【日本野球連盟公式サポ通信】黒獅子旗のゆくえ(日本生命編)

チーム・協会

【【提供:日本生命硬式野球部】】

日本野球連盟公式サポーターの田中優美です。
社会人野球のちょっと裏側をお伝えする「日本野球連盟公式サポーター通信」第16回目。
今回は、優勝チームの証である黒獅子旗のその後を、当時のエピソード共に振り返る人気企画「黒獅子旗のゆくえ」です。

強豪 日本生命野球部

今回は強豪チーム、日本生命野球部に迫ります。
都市対抗には全国最多となる60回の出場、1985年・1992年・1997年・2015年と4度の優勝を果たしています。

大阪府貝塚市にある野球部寮には黒獅子旗レプリカやトロフィー、黒獅子旗エンブレムの付いたユニフォームなどが飾られています。

【野球部寮に飾られている黒獅子旗レプリカ【提供:日本生命硬式野球部】】

【野球部寮に飾られている優勝当時の写真やユニフォーム等【提供:日本生命硬式野球部】】

緊迫した試合を制して掴んだ2015年の優勝

選手として2度(1992年、1997年)、監督として1度(2015年)と3度の都市対抗優勝を経験している十河章浩監督に、優勝当時のお話を伺うと、2015年の話をたくさんしていただき、口には出さないものの監督として優勝をした年に一番思いが詰まっているのではないかと感じました。

その中でも多く言葉にしていたのは「プレッシャー」
十河監督は「監督就任1年目の2014年の都市対抗では1回戦で敗退となり、会社から叱咤激励を受けて、2015年には“優勝するしかない”と、とてもプレッシャーを感じていました。その中で、優勝できたのは嬉しかったです。」と話し、就任1年目から結果を求められ、2年目に都市対抗優勝という最高の形で期待に応えるところは、さすがは常勝チームだと痛感しました。

2014年の都市対抗1回戦敗退後、十河監督はチームで優勝を経験している現役選手がいないため、決勝戦の雰囲気を知ってほしいと、選手やスタッフを含めた全員が自腹で東京に行き、決勝戦を観戦したそうです。「その後の練習から選手の雰囲気が変わったように見えました。練習メニューは2014年~2015年までほとんど変わっていないので、その試合をみたことも優勝の一因だと思う。決勝戦の緊迫感を知れたのも良かったです。」と教えてくれました。

十河監督の言葉通り、2015年の都市対抗では準々決勝から決勝まで3試合連続の延長戦という緊迫した試合でしたが、粘りを見せて見事に制していきました。
当時の大会を振り返っていただくと、「一試合一試合、選手が成長したのが見えました。あの大会で一番成長した選手は藤井です。2015年の都市対応が始まるときは、そこまでの信頼感は無かったので、長いイニングを任せようとは思っていなかったです。でもピンチを背負いつつもしっかり抑えるので結果的に長いイニングを任せていましたね。」と、橋戸賞を受賞した藤井貴之投手の名前をあげました。

実績と共に生まれた変化

藤井貴之投手も「この大会で“抑えられた”という経験が成長に繋がったと思います。特に、2回戦(対西濃運輸)で打たれてしまったが、その次の準々決勝(対トヨタ)で直ぐ使ってもらえて。そこで抑えられたことで自信が付きました。」と話します。
「2011年に入社してからそんなに登板していなかったし、登板しても打たれることが多かったので使ってもらえない悔しさがありました。全国大会であれほど長く投げさせてもらえたのは2015年の都市対応が初めてです。」と当時を振り返ります。

自信が付いたことで余裕が生まれ、投球中も“とにかくいい球を投げよう”から対戦相手のバッターを考え“勝負する投球”ができるようになったと教えてくれました。


日本生命野球部の今年初の公式戦となる都市対抗野球近畿地区第2次予選がいよいよ9月1日より始まります。
十河監督は「不安もあるが、チーム状況は悪くないです。今できることを精一杯やって、何としても、もう一度優勝を味わいたい。早く優勝しないと忘れられちゃうので。」との意気込み。プレッシャーの中で、粘り強く勝ち進む日本生命野球部に期待です。

(今回の内容はすべて電話取材にて行いました)
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著者プロフィール

1949年に設立した社会人野球を統轄する(公財)日本野球連盟の公式アカウントです。全国の企業、クラブチームが所属し、中学硬式や女子野球の団体も加盟しています。1993年から刊行している社会人野球オフィシャル・ガイド『グランドスラム』の編集部と連携し、都市対抗野球大会をはじめ、社会人野球の魅力や様々な情報を、毎週金曜日に更新する『週刊グランドスラム』などでお届けします。

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