日日是好日・古江彩佳 またもPOを制す

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGAツアー2020ー21年第12戦『第36回伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が11月15日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,741Yards/Par 72)で行われ、古江彩佳が今季2勝目を挙げた。勝負は通算12アンダーで並んだ酒井美紀とのプレーオフ。PO3ホール目、古江がバーディーを奪い、大激戦を制した。イボミは通算10アンダーの3位タイ。この日が誕生日の渋野日向子は69をマークし、23位タイだった。
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 日日是好日。プロゴルファー・古江彩佳をひとことで表すと、こんな言葉が浮かんでくる。喜怒哀楽、すべてを自身の楽しみに変えてしまう特異のキャラクターだ。それにしても、18番で展開された、プレーオフ3ホール目で披露した第2打は圧巻だった。残り161ヤードを7Iのショットは、ピンに当たる。30センチにつけて楽々とバーディー奪取。一発必中だ。大激戦がうそのような結末である。

 「プレーオフの1、2回目は、攻めるに攻められないピンポジション。酒井さんも、それは感じていたと思います。でも、3回目はピンポジションがグリーンのセンターになった。距離がぴったり合うクラブを使え、気持ちのいいショット。アマチュアの時からプレーオフは嫌いではない」と、選手心理を語った。9月、プロ初優勝のデサントレディース東海クラシックもプレーオフ。とにかく勝負強い。

 この日は、首位スタート。前2日間、ボギーフリーを続けたが、スタートの1番で第1打が木に当たる不運に見舞われた。その狂いが3パットのボギーへつながる。「ショットがいまひとつで、パッティングもなかなか決まらない」という前半だった。足踏みが続き、1組前でプレーする酒井美紀に一度は首位を明け渡す。こう着状態が続いたが14、16番でバーディーを決める。「あきらめずにいれば、必ずどこかでチャンスは来ます」と、粘り強さを実証してみせる。もっとも難度が高い17番のピンチも落ち着いて切り抜けた。遊び感覚で今大会から行ったというショートゲームの集中練習、帰れまテンの効果である。アプローチを20球、かごへ入れるまで終わらない練習メニューだ。

 それにしても、いつも落ち着き払った佇まいはまるでベテランのよう。「ホッとしています。スタート前から、ずっと楽しむことを考えていました」という。ばくぜんとした、楽しむーの3文字は、いったいどういうことなのか。「キャディーさんとの会話。ショットを狙い通りに打てるかどうか。ラウンド中、楽しむ材料は多い。ただし、目の前のやるべきことに集中していなければなりません」。なるほど、プレーはすべてが一期一会なのだ。同じシーンはない。

 自然に身に着けた精神が、今季2勝の原動力だろう。アマチュア優勝を含め、20歳172日の通算3勝目は史上4番目。「いつかは賞金女王になりたい。そのために1試合、1試合頑張るだけです」と結ぶ。とはいえ、千葉県で2勝の相性の良さを、「大好きなディズニーランドがある。それかなぁ」。この時ばかりは、まるで少女漫画の主人公のように、瞳が輝いた。
(中山 亜子)
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