マリーンズ広報のよもやま話 第2話

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【千葉ロッテマリーンズ 梶原紀章広報メディア室長】

 ある出版社の編集者と話をしていて意気投合しました。「サッカーは文学としてはあまり成立しないけど野球文学は成立する」との事でした。私も同感です。野球ほど文章として伝えやすいスポーツもなかなかないのではないかと考えています。例えば、「1点ビハインドの最終回の攻撃。二死三塁で打席に4番のレアード。マウンドにはホークス抑えの森」と書いただけでこの場面の緊迫感が容易に想像できます。こんなスポーツはなかなかないと思います。

 もちろん、よく言われるように野球に動と静があるのも大きな理由です。マウンドの投手と打席の打者。ここに焦点を当てやすく、その中での投手の心理状態、打者の心理状態、ベンチの思惑など様々な事を書き加えることで文として読者の興味をそそることが出来ます。

 だから、私はもっともっと野球を題材とした文学作品、コラムなどが増えるといいなあと考えています。幸い、最近は野球関連の書物も増えていますしネット記事でも面白いコラムを目にすることが増えてきました。選手たちの人間としての葛藤。なぜあの場面で投手はその球種を選択したのか、ベンチは守備体形を敷いたのか、打者は決め球を絞ったのか。強風のZOZOマリンスタジアムでどのような対策を練って好投をしたのか。どのようなアドバイスがあったから活躍できたのか。これからスポーツライターを目指す方々には、いろいろな事を掘り下げてプロ野球の魅力を伝えてもらいたいと思います。

 ちなみに私が気にっている野球コラムは中日スポーツにて渋谷真さんが中日ドラゴンズについて書いている「龍の背に乗って」と大阪スポニチで内田雅也さんが阪神タイガースについて書いている「内田雅也の追球」です。いずれも私が記者時代に憧れていた大先輩が書いているコラムで今でも刺激を受けます。自分も現在、文藝春秋社文春コラム、千葉日報朝刊、朝日新聞千葉版など多数のコラムを書かせていただいています。まだまだ先輩たちには足元にも及ばないのでプロ野球、そして千葉ロッテマリーンズの魅力を文章を通して伝えられるように日々、精進していきたいです。

文・千葉ロッテマリーンズ広報メディア室 梶原 紀章(かじわら・のりあき)
 
 1976年8月18日生まれ、大阪府吹田市出身。東京都私立郁文館高校〜関西大学。99年に産経新聞社に入社後、サンケイスポーツ運動部に配属し、00年にオリックス担当、01年から04年まで阪神担当。05年に千葉ロッテマリーンズに入団し主に広報業務を担う。11年にはチケット営業も経験。現在は広報メディア室室長。
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著者プロフィール

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