今年は末脚勝負か!? 阪神ジュベナイルフィリーズを展望する
【2019/12/8 阪神11R 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1) 1着 4番 レシステンシア】
阪神ジュベナイルフィリーズの脚質・上がり別成績(過去10年)
■表1 【阪神ジュベナイルフィリーズの脚質・上がり別成績(過去10年)】
さらに今年は京都競馬場の改修工事の影響で、阪神は11月からの連続開催となり、例年よりも芝が使い込まれている。その分、差しが決まりやすい状況になる可能性がある。
阪神ジュベナイルフィリーズの前走脚質・上がり別成績(過去10年)
■表2 【阪神ジュベナイルフィリーズの前走脚質・上がり別成績(過去10年)】
前走逃げ【1.1.0.18】、後方【0.2.0.26】、マクリ【0.1.0.1】は好走馬が少なく、やはり先行【5.2.6.51】と中団【4.4.4.52】が多くの頭数を占める。ただし、好走馬の数は先行13、中団12とほぼ互角。阪神ジュベナイルフィリーズでは中団から好走する馬の数が多いことを考えると、前走で先行していた馬が今回は中団に下がってレースをする、というケースも十分考えられるわけだ。
前走上がり3ハロンの順位別成績は1位【5.4.3.40】、2位【2.3.1.20】、3位【2.1.2.17】。1〜3位の成績を合算すると【9.8.6.77】で、好走馬の80%近くを占める。前走で速い上がりを使っていた馬が、今回も有力となる。
阪神ジュベナイルフィリーズの好走馬 前走が逃げ・先行
■表3 【阪神ジュベナイルフィリーズの好走馬 前走が逃げ・先行】
阪神ジュベナイルフィリーズの好走馬 前走が中団・後方・マクリ
■表4 【阪神ジュベナイルフィリーズの好走馬 前走が中団・後方・マクリ】
今年の阪神ジュベナイルフィリーズ出走予定馬
■表5 【今年の阪神ジュベナイルフィリーズ出走予定馬】
TARGET frontier JV区分による前走脚質をもとに、今年のレースを考えていくことにする。なお、「差し」と「中団」の差は前走レースで好走しているかどうかによるもの。「追込」と「後方」の違いも同様だ。
前走「逃げ」のなかではエイシンヒテンに注目。前走白菊賞ではメンバー中3位となる上がり3ハロン33秒9をマークして勝利した。過去10年、前走「逃げ」で好走できた馬はメジャーエンブレムとクロフネサプライズしかいないが、本馬は今回も逃げるとは限らない。先行して抜け出してくる可能性もあるのでマークしておきたい。
前走「先行」のなかでは重賞で好走しているインフィナイト、ソダシ、メイケイエールが上位評価になるだろう。インフィナイトは上がり3ハロン37秒7と時計はかかったが、不良馬場だったしメンバー中2位の脚だった。一方ソダシは上がり3ハロン33秒9と速い数字でまとめたが、メンバー中3位以内ではなかった。メイケイエールはメンバー中3位の上がりをマークしていた。おそらく人気ではソダシが1番手だが、勝ち切れるかどうかはわからない。メイケイエールやインフィナイトが先着する可能性も十分ありそうだ。
前走「差し」の馬は抽選対象となっており、実績的にも劣る。もし出走できても、実績馬を負かすだけの瞬発力・ポテンシャルがあるかどうかを見極める必要がありそうだ。
前走「追込」の馬は4頭いるが、前走ファンタジーS2着のオパールムーンと前走サフラン賞を制したサトノレイナスに注目が集まりそうだ。ただし、前走「追込」はハープスターやホエールキャプチャほどの実力馬でも2着だったので、勝ち切るのは大変になるだろう。馬場や展開の恩恵がほしいところだ。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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