新しいヒロイン2025《97期生・神谷 奈恵》

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神谷 奈恵 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。

かみや・なえ=2000年8月11日生まれ

 ひたむきな性格が伝わってくる。質問の答えを吟味しながら控えめに話す。内に秘めた静かな闘志を発揮するのは、プレー中に限定しているからだろう。

 奈恵という名前、けっこう珍しい。「姉も、奈の一文字がつく。これが両親の決まりみたいです。小さな頃、両親から聞いた話では周囲の方に恵まれるように、と願いを込めたらしい。確かに、そうですね」。

 24年、最終プロテスト合格では、「ここまでの人生で一番、皆さんからおめでとうと祝福していただきました」という。特に研修生で2年間過ごした、兵庫・廣野ゴルフ倶楽部の方は、特別です。「大学時代、キャディーをしたことがあり、ゴルフ部の先生が紹介してくださり、研修生になりました。名門です。とにかく、環境が素晴らしい。練習をたくさん、させていただけることが本当にありがたい。加えて、周囲の方がやさしく、あたたかいです。メンバーさん、コースのスタッフの皆さんをいつも身近に感じていました」。

 プロフィール、資格の項には英検2級と記されている。「高校3年の時に合格。私の高校は年に一度、英検、漢検などを受験するカリキュラムがある。私は英語が好きだから3級→準2級の順番で…」。続けて、「中学校の時、ECCに通って、英語に触れる機会が結構、ありました。さらに、ゴルフは小学生の時から。役に立ちます。全国大会になると、海外から出場する選手もいる。一緒にプレーをすると、英会話ができればもっと楽しい。高校2年の時です。高ゴ連代表で国際試合を体験。ますます英語が好きになった」とも。

神谷 奈恵 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 大学進学時、志望校を探すことがひと苦労だった。「ゴルフ部があって、英語の勉強をしっかりできるところがいい」。選択したのは大阪学院大学だ。「探しました。2つを両立できるのは、ここだけ。しかも、ネイティブの先生から、英語で英語を学ぶ、少人数コースです。大変だったけど、楽しかった」そうだ。大学4年時、隔年開催の世界大学選手権に出場。英語圏ではなく、イタリアだったことが残念だったが、「結構、英語が役に立ちました。成績は、女子団体で3位です」と話した。

 こうなると、次は世界へ-となるが、「世界で戦う姿は思い描けません。しっかり、JLPGAツアーでプレーすることが目標。25年はステップ・アップ・ツアー中心です。優勝できれば、と考えているけど26年、しっかり上のツアーで通用するように、力をつけます」と、身の丈のテーマを言葉にした。

 最初から最後まで、ごく控えめ。とても今どきの選手とは思えない。「プレースタイルは、カタく。カタく…。飛距離が出るわけではない。だから、精度で勝負する」。どこまでも、誠実だった。なぜなら、堅実な姿勢は一生の財産。次を語るのは、結果が出てからでも遅くはない。(青木 政司)
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