投手優勢のパ・リーグ新人王 近年の「野手新人王」成績はどうだった?

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埼玉西武ライオンズ・源田壮亮選手(左)、東北楽天ゴールデンイーグルス・田中和基選手(右)※写真は2024年シーズンのもの 【球団提供】

 昨年3月、大学生ながら日本対欧州代表戦のメンバーに選ばれ、同年10月に行われたドラフト会議では競合…… とプロ入り前から将来を嘱望されている、東北楽天・宗山塁選手と千葉ロッテ・西川史礁選手。春季キャンプでも一挙手一投足が注目され、プロ1年目から新人王級の活躍を期待するファンも多いだろう。

 ところが近年、パ・リーグの最優秀新人賞(新人王)は投手が優勢。2000年以降でもセ・リーグは9人の野手が新人王を獲得したのに対し、パ・リーグは源田壮亮選手と田中和基選手の2人だけだ。

2000年以降の最優秀新人 【©PLM】

源田壮亮(2017年)

【2017年主な成績】
打率.270 143試合 155安打 3本塁打 57打点 85得点 37盗塁 OPS.669
守備率 .971 21失策

 2017年は当時、プロ1年目だった埼玉西武・源田選手が新人王に輝いた。新人遊撃手で球団36年ぶりとなる開幕戦スタメンに抜てきされ、「9番・遊撃」でプロデビュー。開幕5試合目から「2番・遊撃」に定着した。

 月別成績を見ると、6月と7月こそ打率が2割3分を下回ったが、それ以外の月では打率2割5分以上を記録(1試合のみの3月を除く)。特に5月は打率.306(98打数30安打)、出塁率.376、9月は打率.317(82打数26安打)、出塁率.333のハイアベレージを残した。

 また、この年の7月下旬から8月上旬にかけてチームは59年ぶりに13連勝を飾っており、源田選手もその大型連勝に貢献。連勝期間中にマルチ安打を5度記録し、打率.313(48打数15安打)と快音を響かせた。

 終わってみれば143試合フルイニングに出場し、球団新人盗塁記録を更新する37盗塁など好記録づくし。新人王にふさわしい活躍ぶりだった。

田中和基(2018年)

【2018年主な成績】
打率.265 105試合 112安打 18本塁打 45打点 67得点 21盗塁 OPS.746
守備率 .992 2失策

 2018年の新人王は、6月以降に「1番・中堅」を勝ち取った大卒2年目の田中和基選手。チームで2番目に多い18本塁打を記録したが、このうち初回先頭打者本塁打は3本、満塁弾が1本。8月1日・オリックス戦では、右打席で京セラドーム大阪のバックスクリーンに放り込むと、左打席でもライトスタンドへ本塁打を打ち込んだ。
 さらに、チームトップの21盗塁を成功させ、守っても広い守備範囲と強肩で存在感を発揮。好守の様子がパーソル パ・リーグTVにも残っている。
 同年、54試合に登板し中継ぎでブレイクした山本由伸投手(当時オリックス)との新人王争いになったが、走攻守で光る田中選手が新人王を受賞した。

レギュラー定着と出色の数字が新人王獲得の目安か

 チームの正遊撃手として、近年少なくなった143試合フルイニング出場をいきなり成し遂げた源田選手と、走攻守で片鱗を見せた田中選手。両選手の活躍から新人王獲得の目安を考えてみると、まずレギュラー奪取は不可欠といえそうだ。さらに打率3割、2桁本塁打、2桁盗塁といった出色の数字を残し、自身の持ち味を存分に出し切ることもタイトルに近づく一歩になるだろう。

 大学通算打率.344のアベレージヒッターであり、高い守備力も自慢の宗山選手。そして長打力が光る西川選手など、6球団のルーキーたちの特徴に注目しながら、2025年の新人王の行方を楽しみにしたい。
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