“後半20分”を攻略せよ。1年間の誓いをついに果たすとき
敗戦の多くで、江東BSは終盤に失点を重ねてきた。それまで粘り強く戦いながらも、最後の局面で相手に突き放される。この流れを断ち切るためには、何かが必要だった。試合を勝ち切るための“あと一押し”となるもの。経験なのか、精神的なタフさなのか。そんな中、リザーブメンバーに一人の男の名前が刻まれた。
ロックとフランカーをこなす大﨑哲徳は、早稲田大学から江東BSに加入し、今年で3年目となる。だが、彼の道のりは決して順風満帆ではなかった。1年目で負ったけがは長引き、状態が良くなったかと思えばまた悪化する。その繰り返しに耐えながら、騙し騙しピッチに立っていた。
そんな調子だったおよそ1年前、二つの選択肢による決断を迫られるときが訪れた。「軽めの手術をして3カ月で復帰するか、しっかり手術をして1年間リハビリに費やし完治を目指すか」。大﨑に相談された吉廣広征ヘッドコーチ兼マーケティングリーダーは、「時間が掛かるとしても、そのあとのほうが長くチームに貢献できる選手だと思ったので、1年でどれだけ強くなれるか、というのを二人で話して決めた」。そして昨年1月13日の試合を最後に、長いリハビリ生活に入ることとなる。
リハビリ期間中、大﨑はチームから課されるメニューに加えて“自分のメニュー”もこなしていた。チームの練習がない日も、社会人としての仕事を終えたあとに一人でクラブハウスに通ってトレーニングを積む日々を過ごした。
「期間が1年間あって、復帰がとても遠い先でなかなかモチベーションを維持し続けることが難しい部分もありました。しかし、3カ月で復帰できる道もあったところを『1年間掛けてしっかりやろう』と自分で決断をしたので、『自分自身がなぜこういう選択をしたのか』というところに立ち返り、自分の気持ちに整理を付けて臨んでいました」
そして、いよいよ迎える復帰戦に向けて、大﨑は静かに闘志を燃やしている。
「『ようやくだな』という気持ちです。1年間リハビリに付き合ってくれたトレーナーや、S&C(ストレングス&コンディショニング)トレーナーのみなさんに感謝をして挑みたいと思います」
待ちわびた瞬間まで、あと少し。1年間の覚悟を胸に、大﨑哲徳が江東BSの“後半20分”に新たな風を吹かせる。
(奥田明日美)
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