新型コロナウイルスがJリーグに与えた影響|観客数制限や日程変更…大きく影響を受けたチームは?

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【(C)Getty Images】

2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界中で拡大し、スポーツ界にも大きな影響を及ぼした。明治安田生命Jリーグも、日程やレギュレーションの変更などを行った。ここではその影響を振り返る。

従来のシーズンからの変更点

◆日程変更
2020年シーズンのJ1とJ2は、2月21日から23日に開幕節を開催。しかし第2節(J3は開幕前)以降は、新型コロナウイルス感染拡大により中断。各クラブは活動休止を余儀なくされた。

その後リーグ戦の日程再編が行われ、J1は7月4日、J2とJ3は6月27日から開催された。リーグ戦再開直後は移動による感染リスク回避のため、近隣チーム同士の対戦が組まれた。J1は12月19日、J2とJ3は12月20日に最終節を行う。

◆賞金額の変更
J1優勝の賞金額が当初の3億円から1億5000万円に変更になるなど、今シーズンは各種表彰における賞金額が従来の規定の50%となった。Jリーグは賞金の減額分について、試合開催関連の補填の財源とすると発表している。賞金額については下記URLを参照。
https://www.jleague.jp/news/article/17240/

◆交代枠の拡大
例年、試合中の交代選手は最大3人となっているが、今シーズンは過密日程などを考慮し最大5人に変更された。

◆降格なし、昇格は2チーム
Jリーグは競技の公平性を担保できないことを理由に、2020シーズンの各カテゴリ間での降格をなしとすることを決定した。一方で、昇格についてはJ2からJ1、J3からJ2にそれぞれ2クラブずつ昇格。J2からJ1への昇格はリーグ戦上位2クラブの自動昇格とし、J1参入プレーオフは開催されない。

◆天皇杯のレギュレーション変更
2020年シーズンの「天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会」は、全国88チームによるノックアウト方式で5月23日、24日に開幕予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で延期。レギュレーションが50チーム出場の7回戦ノックアウト方式に変更となり、9月に開幕した。J1からは、2020シーズンのリーグ戦上位2チームが準決勝(12月27日)から出場する。

実施したウイルス対策
Jリーグは3月3日に、日本野球機構(NPB)と合同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を設立した。専門家チームを置き、感染症対策や公式戦開催などについて検討。同会議は、公式戦再開後も定期的に実施されいる。

またJリーグは専門家会議での提言をもとに、新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインを制定。同ガイドラインをもとに、公式戦を開催している。

◆観客動員数の制限
6月27日からリモートマッチ(無観客)で公式戦を開催。7月10日からは政府の大規模イベント開催の方針に従い、「超厳戒体制」として5000人もしくは最大収容数の50%のうち、少ない方を目安として観客の動員を再開した。9月19日からは「厳戒態勢」に変更し、観客動員数の上限を入場可能数の50%で開催した。なおこの入場制限は、2021年2月末までは継続されることが決まっている。

観客に対しては、マスクの着用や入場時の検温を実施。また声を出しての応援の禁止など、応援スタイルの制限も行った。

◆選手スタッフへの定期的なPCR検査
Jリーグ内に検査センター(JCTC)を設置し、2週間に一度、全チームの選手やスタッフを対象にPCR検査を実施した。

大きく影響を受けた選手・チーム

◆サガン鳥栖、柏レイソル
鳥栖と柏は、クラブ内で複数名の新型コロナウイルス感染者が確認されたため、リーグ戦数試合が延期。11月2日に1人目の感染者が確認された柏はリーグ戦に加え、11月7日に予定されていたYBCルヴァンカップ決勝も中止に。同試合は2021年1月4日に延期となった。

名古屋グランパスもクラブ内で陽性者が確認されたことにより、7月26日の第7節サンフレッチェ広島戦が中止・延期となった。

◆ACL出場チーム
今シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)本戦には、Jリーグから横浜FM、FC東京、神戸が出場した。ACLは新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大によりグループステージの途中で中断。東地区は11月に再開し、カタール・ドーハにてセントラル方式(集中開催)で行われた。決勝トーナメントもカタールで実施し、決勝は12月19日に開催。これに伴い、ACL出場チーム関連のJリーグの試合は前倒して開催するなど、日程が変更された。

◆日本代表
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、3月と6月に予定されていたFIFAワールドカップ・カタール2022のアジア2次予選が延期になるなど、2020年の日本代表は10月のカメルーン戦まで対外試合を行っていなかった。日本代表は10月にカメルーン戦とコートジボワール戦をオランダ・ユトレヒトで、11月にパナマ戦とメキシコ戦をオーストリア・グラーツで開催。4試合とも渡航制限の影響などにより、Jリーガーは召集されず、全選手欧州組で日本代表メンバーは構成された。

来シーズンへの影響

◆J1のチーム数、昇降格のレギュレーション変更
2020年シーズンは各ディビジョンで降格が行われないことにより、2021年シーズンのJ1は20チームで争われる。また、2021年シーズンは各ディビジョン間の昇格は2クラブ、降格は4クラブ。昇格プレーオフは実施せず、上位2クラブが自動昇格する。

【昇格クラブ数】
・J2からJ1への昇格:2クラブ
・J3からJ2への昇格:2クラブ

【降格クラブ数】
・J1からJ2への降格:4クラブ
・J2からJ3への降格:4クラブ
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