ブンデスリーガの注目選手クローズアップ:チャルレス・アランギス レーバークーゼンで攻守に輝く“小さな巨人”

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【(C)Getty Images】

 ペーター・ボス監督率いるレーバークーゼンでは、カイ・ハヴァーツら若手の活躍が目立つ。だが、チームの屋台骨として欠かせない存在となっているのは有望株だけではない。その筆頭は、今年5月に2023年6月までの契約延長にサインした31歳のMFチャルレス・アランギスだ。

 レーバークーゼンはかねてより優秀な“ゼクサー”(6番=守備的MFを指す)に恵まれてきた。1990年代後半なら元ブラジル代表のエメルソン、21世紀以降はアルトゥーロ・ビダルやエムレ・ジャン、現主将のラース・ベンダーなどの名前が挙げられる。

 そして現在、ブンデスリーガでも指折りのゼクサーとして鳴らし、チームの上位進出に貢献しているのがアランギスだ。2015年8月に“ヴェアクスエルフ”(レーバークーゼンの愛称)の一員となったアランギスは、加入直後にアキレス腱断裂の大ケガに見舞われてしまう。だが不屈の精神で這い上がり、2019/20シーズンの第22節ウニオン・ベルリン戦で通算100試合出場を達成。チリ人としてはビダル以来2人目となる大台に到達した。

 屈強な大男たちがしのぎを削るブンデスリーガの中で、170センチを少し上回る程度のアランギスはひと際小さく映る。しかし、ピッチ上での存在感は絶大だ。計算し尽されたポジショニングと出足の鋭い寄せで相手の侵攻を阻み、中盤のルーズボールを素早く回収。さらには長短自在の正確なパスで攻撃のスイッチを入れるなど、攻守に輝いている。

 かつて、クラブOBのエメルソンが「とても頭脳的で、インテリジェントなプレーヤーだ。大好きな選手だよ」と絶賛した理由は決して身贔屓ではないだろう。ポジション柄、ゴールに絡むプレーが多くないため、レーバークーゼンの得点源であるハヴァーツや快足ウインガーのムサ・ディアビのように脚光を浴びるのは稀だ。だが、アランギスは縁の下の力持ちとして、ポゼッションサッカーにおける重要な働きを見せ続けている。

 彼に惚れ込んでいるのはエメルソンだけではない。契約延長の一報を受け、ライナー・カルムント元CEOは、「ハヴァーツと同じくらい重要な選手だ。私にとってはワールドクラスさ」と称賛。もちろん、ファンのお気に入り選手でもあり、クラブの公式ショップで「契約延長記念Tシャツ」が販売されているほどだ。

 ハヴァーツやディアビのような試合を決定づける若きアタッカーだけでなく、中盤で頭脳的なプレーを見せる“小さな巨人”にも是非、注目していただきたい。

文=遠藤孝輔


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