ウィザーズの舞台裏に迫る!第8回:八村塁選手のメディア対応を調整する広報部とは

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【ワシントン・ウィザーズ】

ワシントン・ウィザーズがお届けするインタビューシリーズ! 第8回はコミュニケーション(広報)部門のVP(バイス・プレジデント)を務めるスコット・ホール氏を迎え、今季八村塁選手の加入で増える日本メディアとの関係性、そしてこの変わりゆくバーチャルな世界についてなどさまざまな質問にお答えいただきました。

八村塁選手は「私が過去に仕事をしたどのルーキーよりも彼は多くのメディア義務を抱えている」

ワシントン・ウィザーズがお届けするインタビューシリーズ! 第8回はコミュニケーション(広報)部門のVP(バイス・プレジデント)を務めるスコット・ホール氏を迎え、今季八村塁選手の加入で増える日本メディアとの関係性、そしてこの変わりゆくバーチャルな世界についてなどさまざまな質問にお答えいただきました。

–––はじめに、これまでのキャリアについてと、『Monumental Sports & Entertainment(モニュメンタルスポーツ&エンターテインメント)』での役割について少しお聞かせいただけますか?

私がウィザーズのコミュニケーション部門を取りまとめるのはこれが12年目のシーズンになります。現在は『Monumental Sports & Entertainment(モニュメンタルスポーツ&エンターテイメント)』でウィザーズ、ミスティックスとキャピタルシティ・ゴーゴーのコート内外のいわゆるモニュメンタル・バスケットボールのコミュニケーションを監督しています。われわれの部署の焦点は、地元、全国、海外、そして社内メディアを通じて正確で適切な企業メッセージを生み出し、それを伝え、展開していくことです。

スポーツ界でコミュニケーションの仕事を始めたのは1997年です。テキサス大学を卒業後にコンチネンタル・バスケットボール・アソシエーション(CBA)のフォートウェイン(インディアナ)・フューリーで働き始めました。CBAではアイダホ・スタンピードでも仕事をして、2001年にNBAのシャーロット・ホーネッツに移りました。私がいる間にホーネッツはニューオーリンズに本拠地を移しましたが、ハリケーン・カトリーナの被害によって2シーズンの間、一時的にオクラホマシティに移転し、両方の都市で試合をしていました。2007-2008シーズンはニューオーリンズに戻り、私は翌年からウィザーズで働き始めました。

–––日常業務の内容と、試合がある日とない日のスケジュールについて教えていただけますか?

試合のある日は選手、コーチとスタッフのメディア要請に全て対応します。また、ホームとビジターの放送局を含めたメディアの体制と細かい調整を全て監督しています。試合のない日は通常、これから予定されている試合の準備と、練習やチームイベントのメディア要請に対応しています。他の部署と選手の出演スケジュールを組むことや、メッセージングの調整、さまざまなイニシアチブにおけるNBAとの連携は日常的に行っています。

–––シーズン中はコミュニケーション部門のチーム内でどのように役割を分担しているのでしょう? 各メンバーの主な担当はどうなっていますか?

日々、スムーズに部内を回してくれる優秀なスタッフがいてくれて私は幸運です。スタッフにはそれぞれ、主な担当が決まっています。ケチア・コリモンはコート外のコミュニケーションとWNBAのミスティックス担当、ダレン・ジェンキンスは選手とスタッフの取材要請を管理し、デアンドレ・フィリップスはメディアの細かい調整をコーディネートする担当、マット・クインはGリーグのキャピタルシティ・ゴーゴーのコミュニケーション担当、ケーラ・スワースキーはそれぞれの資料と練習や試合に向けて準備を調整していくれています。しかし、彼らは皆、多様なスキルを持っているため、部門と組織全体にわたって貢献してくれています。

–––今シーズン、八村塁選手が加わったことで、取材陣にこれまでと変わった点はありましたか?

首都のワシントンD.C.に本拠地を置いている関係で、試合には以前から一貫して多くの海外メディアが来ていました。しかし、そうしたメディアは通常、対戦チームの外国籍選手を取材しにきていることがほとんどでした。それが、今シーズンは違いました。八村選手を報道するために来た海外メディアの数もそうですが、彼らが全ての試合を取材するようになったことも変化した点です。

–––今シーズンは日本のメディアの人々と多くお仕事を経験されているかと思いますが、いかがでしたか?

今シーズン、われわれを取材してくださっている日本のメディアの皆さまと素晴らしい関係を作れたことを光栄に思います。言語の違いなど、時に乗り越えるべき小さな障害も生じますが、彼らは八村選手とチームを取材するために来てくださっていて、われわれは地元のライターに対するのと同じフィロソフィーでできる限りのサポートをしています。

–––ウィザーズでの八村選手のメディア対応時にはほとんど同席されていると思いますが、彼との仕事はどうでしたか? 過去にお仕事をされた他のルーキーと比べていかがですか?

八村選手とは今シーズンとても楽しく仕事をさせていただいています。素晴らしいユーモアのセンスを持ち、彼の年齢にしてはとても成熟していて忍耐力を持ち合わせています。ジョン・ウォール、ブラッドリー・ビール、クリス・ポールといったスターを含めて、私が過去に仕事をしたどのルーキーよりも彼は多くのメディア義務を抱えていますが、どんな時でもとても真摯に対応しています。

–––シーズンが中断しているこの期間もバーチャルで多くのインタビューを調整されたと思いますが、最も難しかったのはどのような部分でしたか? また、プレーが再開された後も取り入れたいと思われる部分はありますか? この期間に得たもので将来の仕事のアプローチに役立つと思われることは何でしょう?

社内外のメディア媒体向けにバーチャルインタビューを調整するのは、この中断期間にファンとの繋がりを維持していくためには素晴らしい形でした。これまでの伝統的な手段と比べて物理的に調整がやや難しいこともありますが、素晴らしい交流を生み出し、ポジティブな反応がメディアやファン、関わった選手、スタッフから得られました。今後もより効率的な仕組みを求めていくことになるでしょう。

–––近年、メディアの環境はどんどんデジタル化してきていますが、それによって仕事はやりやすくなりましたか?

近年のデジタルメディアの発展はコミュニケーション分野にいるわれわれ全員にとって有益だったと考えます。チームの物語を伝えるための選択肢や方法がとても増えました。この中断期間に入る以前から、われわれはファンへリーチするための新しい方法を探求し、実現することにオープンな考えを持っていました。その点でメディアの環境が拡大することは利点とも言えます。その反面、時としてそこにあふれる全てを追跡することが困難だということですね。そうなると、われわれにとってベストな選択肢を評価することが難しくなります。

–––最後に、たくさんの選手やコーチを相手にするお仕事をされる上で、彼らと良い関係を築くために最も重要なことは何でしょう?

この仕事の経験上、選手、コーチ、メディア、仕事仲間――誰であれ、関係を築くために最も重要なことは相手への配慮を忘れず、正直でいることです。最善を尽くして誰かを助け、交渉時に正直な対応をすれば、相手の信頼と尊敬を得ることができます。特に、どうしても希望に添えない理由を伝える時や、これは難しそうだという時、お互いの利害が絡むような時はよく当てはまります。アップダウンのあるNBAシーズンを進むにあたって、そうしたことが関係を作り、維持するために役立つのです。
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著者プロフィール

アメリカプロバスケットボールリーグ・NBA所属のワシントン ウィザーズの公式日本語サイトです。監督、選手インタビューを含む試合前後のレポート、字幕付きオリジナルコンテンツも随時掲載。

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