ヌードサーフィンのショートムービー『Skin Deep』困難超えついに公開
【女性でありながら、自由であることを表現した作品『Skin Deep』 Photo: @fetchfilms】
ヌード動画をネットにアップするには様々なリスクが伴うが、ビッグウェーブサーファーのフリックはそのリスクを冒すことに戸惑いはない。
フリックは、オーストラリアン・オープン優勝経験があるほか、マウイ島ジョースで行われた女子のビッグ・ウェーブ大会では2位の好成績を記録した強者。しかし、今回の動画は彼女のそうした経歴以上の波紋を起こすかもしれない。
およそ3年がけでフィジー、ハワイやオーストラリアで撮りためたヌードサーフィン映像は監督JJジェンキンズによって約4分のショートムービーに編集され、先日Vimeoの有料レンタルで公開された。今作では彼女の最大の趣味であるアートとサーフィンを融合し、「自由であること」を模索する。
【Photo courtesy of @pixjj】
Felicity Palmateer
有名サーファーのヌード写真がメディアで取り上げられるのは初ではない。ESPNマガジンのBody Issueでは過去にケリー・スレーターやココ・ホーなどのビッグネームが裸で撮影されているのが思い浮かぶ。しかし、今回のように、こんなにオープンに、自分が生まれたそのままの姿でサーフィンをしている姿を映像に収めて公開されたのは初めてだろう。
フリックの最大のパッションであるサーフィンとアートを上品に融合 【Photo courtesy of @fetchfilms】
「ソーシャル・メディアの世界では、コーヒーの淹れ方を失敗しただけで、それを指摘する人が必ずいる。これは芸術であり、考えさせられる作品であって欲しい。これを見た人がいろいろと意見を交換するのはうれしいことだ。」と動じずに前向きな姿勢を前面にだしている。
撮影の最大の困難は他人がいないポイントで良い波を当てることだったという。当然この映像は他人のカメラで撮影されたりしてしまうと、大きな問題にもなりうる。実際に撮影や編集をしていても、邪道すぎるアングルや慎ましくない映像も多く、上品で美しさを前面にした作品を作るのに多くの映像を切ってしまったそうだ。
3年間かけただけあって、最高なコンディションも収録 【Photo courtesy of @fetchfilms】
この自由度を最大限に求めて、素肌で太陽や風を感じ、素足で昔ながらのシングルフィンのサーフボードを操るフリックは、「私にとって大事なのは、常にその瞬間を生きるにあたって、自由に自己表現すること。それと、美しい場所でプラスな経験をすること。この作品は私の最大のパッションであるサーフィンとアートを一つにしたもの」と語った。
しかしながら、2018年末の公開目前に突然リリースをやめてしまった。それまでにWSLを含む関係者への確認と、多数のメディア取材を受けていたが、噂では映画に関係のあるブランドが突然ストップをかけてしまったというのだ。
あれから2年ほど、その内情は公開されていないが、謎のブランドとの契約期間が過ぎたのか、心を込めて作った映像はとうとう日の目を見ることができた。
無料で見れるサーフムービーが多い中でたったの4分間で383円という価格はやや高く感じる人も多いだろう。しかし、実際のところサーフムービーというより、アート作品として考えた方が良いのだろう。最先端のPhantomやRED EPICで撮影されているだけに映像も非常にきれい。オーストラリアのグループRüfüs Du Solの曲も絶妙に合い、美しい風景の中で優美に波に乗っている姿は他で見られるものではない。
これを芸術と呼ぶかどうか意見は様々だとしても、この映像を見て何かしらの感動を得ない人はいないと思う。ピュアで美に満ちた行為が女性をエンパワーするきっかけとなれば、なお影響は大きいと言えるだろう。
執筆:ケン・ロウズ
『Skin Deep』詳細:https://vimeo.com/user126450741/review/483477636/25afad6fe9
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