FUJI BOXING 2018 トリプル世界戦

2018/12/30 19:00 東京・大田区総合体育館

井上拓真が判定勝ち 初の世界戦で暫定王者に

ゲームスコア

[同級2位]ペッチ・CPフレッシュマート

0判定3

[同級5位]井上拓真

判定詳細:117-111、117-111、117-111
※井上は暫定王者に

井上の試合後コメント

井上(写真右)が判定勝ち。暫定王者となった【Getty Images】

「ありがとうございました! 最高です! 厳しい試合でした。まだまだ暫定で正規の王者と言えません。1Rは行き過ぎたところもありました。こんな内容じゃ『尚弥に並んだ』と言えないので、兄貴と並べられるようにこれから精進していきたいと思います」

速報

試合前

後から入場の井上は気合いを感じさせる表情で、兄の尚弥から何事か耳打ちされた後でリングに入る。

1R

サウスポーのペッチに井上は左ジャブから右ストレートを強振していく。しかしペッチもこれにひるまず、右フック、左ストレートとやはり強振して返す。

ワンツーで切り込む井上にペッチは左ストレート、右フック、左アッパーと攻めて出る。しかし井上は左フックをカウンターでヒット。

さらにペッチが出てこようとすると、右ストレートを連続で当てる。好戦的な井上だが、ペッチが前に来ると横へのステップでかわす。

2R

ペッチは頭を振りながら左ストレートを強振して前に来る。井上はこれに右ストレートをカウンターで合わせ、左回りも忘れずプレッシャーを真正面で受けない。そして右ストレートを打ち込むとペッチはフラつき足が鈍る。

しかしペッチも左ストレートを当て返す。だが、ここで両者にバッティングがあり、どちらもドクターのチェックが行われる。

再開後、ジャブを連続で突き、ペッチの進入をけん制する井上。そこから右ストレートを放って当てるが、ペッチはこれに止められず前に来る。だが、井上は再度右ストレートをヒットする。

3R

追い足を強めたペッチは左ストレートを振りながら井上をロープまで追い詰める。そして距離が詰まると右フック、左アッパー。井上も右アッパー、左ボディフックを打ち返す。

左目から出血しながら前に来るペッチに対し、井上は左ショートフックをクリーンヒット。だが、ペッチは前進を落とさない。

井上は左右ストレートを伸ばし、ペッチをストップしようとする。

4R

ペッチはガードを上げて井上に迫る。これに対しジャブで遠ざけ、右ショートストレートを出しながら前に出ようとする井上だが、ペッチはプレッシャーを弱めない。

右フックをダッキングでかいくぐり、ショートフックを当てる井上。その後の右ストレートにダメージを見せるペッチだが、またすぐ前進に戻る。

ここまでの採点は3者とも39-37で井上を支持。

5R

接近戦から振ってくるペッチのショートフックとショートアッパーをブロックし、井上はバックステップしながら打ち返して応戦する。

ペッチの打ち終わりに返す右ストレートで捉える井上。荒々しいスタイルのペッチは井上に打たれながらも前に来て、接近戦でフックとアッパーを打ち込んでいく。

6R

ロープを背にする井上だが、右ストレートを繰り出しながら前に出て、体を入れ替える。しかしペッチはやはり前に出てきて、再び井上にロープ・コーナーを背負わせる。

ペッチが左ストレートを当てれば、井上も右ストレートを当て返す。乱戦に持ち込もうとするペッチだが、井上は足を止めず左回り。自身の戦いを貫く。

7R

井上は前に来るペッチに対しステップを使って距離を保ち、右ストレートのカウンターと左回りで対処する。

追い足を強めるペッチだが、井上も足を止めずペッチに捕まえさせない。

右ストレートのカウンターを当て、左回りする井上。ヒラリとペッチをかわしていく。

8R

追うペッチ、左回りでかわしていく井上の構図は変わらず。井上はペッチの前進に慣れてきたか、右ストレートと左フックのショートパンチでカウンターを取る。

相手の右ジャブにかぶせた左フックでペッチをグラつかせる井上。だが、ペッチはすぐに足をしっかりさせて再び圧力を掛けてくる。

ボディから顔へのフックと迫るペッチだが、井上はブロッキングとボディワークで有効打を与えない。

8Rまでの採点は77-75、78-74、79-73で3者とも井上を支持する。

9R

井上を下がらせ、ロープ・コーナー際から出させないように展開するペッチ。接近戦からペッチが左右フックを振るってくると、その合間を縫って井上は逆に左フックをヒットする。

ロープこそ背にする井上だが、そこでペッチに攻め立てさせない。

ペッチのストレートをヘッドスリップでかわすと逆に右ストレートを当て、そこから連打で反撃する。

10R

ロープに詰めてくるペッチだが、井上はヘッドスリップにダッキング、そしてブロッキングでダメージを負わず、ペッチのパンチに合わせたカウンターを狙っていく。

左フック、左ボディフックを決めた後、フットワークで距離を空ける井上。右ストレートにペッチの動きが止まると、そこから追撃しようと狙うが、ペッチの目は生きており、井上は深追いしない。

11R

ロープに詰めてからの振りが大きいペッチに対し、井上はその内側を抜いてのフックや先に放つフックでヒットを上げる。

井上はフットワークの軽やかさが失われておらず、ジャブでペッチをとらえていく。

12R

井上はペッチから的確に距離を取り、ジャブを当てて懐に入らせない。接近戦の場面でも体をつけてペッチにクリーンヒットを与えない。

しかし終盤、ペッチは右クロスのヒットから右アッパー、ショートフックと連続で当ててやや動きの鈍った井上に迫る。

だが、ここはクリンチも駆使して井上は乗り切り、フットワークで危険な距離を回避する。そして最後はワンツーをペッチに打ち返して終了。

判定は3者とも117-111、井上が暫定王者に輝いた。

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