テーラーメイド「Qi35 MAX ドライバー」徹底比較!G430 MAX 10K・G440 MAX・コアモデル、あなたに合うのは?

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2025年、テーラーメイドから注目の新シリーズ「Qi35」が登場しました。今回は、クラブフィッターの小倉勇人さんに、進化したQi35シリーズの中でも特に注目されるQi35 MAXドライバーの魅力について、他メーカーのドライバーと比較しながら詳しく解説していただきました。選び方のポイントも必見です。

Qi35 シリーズの進化点とMAXの位置付け

前作のQi10 MAXはいわゆる10Kでした。左右上下の慣性モーメント合計の値が10000を超えることが1つのトピックになり、ある意味Qi10の中心モデルであったと言っていいと思います。

今作に関してはどちらかというとコアモデル、スタンダードのQi35ドライバーが中心でQi35 MAXはそれほど前面に押してない状態です。理由は今作のQi35に関しては少しアジャスト能力とかそういうところが1つの鍵になっているからです。

Qi10に関しては慣性モーメントが1つのトピック売りだったので、そこを一番大きく使ったMAXがメインモデルみたいな感じでした。

ただ、今作のQi35シリーズはフィッティングやアジャスト能力を重視しています。「トラジェストリーアジャストメントシステム」という可変ウェイトを数多く搭載したQi35コアモデルとQi35 LSがコンセプトに沿っているため、MAXが中心という扱いではないと思います。

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実際にMAXには可変ウェイトは搭載されておらず、34gの固定式タングステンウェイトをヘッド後方に搭載しています。

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前作Qi10 MAXの売りであった慣性モーメントの10Kは今作も維持されています。ヘッドに刻印されています。

今作の進化点は、トータルのコンセプトである「CGプロジェクション」にあります。フェース面上の重心点を最適化することで、最適なスピンを実現し、芯を外してもスピンが増えすぎないエリアが広くなっています。(Qi35シリーズは飛距離性能が高い打点エリアを広げることができています)

慣性モーメントを高めると、曲げないために一定のスピンがボールに伝わりやすくなります。重心が深く、慣性モーメントが高いものは、ボールを曲げないために一定の正対するスピン量を加えることで、スピン軸を傾けないように働きます。その効果を狙ってスピンが入りやすくなるのです。

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今回のQi35 MAXは、重心点を下げることで根本のスピン量を減らし、芯を外したときも極端なスピン過多にならないように設計されています。10Kの慣性モーメントを持ちながら「CGプロジェクション」位置を下げ、ミスヒットに強く仕上がっているのです。つまり、スピン量が減った10Kドライバーに進化したのがQi35 MAXなのです。

そのため、Qi10で曲がらなかったけれど飛距離ロスが多かったり、安定しているけれどもう少し飛ばしたいという人にぴったりのドライバーに進化したと言えます。

同じ10KのPING G430 MAX 10Kと比較

飛距離を意識した表現をしているPINGのG440シリーズと比較してみましょう。同じ10KのG430 MAX 10Kドライバーは継続販売されており、10Kという意味ではライバルモデルになります。

試打した体感としては、スピン量はほぼ同等か、Qi35 MAXの方が少し減ったように感じます。G430 MAX 10Kは、非常に慣性モーメントが大きく、振り心地もいかにも大型ヘッドという印象です。

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対してQi35 MAXは、カーボンフェース前側の軽量化による重量配分のおかげか、振り抜き感が非常にスムーズです。10Kドライバーとして比較すると、このあたりに振り心地の違いがあると言えます。

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直進性が高い方が安定して振れる人もいるため、G430 MAX 10Kの方が気持ちいいと感じる人もいるでしょう。ローテーションを意識して振る人は、Qi35 MAXの方が振りやすい可能性もあります。これは実際に振ってみないと個人の感覚なので断言は難しいですが、ローテーションを大きく使う私としては、G430 MAX 10KよりもQi35 MAXの方が振り抜きやすかったです。

新しいPING G440シリーズとの比較は?

さらにG440シリーズの中で比較すると、ポジションは異なりますが、同じネーミングのG440 MAXが比較対象になると思います。

直進性を重視するなら、G440シリーズではMAXが中心になるでしょう。G440 SFTは右へのミスを抑えるクラブなので、真っ向勝負のライバルはG440 MAXだと言えます。

他メーカーと比較する場合も、同様に真ん中のモデルが比較対象になるでしょう。

今回のテーラーメイドQi35シリーズには、ドローバイアスを謳うクラブはありません。基本的にQi35シリーズのクラブ別特性を見ると、どのモデルも直進性が高く、スピン量・弾道高・慣性モーメントで分類されています。

ドローバイアスのクラブとMAXを比較すると、特性が異なります。そのため、スライスの矯正は必要ないけれど、直進性が高いものが欲しいと考えるなら、Qi35 MAXが選択肢になるでしょう。

このあたりはわずかな違いではありますが、合わないと違和感を覚える可能性があります。自分がどのような打ち出し方向でどのような球を打ちたいのかを明確にした上で、ヘッドを選ぶ必要があります。そうしないと、微妙な違和感が残る可能性があるため、慎重に選んでいただきたいと思います。

コアモデル・MAXモデルの選び方

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今回のQi35シリーズは、コアモデルのQi35とQi35 MAXでヘッド形状が非常に似ています。この違いは分かりづらくなっているかもしれませんが、基本的に安定した球を打ちたいのであればMAXがおすすめです。

その上で、ある程度飛距離を追求したい、よりアジャスト能力を高めて自分にフィットさせたいという考えが強い人は、コアモデルが良いでしょう。

自分で調整したり弾道調整機能を操作するのは、面倒な側面もあります。やはり、購入してすぐにやさしく使いたいのであれば、MAXが間違いない選択と言えます。

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特にスピン過多で悩んでいる人は、コアモデルの方が良い結果が出る可能性があります。低スピン性能という点では、コアモデルの方が若干低めのスピン量になりやすいと言えます。

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「とにかく真っ直ぐ飛ばしたい」ということを最優先に考える人は、MAXモデルを選ぶと良いでしょう。

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10Kの慣性モーメントを達成しながらバランスの良いモデルはQi10でも実現されていましたが、今回のQi35 MAXは、さらに振り心地が良く、低スピンで適正な弾道が打てるように進化しています。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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