レフティー特集(2) カイ・ハヴァーツ

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将来を嘱望される“ハイブリット”プレーメーカー

ブンデスリーガで活躍するレフティーにフォーカスする当連載。第2回はレーバークーゼンの若きドイツ代表MFカイ・ハヴァーツの特徴や経歴に迫る。

ハヴァーツは今、欧州サッカー界で最も将来を嘱望されるヤングタレントの一人だ。卓越したボールコントロール、パスセンス、シュート技術、冷静な状況判断を武器に、レーバークーゼンの攻撃陣をけん引している。

レフティーながら右足が極端に苦手ということはなく、プレーが左足一辺倒にならないのは特長の一つだろう。189センチの長身で、ヘディングでのゴールも期待できる。ドイツ代表の先輩でもあるメスト・エジルのようなエレガントなスキルと、ミヒャエル・バラックのような一発の怖さを秘めた“ハイブリッド”なプレーメーカーだ。

1999年6月11日生まれのハヴァーツは、生まれ故郷アーヘンのアレマニア・マリアドルフとアレマニア・アーヘンを経て、11歳のときにレーバークーゼンの下部組織に加入。U-17に昇格した2014年夏に親元を離れ、プロになる夢をひたすら追いかけてきた。

その頃からレーバークーゼン界隈ではすでに知る人ぞ知る有望株だったが、その名前がさらに広まったのが2015/16シーズンだった。Bユーゲント(U-17)ブンデスリーガで決勝プレーオフを含む29試合に出場し、19ゴールをマーク。優勝の立役者となったのだ。

ユースカテゴリーでのドイツ制覇から5カ月後の2016年10月には、17歳4カ月4日でブンデスリーガデビューを果たし、クラブの最年少出場記録を塗り替えた。待望の初ゴールは2017年4月のヴォルフスブルク戦で記録。これもレーバークーゼンの最年少記録だった。

プロ1年目から24試合出場、4ゴール6アシストと結果を残したハヴァーツは、翌シーズンにリーグ史上最年少でブンデスリーガ通算50試合出場を達成。4-3-3システムのインサイドハーフとしてレギュラーに定着した。

翌2018/19シーズンにはさらに飛躍する。ゴール前に入り込むタイミングや左足のシュート精度が向上、プロ入り後に課題と自覚していた得点力を大幅に高め、リーグ3位タイとなる17ゴールを記録した。さらにスプリントでは時速35.02キロを計測。スピードでも注目を集めるなど、このシーズンを経てハヴァーツの名は世界に広く知れ渡ることになる。

今季はリーグ最年少でブンデスリーガ通算100試合出場を達成。ケガやコンディション不良もあってシーズン前半はやや精彩を欠いたが、2020年に入ってからはリーグ戦8試合で4ゴール4アシストとトップフォームを取り戻した。第23節と第24節にはゲームキャプテンを務めるなど、20歳にしてリーダーの風格も漂わせる。チーム内における重要度は増すばかりだ。

文=遠藤孝輔
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