<国内男子ゴルフ>1日2イーグル。選手会事務局長が挑む今年最後の偉業

日本ゴルフツアー機構 (JGTO)
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【視線の先に見えるのは…©JGTOimages】

■国内男子ゴルフ/ 2020最終戦・ゴルフ日本シリーズJTカップ / 12月3日ー6日 / 東京都稲城市・東京よみうりカントリークラブ(7023y・パー70)/ 3日(大会初日)

12年連続優勝記録がかかる事務局長が、本業でも総括にとりかかった。池田勇太が「64」で初日を飛び出し、「最終戦にふさわしい、いいゴルフができたかな」。

前日の雨はやんだが、日差しはなく、気温は10度を下回った。
球も飛ばず、飛距離も20ヤードは落ちたが「1打1打、状況を考えながら、キャディとよく対応できた」。

6番のパー5は、フェアウェイから215ヤードの2打目をピン左2メートルにくっつけた。
17番は、201ヤードから、5Iで左横3メートル半に2オン。
いずれもスライスラインを沈める1日2イーグルに、今年の最終戦に賭ける思いが見え隠れする。

「今年は出られないのかな、と最初は思っていて」。
コロナ禍が直撃した今年。4月の開幕戦から、男子ゴルフは軒並み中止。9月。やっと「フジサンケイクラシック」で再開初戦を迎えられたが、43位に終わった。

10月。同2戦の「日本オープン」では、2度のV経験がありながら、予選落ちの屈辱。

11月。本大会の開催告知と、出場資格の変更が発表された同週にあった「三井住友VISA太平洋マスターズ」は14位。
賞金ランキングも30位にとどまり、12年連続出場の火が消えかけた。

だが、翌週の「ダンロップフェニックス」で、一発飛躍の8位タイフィニッシュ。
「最後、18番のバーディパットを入れられたおかげで多分出られたんじゃないか」。
賞金ランク22位に飛び込み、土壇場の出場チャンスを得た。
「忙しい状況の中で、ひとつひとつをなんとかクリアしながら、ここに戻ってこられた。それが凄く嬉しかったし、そういう気持ちをもって今回、臨めている」。

異常事態の中で、池田が選手会の事務局長に就いたのは、6月。プロゴルファーが同職に就任するのは、1984年の選手会発足以来、初だった。

異例の人事は、自身も2013年から3期つとめた選手会長の仕事とはまた違い、多くの時間を煩雑な事務作業にとられる。

加えてこのコロナ禍だ。
試合がない間は週1でJGTO事務所に通い、「多い時で6本のリモート会議。あっという間に1日が終わった」。
多忙期は、「ゴルフも週〜10日に1回程度にとどまった」。
デスクワークに追われて本業は、どうしても後回しになった。

「試合が始まればゴルフをしながら、次のトーナメントの準備もさせてもらう、というのが続いて」。
先月の2戦連戦では、本大会の出場権を追いかけながら、チャーター機の手配に奔走。
二足のわらじで駆け回る様は普通にいって、本業に差しさわりが出てもおかしくないほどの尽力ぶりだ。
だが、本人はひとこと「好きでやっていることだから」とさらりと片付け、このシーズン最終戦に乗り込んできた。

今年、新選手会長に時松が選出された際も「初めて理事に選ばれて、ゴルフ界の顔になってくれた。彼は彼で経験を積むことで社会人としての一歩になるとは思ったが、負担にはならないように。そこは俺と遼で支えないといけない」。
選手会副会長として、強い使命をにじませていた。
もともと面倒見がよく、頼られるとほってはおけない性格が、今年のコロナ禍で、いっそうもたげた。

大きな負担を承知で駆け抜けた1年が、間もなく終わろうとしている。
激動のシーズン最後に、与えられた今年最後のチャンスがある。
2009年から続けてきた年連続優勝が、この最終戦で更新されれば、ジャンボ尾崎が持つ15年連続に次いで、史上2番目の長期記録となる。
「そこは、僕もすごく思うものがある。今年はこうして試合が少ない中でも自分が優勝する姿をファンや、応援してくださる方々にお見せしたいですし、結果的にそこに繋がっていくと有難い」。
選手会事務局長が、駆け込みVの大記録を見据えた。

※年連続優勝記録一覧(1973年ツアー制施行後)
・15年連続 尾崎将司(1986年〜2000年)
・11年連続 青木功(1973年〜1983年) 片山晋呉(1998年〜2008年)池田勇太(2009年〜継続中)
・10年連続 杉原輝雄(1977年〜1986年)
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