エイバルで輝きを放つヘスス・ナバスの後継者、ブライアン・ヒル

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2年前、ラ・リーガ・サンタンデールのデビュー戦でアトレティコ・マドリーのベテランDFディエゴ・ゴディンに1対1の勝負を挑んだ17歳がいた。今季エイバルでプレーしているサイドアタッカー、ブライアン・ヒルである。

ブライアンはアンダルシア州カディス南部の海沿いの街バルバテに生まれ、10歳でセビージャの下部組織に入団。1、2歳上のカテゴリーを駆け上がり、2018/19シーズンにはテルセラ・ディビシオン(4部相当)所属のBチーム、セビージャ・アトレティコで23試合に出場し、4ゴール6アシストを記録した。

2019年4月のラージョ戦にて、ラ・リーガで初めてゴールを決めた21世紀生まれの選手に 【(C)LaLiga】

2019年1月、トップチームデビューを果たしたアトレティコ・マドリー戦では後半ロスタイムからの出場でゴディンを驚かせ、確かなインパクトを残した。同年4月のバジャドリー戦ではムニール・エルハダディのゴールをアシストし、2ー0の勝利に貢献。ヨーロッパの5大リーグでアシストを記録した初めての21世紀生まれの選手となった。同月のラージョ・バジェカーノ戦ではラ・リーガ初の21世紀生まれの得点者にもなった。

タッチライン沿いで見せる幅広いプレー、そしてピッチ外での大人しい性格は、利き足は違えど彼の憧れの選手であり、現在セビージャの主将を務めるヘスス・ナバスを多くのセビジスタに想起させている。それでもチーム内競争の厳しいセビージャでは毎週末プレー時間を得ることは難しく、2020年1月にはレガネスへのレンタル移籍を決断。残留争いの渦中でのプレーは若い彼にとって簡単ではなかったが、それでも終盤には先発の座を勝ち取り、王者レアル・マドリーとの最終節では一時同点とするゴールを決めた。

昨季後半はレガネスにレンタル移籍し、レアル・マドリーとの最終節でゴールを決めた 【(C)LaLiga】

今季は多数のクラブからオファーを受ける中、同僚のアレハンドロ・ポソと共にエイバルへレンタル移籍。イプルアではホセ・ルイス・メンディリバル監督のフットボールを吸収し、持ち前のドリブル突破やクリエイティブなプレーに加え、指揮官が要求するハードワークもしっかりこなすようになった。

左サイドからドリブル突破を仕掛けてペナルティーエリア内にラストパスを送る得意のプレーに加え、右サイドから中央へカットインしつつ味方との連携プレーを交えてゴールに迫ることもできる。エイバルでは10番のポジションでも起用され、さらにプレーの幅を広げつつある。

奇しくも今季最も輝きを放ったのはラモン・サンチェス・ピスフアンへの凱旋となったセビージャ戦で、憧れの舞台で挙げた1ー0の勝利はお互いにとって複雑な後味を残した。対照的に、セビージャのライバル、ベティスとのアウェー戦で2ー0の勝利に貢献した際には心から喜ぶことができたことだろう。

11節ベティス戦では敵地で2ー0の勝利に貢献 【(C)LaLiga】

各カテゴリーのスペイン代表でも順調に成果を挙げている。2019年夏のU19欧州選手権では、マンチェスター・シティのフェラン・トーレスらと共にタイトルを獲得。今年11月に行われたU21欧州選手権予選のフェロー諸島戦では、バルセロナのペドリらを押しのけてマンオブザマッチに選ばれている。

ブライアンは来年2月に20歳の誕生日を迎える。その頃にはエイバルに欠かせない攻撃の核として定着していることだろう。今や多くのセビジスタが、35歳となったヘスス・ナバスの後継者として彼に期待を寄せるようになった。それでも本人は与えられたチャンスを最大限に生かすことだけを考え、地に足をつけて目の前のボールを追いかけている。

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