにどうなるかはわからないですけど、それはそれで楽しんでいきたいなと思いますね。

――ただ、オカダ選手自身は、いまの二冠戦線は乱入があったり、お客さんが離れているんじゃないかというのも心配されつつも……。

オカダ (さえぎって)ボクが離れているというのが、その一つですよね。二冠に興味がないっていう。普通なら、「次はIWGP、俺が行ってやるぞ!」という勢いだったのが、「今回のタイトルマッチいい試合だった? じゃあ観てみようかな」という気持ちになるのが、2020年に関しては1回もなかったので。ボクと同じように、「ちょっと違うな」と思って離れていった人もいると思いますし。だからこそ離れてしまった人たちに、いまボクにはベルトはないので、新日本プロレスの闘いをお見せして、新日本プロレスの良さを感じてもらって、オカダ・カズチカの良さを感じてもらって。「やっぱ、IWGPはオカダが巻いてもらわないと困るな」となった時が、ボクが挑戦する時なのかと思いますし。その時はやっぱ……IWGPヘビーですね、ボクは。

――オスプレイ選手は、「オカダに勝ったら、デカい宝が用意されている」とも発言しておりまして、おそらくIWGPのことだと思うんですけど。

オカダ まあ、オスプレイからしたら、ボクに勝つと言うことは、それだけの評価に値すると思いますし。逆にボクがオスプレイに勝っても、「ハイ、次はIWGPに行きましょう」とはならないのかなと。ただ、オスプレイが踏み台にすると言いながら、そこまでボクのことを評価してくれてるというのは、うれしいですけどね。……評価してないのかな? 

――いや、大いに評価していると思います。

オカダ それでオスプレイにトントン拍子で行かれてしまうと、「裏切ったことは正しい」というふうになってしまいますし。そこは「止めたいな」というのはありますし。「そんなにプロレス人生、うまくいかないんだよ」というのは伝えたいですね、闘いの中で。

――重い言葉ですね。まだまだオスプレイ選手に、青い部分はありますか?

オカダ まあ、ボクはホントにオスプレイは世界で一番凄いレスラーだと、裏切られてもいまだにそう思ってますし。今後は、いろいろ経験してもっと凄くなってくると思いますし。ただ、ボクが世界一と認めているレスラーを、ボクが倒すわけですから、結果はボクが世界一なのかなと。そう遠回しに言いたいな、と思ってます(ニヤリ)。

コロナ禍での東京ドーム大会を、ネガティブにとらえるんじゃなくて、凄くポジティブにとらえたら。ボクはそう思ってるんですよね。

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――最後に、今回の東京ドームでは、コロナ禍で会場に行きたくてもいけない方や、会場を満員にもできない状況があります。そういう大変な状況で来てくれるお客様へのメッセージはありますか? 
 
オカダ まあ、こんな状況で東京ドームに来て頂ける方たちも凄くありがたいですし、行きたくても行けない人たちもたくさんいると思いますし、それでも新日本プロレスワールドで観てもらえたりとか、それはそれで凄くうれしいことですし。なんなら、こういう状況でも新日本プロレスを応援してくれてるってだけでも凄くうれしいし、ありがたいことで。でも、超満員にできない、会場をフルで使えないとか、お客さんが声を出せないとか。考えればネガティブになりますけど、考え方を変えれば凄くポジティブにもできると思いますし。ほぼ拍手で応援しかできない東京ドーム大会、この新日本プロレスの歴史、49年で、今回しかないことじゃないかと思いますし、席を空けて観られる東京ドーム大会も2021年だけかもしれないですし。ワールドでジックリ観られるということも今回だけかもしれないですし。だからネガティブにとらえるんじゃなくて、凄くポジティブにとらえたら。ボクはそう思ってるんですよね。

――なるほど。

オカダ 「お客さん、満員にできないのか」とか「声を出してほしいな」と思うのはあたりまえなんですけど。逆に、このコロナ禍でこそできる東京ドーム大会を楽しんで、逆に忘れられない大会にして。状況がまた復活した時に、『WRESTLE KINGDOM 15 』を観て、「こんなにツラい時もあったけど、ここまで回復したんだよね」と思えるような大会にしたいと思ってるので。ホントにもう何事もポジティブにボクは考えてやっていきたいなと思うので。会場に来られてる方も、会場に来られずにワールドで、テレビで観られる方も、誰でも楽しめる闘いを、新日本プロレスのレスラーがすると思うので。そこは世界中、どこにいても、どんな状況でも楽しんでもらえたら、と思いますね。
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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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