苦手意識を払しょく。同期への対抗心、その強さがチームを推進させる

クリタウォーターガッシュ昭島 田草川選手(中央) 【©ジャパンラグビーリーグワン】

リーグワンディビジョン3 第8節。クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、これまでホストチームとして対戦相手を迎えてきたAGFフィールドに、初めてビジターチームとして乗り込み、ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)との一戦に臨む。今季の1巡目の対戦では敗れている相手だけに、なんとしても勝ち星をもぎとって、浮上のきっかけをつかみたい。

この試合の注目は、加入3年目の田草川恵だ。今季はここまで全試合に出場中。最初の5試合は途中出場だったが、第6節からは2試合連続でスターターの座をつかんだ。

田草川がラグビーを始めたのは幼稚園のころ。故郷である山梨県の幼なじみであり、現在は浦安D-Rocksのキャプテンを務める飯沼蓮の誘いがきっかけだった。本格的にラグビーに取り組むのは、東海大学附属甲府高校ラグビー部に入ってからだが、以来、プロップ一筋のラグビー生活を送ってきた。だが、意外なことを田草川は口にする。

「スクラムに苦手意識がありました」

その意識が変わったのは、今季を迎える前の合宿だった。WG昭島の土台ともいえるスクラムをイチから鍛え上げてきた山村亮フォワードコーチの指導を受けて、「いい感覚」をつかんだという。

「亮さんに教えてもらったことが、精度高くできるようになってきました。やっと、WG昭島のスクラムのピースに(自分が)ハマったなと実感しています。(D3優勝のためには)もう負けられないというプレッシャーはありますが、まずはラグビーを楽しむこと。その上で、スクラムから流れを作って、チームの勝利に貢献したいです」

木村星南(東芝ブレイブルーパス東京)、前田翔(コベルコ神戸スティーラーズ)、徳田悠人(日野レッドドルフィンズ)ら、東海大学の同期で同じポジションの選手たちが毎試合のように活躍する中、「自分も負けたくない」と田草川。その気持ちの強さがWG昭島を前へ押し出すエネルギーになるはずだ。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)
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